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 連鎖的脂質過酸化反応   
 1.連鎖的脂質過酸化反応とは
 活性酸素による過酸化脂質の生成は、連鎖的に行われると考えられています。

 つまり、生体内で、細胞膜などに存在する脂質(LH)は、活性酸素のヒドキシルラジカル(・OH)により、電子を奪われて不対電子を持つようになり、水素原子を引き抜かれると、脂質ラジカル(L・:アルコキシルラジカル)になります(連鎖開始反応)。
 生成された脂質ラジカル(L・)は、酸素分子(O2)とすみやかに反応して、脂質ペルオキシルラジカル(LOO・:アルキルペルオキシルラジカル)となります。
 脂質ペルオキシルラジカル(LOO・)は、他の脂質(LH)と反応して水素を引き抜き、自らは脂質ヒドロペルオキシド過酸化脂質:LOOH)となり、同時に、新たに脂質ラジカル(L・)が生成されます。
 この脂質ラジカル(L・)が、酸素分子(O2)と反応して脂質ペルオキシルラジカル(LOO・)となり、他の脂質(LH)と反応して、過酸化脂質LOOH)と新たな脂質ラジカル(L・)が生成される反応が、連鎖的に繰り返されます。
 このようにして、活性酸素のヒドロキシルラジカル(・OH)により生じる脂質ラジカル(L・)が、他の脂質(LH)と反応し、過酸化脂質(LOOH)になり、新たなる脂質ラジカル(L・)が生成される反応は、連鎖的に続くので、連鎖的脂質過酸化反応と呼ばれています。

 脂質(LH)としては、二重結合のある多価不飽和脂肪酸が、酸化を受けます。

 連鎖的脂質過酸化反応は、細胞膜で起こります。
 キサンチンオキシダーゼ(XO)によって産生されるスーパーオキシド(O2-は、水溶性ですが、疎水性の細胞膜内奥の脂質不飽和部に、連鎖的脂質過酸化反応を引き起こすとされます。
 その機序は、スーパーオキシドが、まず、3価鉄の鉄錯体(Fe3+-Che:特に、Fe-NTA)を2価鉄の鉄錯体(Fe2+-Che)に還元します。そして、2価鉄(Fe2+)は、 細胞膜表面にごく僅か存在する過酸化脂質(LOOH)を、(脂質)アルコキシルラジカル(LO・)とヒドロキシルラジカル(OH・)に分解します。これらが、細胞膜内に潜り込んで、細胞膜内奥の脂質不飽和部と反応して、水素を引き抜き、連鎖的脂質過酸化反応を誘導すると考えられます。

 体内では、過酸化脂質(LOOH)は、生成された部位から血流により、他の部位に運ばれます。
 なお、糖尿病など増加する、糖化蛋白は、鉄とキレートすると、脂質を酸化させます。
 ビタミンEなど抗酸化物質は、活性酸素による連鎖的脂質過酸化反応を停止させます。

 2.抗酸化物質のビタミンEによる、連鎖的脂質過酸化反応の停止
 
ビタミンE(VE)は、脂質ペルオキシルラジカル(LOO・)に電子と水素を供与して過酸化脂質(LOOH)にして安定させ、自らはビタミンEラジカル(VE・)になります。
 この反応で生じたビタミンEラジカル(VE・)は安定していて、反応性が低いために、他の脂質(LH)と連鎖的に反応を続けることは、少ないと考えられています。
 ビタミンEラジカル(VE・)は、ビタミンCから電子を奪い、還元され、再生します。
 また、このビタミンEラジカル(VE・)は、もうひとつの脂質ペルオキシルラジカル(LOO・)と反応して、VEOOLになり、安定すると言われています。

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