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 酸化LDLは、血栓ができやすい体質にする

 酸化LDLは、血管内皮細胞に作用して、血栓が作られやすい体質にします。 

 1.酸化LDLは、血小板凝集を抑制する一酸化窒素(NO)の産生を、低下させる
 一酸化窒素(NO)は、血管内皮細胞で産生されます。
 NOには、血管拡張作用のみならず、血小板凝集を抑制する作用があります。
 酸化LDLが、血管内皮細胞からのNO産生を低下させるため、NOによる血小板凝集の抑制作用が減弱し、血栓が形成されやすくなります。
 なお、この酸化LDLによるNO産生低下は、酸化LDL中の酸化されたリン脂質、りゾホスファチジルコリン(LPC)によることが、明らかにされています。

 2.酸化LDLは、血液を凝固させる組織因子を、発現させる
 酸化LDLに含まれるLPCなどは、血管内皮細胞を障害して、組織因子の発現を誘導します。組織因子は、外因系血液凝固を起こし、血栓が形成されます。

 3.酸化LDLは、組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)の放出を、抑制する
 酸化LDLは、血管内皮細胞に作用して、プラスミンの産生を促進する組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)の放出を抑制します。その結果、プラスミンの産生が行われず、血栓のフィブリン網が溶解されにくくなります。
 ただし、実際には、血液中のt-PA値は、血栓が形成されやすい、心筋梗塞や脳梗塞や糖尿病の患者では、高値です。これは、作られやすくなっている血栓を溶解するために、t-PAの産生が、反応性に増加するためと、考えられます。

 4.酸化LDLは、プラスミノゲンアクチベーターインヒビター-1(PAI-1)の放出を増加させる
 酸化LDLは、血管内皮細胞に作用して、t-PAの作用を抑制するプラスミノゲンアクチベーターインヒビター-1(PAI-1)の放出を増加させます。その結果、t-PAによりプラスミンが産生されにくくなり、血栓のフィブリン網が溶解されにくくなります。

 5.酸化LDLは、トロンボモジュリン(TM)を減らす
 酸化LDLは、血管内皮細胞表面のトロンボモジュリン(TM)を減らすため、トロンビンの凝固活性が失活されにくくなります。
 また、TMの減少により、抗凝固因子のプロテインCの活性化が抑制され、血液凝固反応にネガティブフィードバックがかからないため、血栓形成が進行します。

 酸化LDLが、直接、血小板機能や凝固因子や線溶因子にどのように影響するかは、知られていないようです。

 以上のことより、血液中の酸化LDL、特に、その中でもLPCのような、酸化された不飽和脂肪酸は、血管内皮細胞に作用して、血栓を作りやすい体質にしてしまうものと、思われます。

 追記
 血小板と血液凝固
 血流が停滞すると、内因系血液凝固が活性化され、凝固血栓が形成される。

 血流が停滞し凝固血栓が形成される機序として、リポ蛋白説と赤血球膜プロテアーゼ説などが提唱されている。
 リポ蛋白説:リポ蛋白レムナントの表面に存在する陰性荷電リン脂質により、内因系血液凝固が活性化され、XI因子をXIIa因子が活性化させたり、IX因子をXIIa因子やカリクレインが活性化させる。
 赤血球膜プロテアーゼ説:赤血球膜上に存在するプロテアーゼ(好中球やマクロファージから放出されるエラスターゼと同様の因子)が、血流が停滞した際に、IX因子を活性化させる。また、陰性荷電リン脂質(赤血球膜由来のマイクロパーティクルでリゾホスファチジン酸から誘導される)が、内因系血液凝固を活性化させる。
 外因系血液凝固では、組織の陰性荷電リン脂質膜上で、組織因子(III因子)・VIIa因子複合体が、Ca2+(IV因子)とMg2+の存在下で、IX因子を活性化させる。活性化されたIXa因子は、活性化された血小板(凝集した血小板)の膜上で、VIII因子と複合体(X因子活性化複合体)を形成し、Ca2+(IV因子)とMg2+の存在下で、X因子を活性化させる(組織因子が多量に存在する際には、組織因子・VIIa因子複合体は、直接X因子を活性化させる)。活性化された。Xa因子は、活性化された血小板の膜上で、Va因子と複合体(プロトロンビン活性化複合体)を形成し、プロトロンビン(II因子)をトロンビン(IIa)にする。

 内因系血液凝固では、(XIIa因子により、)XI因子が、陰性荷電脂質などの生体異物面や、リポ蛋白レムナント膜上で活性化される。活性化されたXIa因子は、(外因系血液凝固と同様に、活性化された血小板の膜上で、)IX因子を活性化させる。活性化されたIXa因子は、外因系血液凝固と同様に、血小板の膜上で、X因子を活性化させ、凝固反応が進展する。また、血小板の膜上では、トロンビン(IIa)によって、XI因子が効率良く活性化される。

 このように(活性化され血小板凝集を起こした)血小板は、血液凝固(外因系血液凝固も内因系血液凝固も)を、促進させる場となる。
 血流が停滞した際、血小板が活性化され血小板凝集が起こる(血小板血栓が形成される)と、内因系血液凝固も活性化され、凝固血栓が形成される。

 脂質(陰性荷電リン脂質やリポ蛋白レムナント)は、血小板と一緒に、特に、内因系血液凝固を進展させる
 従って、血液中にこれらの脂質が多いと、血栓を形成し易くなると、考えられる。

 参考文献
 ・山本一彦、他:カラー図解 靭帯の正常構造と機能 IV 血液・免疫・内分泌 (日本医事新報社、2002年).
 ・森亘、桶田理喜、監訳:ロビンス 基礎病理学 第7版、廣川書店、平成16年.
 ・藤巻道男:出血傾向のスクリーニング検査、日本医師会雑誌、第109巻・第2号、220-224、平成5年1月16日.
 ・血漿フィブリノーゲンに及ぼす食生活の影響−鉄、砂糖、カフェイン摂取量増大で上昇、Medical Tribune 循環疾患版、87頁、2006年7月27日号.
 ・鈴木宏治:質疑応答 血液凝固と血小板、日本医事新報、No.4313(2006年12月23日)、87-88頁.

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