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 趣味の栽培

 【ポイント】
 作物の根の発達の為には、土壌中に有用な微生物(特に好気性菌)が存在することが大切であり、土地は、モミガラなど微生物のエサとなる有機物を施し浅く耕す方が良い。
 アブラムシは、土壌や作物がチッソ過剰だと、増殖する。
ナスの葉に増殖したアブラムシ
 
 1.かんきつ類の植え付けと栽培
 かんきつ類(柑橘類)の植え付けは、3月中旬〜下旬(芽吹く前)に行う。
 苗木の植え付けには、畑土(又は赤玉土)7に、腐葉土3を加えた用土を用いる(元肥は用いない)。
 苗木を、10号以上の大きさの鉢に植え付ければ、4〜5年は、植え替え不要。

 植え付けた苗木は、日当たりが良く、強い風が当たらない場所に置く。
 水遣り:土の表面が乾いたら、鉢の底から、水が流れ出る程度、水遣りする(かんきつ類は、乾燥に強い)。冬場の乾燥は、樹の勢いを低下させてしまう。
 ウンシュウミカンは、8〜9月(果実が少し軟らかくなるまでの期間)は、乾かし気味に水遣りをした方が、果実は甘くなる。

 肥料:有機質の固形肥料(親指先大のものを5〜6個)を、春から秋まで、2カ月に1回程度、与える(土に押し込んでおく)。緩効性化成肥料を、軽く一握り程度の量を、春(3月)、夏(6月)、秋(10月)の3回、株元に施し、土と軽く混ぜる。鉢内の肥料が切れて来ると、苗の葉の色が、黄色に変化する

 2.苗の育て方
 育苗段階で、水遣りを制限して育てると、根が良く発達し、定植後に、水遣り制限をしても、しおれにくい。反対に、苗に水を遣り過ぎると、定植後に、水遣りを制限すると、強度にしおれてしまう。
 ポット苗は、乾燥気味に育て、根の発育を促進させる:ポット苗では、水遣りは、1回に、たっぷり水遣りして、用土の表面が白く乾き、苗が少ししおれて来たら、再び、たっぷり水遣りするのが良い。ポット苗では、用土は、土粒の大きさが不均一な用土を用いる。トマトなどの苗作り。ポット苗は、水をかける時には、水をたっぷりかけ、その後は、しばらく水をかけないで、土の表面が白く乾いて、苗の葉が少ししおれたら、再び、水をたっぷりかける。
 セル苗は、乾燥させないで育てる:セル苗では、水遣りは、用土が乾かないように、行う。セル苗では、用土は、土粒が大きさが均一に小さい用土を用いる。レタスなどの苗作り。

 3.大豆
 開花前は、水は控え、開花後(窒素代謝が盛んになる)は、水を与える。
 本葉5枚程度の時に、先端の柔らかい芽の部分を、摘心する(徒長させず、分枝を成長させる)。
 大豆は、開花が始まった後は、窒素吸収が、急増するが、土壌窒素だけでは不足するので、根粒菌が固定した、空気中の窒素を利用する。
 根粒を発達させる為には、潅水、消石灰の施肥、中耕培土が有用
 根粒菌は、乾燥に非常に弱いので、潅水した方が、根粒菌の活力が維持され、大豆への窒素供給が、増加する。
 根粒は、土地の水分量が多いと、大きくなる(肥大する):水を播いた後(雨が降った後)には、大豆の根に付着した根粒の大きさが、大きくなる。
 根粒菌は、消石灰を施用すると、増殖が促進される。根粒は、消石灰を施用して土壌のpHを高めたり、中耕培土して土層の表層の空気を多くすると、発達する。苦土(マグネシウム)を施用すると、大豆のツヤや甘みが、増加する。
 大豆は、生育初期は根粒菌が働かず、また、開花終了後は根粒(菌)が減ってしまう。生育初期と開花終了後は、根粒菌が固定した窒素だけでは足りないので、元肥の化学肥料(窒素)や堆肥で補う。 
 大豆以外に、小豆、クローバーなどの植物の根にも、根粒菌が付着し、根粒を形成する。
写真:小豆の若苗の根に付着した根粒菌
 
 4.体内微生物
 健全な植物の体内にも、微生物(体内微生物)が存在(生息)している。
 野菜や果物(トマト、リンゴ、サクランボ等)の体内から、各種の体内微生物が検出されている。キュウリや豆類からも、体内微生物が検出されている(1〜300種類/1ml)。
 体内微生物は、宿主の植物が健全な間は、増殖せず(病原性を示さない)、宿主の植物の組織が障害されたような時に、急速に増殖する。
 体内微生物は、死物寄生菌であり、宿主が生きている間は、病原性を示さず、むしろ、病原菌(活動寄生菌)が、植物に侵入することを抑制し、宿主の植物を病害虫からも防御する。
 体内微生物は、宿主の植物が、死滅(刈り取り、脱水、乾燥、枯死等)すると、宿主内で活動を活発にし、宿主を発酵させたりする。
 体内微生物には、麹菌(ヨモギ、ムギ、タケノコ等)、乳酸菌(クローバ、ナタネなどマメ科植物や、キュウリ、ナス、キャベツ、ダイコン、ハクサイ等)、納豆菌(イネ、ヨシ等)、枯草菌(トウモロコシ、ススキ・チモシー等)、酵母菌(ブドウ、イネ等)、放線菌(ネギ、タマネギ、ニラ、ミツバ等)等が存在する。

 5.樹液pH
 植物では、樹液pHは、体内のカリウム値(K値)と比例する。
 ピーマンは、健康な時には、樹液のpHは、5.6〜5.7。ピーマンは、結実によりカリウム(K)が消費され減少すると、樹液のpHが低下する。ピーマンは、樹液のpHが、5.5〜5.4に低下すると、ウドンコ病が多発する。ピーマンは、栄養生長しながら、生殖生長する。
 植物は、毛細根の先端からしか、カリウム(K)やリン酸を吸収出来ない。植物は、窒素は、根のどの部分からも吸収出来る(窒素が入って来る)。
 植物は、根(毛細根)が障害されると、土中のカリウム(K)やリン酸を吸収出来なくなり、カリウム(K)不足になり、樹液のpHが低下する。
 植物の樹液のpHは、生殖生長の際には、高く、栄養生長の際には、低い。樹液のpHは、果実が肥大しきってから登熟するスイカでは、pH6.5程度まで上昇するが、肥大しながら着色するサクランボは、pH5.5程度までしか上昇しない。
 スイカやメロンは、カリウム(K)を肥料として与えると、樹液のpHが上昇し、「秋が来た」と錯覚し、生殖生長が促進させ、実が熟する(果実糖度が高まる)。イオン強化カルシウムも、樹液のpHが上昇し、収穫最終期の果実糖度が高まるが、トマトやピーマンのように、継続的に収穫する作物には、向かない。
 カリウム(K)には、果実を肥大させ糖度を高めたり、水や養分の運搬を促進させたり(木部組織の浸透圧が高まり、水の吸収が促進させられる)、気孔の開閉をスムーズにしたり、細胞壁を厚くし病気に強くする(セルロースやリグニンなど細胞壁物質の合成を促進させる)と言う。
 ただし、カリウム(K)を、畑に過剰に施すと、土地のpHが高くなり、作物の根が傷み、却って、カリウム(K)の吸収が悪くなる。土地のカリウム(K)が過剰だと、作物の根が傷み、土地中のカリウム(K)を吸収出来なくなり、土地にカリウム(K)が蓄積する(作物の根が傷んだ為に、カリウム欠乏症状が現れた場合、カリウムを施肥すると、土地のカリウムが過剰になり、却って、作物の根を傷めてしまうおそれがある)。
 苗は、水を控えて育てた方が、細い根が発達する:作物の苗を育てる際(育苗)には、低温で、肥料も水も控えて、じっくり細根を発達させると、、カリウム(K)の吸収が良い苗に育と言う。
 同様に、人間の場合も、腹八分に食べて育てた方が、腸の吸収が良くなるようだ。

 植物の場合、樹液のpHが低い酸性体質では、樹液中に硝酸態窒素が多く、また、樹液のpHが高いアルカリ体質では、樹液中のカリウム(K)が多い。
 樹液のpHは、根傷みしたり、病気が出始めると、5.4以下に低下する。
 樹液のpHは、篩管(養分に地上部に輸送する)中の樹液では、7.8〜8.0と高く、導管では、5.0〜5.5と低い。樹液pH診断では、篩管と導管の両方を潰した時の樹液のpHを測定している。

 土地の石灰(カルシウム)が不足すると、作物(トマト)の葉が、上向きに反ってしまう。
 土地のカリウム(K)が不足すると、作物(トマト)の葉が、下向きに反ってしまい、また、葉の縁が黄色になったり、花芽(つぼみ)が落ちてしまうことがある。
 土地のリン酸が不足すると、作物の葉は、葉脈に沿って、うろこ状に盛り上がる。土地が、リン酸不足から苦土欠に進行すると、作物の葉は、退色して、網目が、明確に見えるようになる。

 樹液pHは、硝酸態窒素(アミノ酸に同化されないで植物体内に蓄積した窒素)により低下させられ(酸性体質になる)、カリウム含量により上昇させられる(アルカリ体質になる)。
 根傷み(肥料過多による濃度障害、水分の過不足、高温・低温障害、細根不足による不良苗等が原因)が起こると、カリウムやリン酸(毛細根の先端から吸収される)の吸収が減少し、窒素の吸収(浸透圧による)が増加し、樹液pHが低下する(酸性体質になる)。
 作物(植物)は、アルカリ体質(pH5.5以上)だと、生殖生長になり、節間が短く、病害虫の発生が少なく、なり疲れがなくなる。
 作物(植物)は、酸性体質(pH5.5以下)だと、、栄養生長になり、節間が長く、病害虫の発生が多く、なり疲れが起こる。

 6.アミノ酸のC/N比
 アミノ酸は、C(炭素)、N(窒素)、H(水素)、O(酸素)から構成されている。
 アミノ酸を構成するC(炭素)とN(窒素)の比率をC/N比と呼ぶ。
 アルギニンは、C(炭素)6個と、N(窒素)4個とから構成されているので、C/N比は、1.5と低く、根や葉を伸ばし、栄養成長的に作用する。
 グルタミン酸は、C(炭素)5個と、N(窒素)1個とから構成されているので、C/N比は、5と高く、糖質の生成に関与し、生殖生長的に作用する。
 アミノ酸を、葉面に散布すると、(葉面から吸収され、)根に送られ、根の細胞の伸張に利用される(根毛が短時間に伸びる)。アミノ酸を、葉面に散布し、根が伸張すると、養分吸収が促進されるので、生育や登熟が促進される。しかし、このような効果が得られる為には、根の周囲の土壌に、アミノ酸やミネラル類が十分に存在する必要がある。

 7.接ぎ木
 キュウリ穂木を、カボチャ台木に接ぎ木(呼び接ぎ)する際、接ぎ木のポイントは、キュウリ穂木は胚軸の2/3〜3/4程度、鋭角に切り上げ、また、カボチャ台木は、胚軸の1/2程度、鋭角に切り下げ、十分な接合面を作る。
 接ぎ木した時点では、キュウリ穂木や、カボチャ台木は、やや水不足の状態で、しおれ気味の方が、しっかりと活着する。
 接ぎ木した1週間後ぐらいに、キュウリ穂木の胚軸を切断する。

 呼び接ぎの場合、天気に無関係に、苗が接ぎ木し易い大きさになったら行う。
 断根接ぎの場合、晴天が2日続いた日の午後に、接ぎ木を行う。
 挿し木は、曇雨天の午後に行う。

 8.トガリ竿
 太い針金(6番)を、30〜60cmの長さに切り、約10尺の竹竿などにくくり付ける。針金の先端は、なるべく、ヤスリで削って、光らせる。
 このトガリ竿を、田の周囲や、畑の中に、15〜30m間隔に立てる。トガリ竿は、畑では、果樹の幹に、トガリ竿の先端が枝より上になるように、くくり付ける。
 トガリ竿は、リンゴなどの鳥害防止に有用(アンテナ作用のある針金から、電磁波が発せられ、鳥を混乱させる)。
 トガリ竿は、畑で、太陽から降り注がれるマイナスの電気を取り込み、陰陽のバランスを保つ。植物は、葉からマイナスの電気を発し、根からマイナスの電気を吸収する。田畑にマイナスの電気が不足すると、病気や、虫害が発生し易い。

 9.ミミズ
 枯れ草をミミズに食わせ、肥料として、ポットで大麦を育てると、化成肥料を用いて大麦を育てた場合に比し、大麦の収量は82%と低下するが、大麦の背丈が大きくなる(オーキシン類似ホルモン物質が関与する)。
 大麦の茎葉のカルシウム含量は、化成肥料で育てた場合より、ミミズをポットに入れた場合の方が、多くなる:茎葉のカルシウム含量は、化成肥料の場合0.76mg/100g、ミミズ8匹を入れた場合3.61mg/100g.。
 ミミズの煎じ汁は、熱冷まし効果がある。
 ミミズの粘液には、殺菌力がある:ショウガやサトイモなどの貯蔵に、ミミズを入れておくと、カビが生えても、ミミズが食べたり、身体から殺菌力がある粘液を出すので、保存状態が良くなる。

 10.気圧と植物の生長
 台風や降雨の際には、気圧が低下し、植物は、根からの水の吸収が促進し、同時に、窒素(硝酸態)も、水に正比例して吸収が促進され、ジベレリン活性が高まり、栄養生長が促進する。
 台風が通過すると、植物は、上部(生長点)と、下部(最下葉)とで、糖度差が大きくなる:通常は、植物の糖度は、上部が高く、下部は低いが、その糖度差は一定以内(0.6程度)だが、台風が通過後は、上部と下部の糖度差は、1度以上(1.2程度)に開く。
 台風が通過すると、植物の樹液のpHは、低下する:台風の低気圧の為(台風で気圧が低下すると)、窒素(硝酸態)が水と共に吸収が促進され、同時に、植物が強風で揺すられたりして、根や葉が傷んで、植物内のカリウム(K)など陽イオン成分のリーチング(養分溶脱)が起こり、樹液のpH(植物内のpH)が低下する。

 11.苦土
 苦土(マグネシウム:Mg)は、根からのリン酸の吸収を促進させる:リン酸は、土の中では、石灰(カルシウム:Ca)など結合して存在している。苦土を施すと、石灰(カルシウム:Ca)と結合したリン酸が、(カルシウムと分離して、)根か吸収され易くなる。
 苦土は、葉の光合成を促進させる:苦土(マグネシウム)は、植物の葉緑素の酸素発生複合体(OEC)に存在する。酸素発生複合体(OEC:水デヒドロゲナーゼ)は、マグネシウムイオン(Mnイオン)を4ケ有している金属蛋白質であり、光合成に際して、光のエネルギーを利用して、2分子の水を酸化(4電子酸化)させ、酸素と水素イオン(プロトン)と電子(光合成に利用される)を生成させる。
 苦土(マグネシウム)は、植物の酵素の働きを活性化させる。
 苦土を、梨の木に施すと、葉の色が濃くなり(黒緑色になる)、葉の厚さが厚くなり、葉に艶が出て、葉の表面の葉脈が太くなり、葉の縁の切れ込みが深くなる(葉の縁が鋸歯状になる)。
 苦土を、ニンニクに施すと、根に活力が生じ、根から十分に水分が吸収され、葉の裏側の細胞に水が十分送り込まれ、細胞が肥大するので、葉が力強く立つようになる。苦土(マグネシウム)を施用すると、大豆のツヤや甘みが、増加する。
 作物(ナス、ダイコン等)は、土地の苦土が欠乏すると、(特に古い葉が、)葉が黄色化し、葉脈間の葉緑素が抜けて、トラ模様になり、生育が止まったりする。

 12.ナスの見分け方
 ナスのヘタの部分は、養分を実に送り込むポンプ。
 ナスが美味しいかは、ナスのヘタの部分で、外観から判断出来る。美味しいナスは、ヘタの部分の棘が、真横向きに、鋭く突出している:美味しいナスは、ヘタの部分の棘が、鋭い三角錘状の形状をしている。ヘタの部分の棘が細い(三角錘状の形状が短い)場合は、リン酸欠乏を意味しいる。ヘタの部分の棘が、真横向きに尖っている場合は、健康な株であることを意味している。ヘタの部分の棘が、上向きの場合は、窒素過剰を意味している。ヘタの部分の棘が、下向きの場合は、(熟し過ぎて、)収穫が遅れていることを意味している。
 ナスを縦に割った時に、ヘタと実の境の緑色の線(維管束)が、(ヘタの茎に付着部分に向かって)釣鐘形のナスは、良く太り、柔らかく、美味しい(種子が、良く形成されている)。
 ナスを縦に割った時に、ヘタと実の境の緑色の線(維管束)が、ナデ肩状で、また、緑色の線が実の先端の方にまで長く見えるナスは、悪く太り、固い部分と柔らかい部分とがあり、美味しくない(種子が、良く形成されていない)。
 肥料の窒素が、十分だと、ナスを縦に割った時に、ヘタと実の境の緑色の線(維管束)が、緑色になる。肥料のカリ(カリウム)が十分だと、実が、スポンジ状に、柔らかくなる。肥料のリン酸が十分だと、種子が、良く形成される。
 美味しいナスは、糖度が、ヘタに近い部分も、先端の種子がある部分も、5度程度、有している。

 13.モミガラくん炭 
 トマトを、培土層の下に、モミガラくん炭を層状(5mm程)に敷くと、くん炭(燻炭)層に到達したトマトの根は、色が透明になり、分岐が多くなり、毛細根が発達する。なお、モミガラくん炭を、培土全体に混ぜると、根の分岐などは起こらない。
 (くん)炭は、菌の住処になったり、水を保水して、水を浄化する機能がある。
 くん炭は、肥料や、優れた土壌改良材として、使用される。
 くん炭は、モミガラ(籾殻、もみがら)を、時間をかけて炭火させる。
 くん炭は、土壌の通気性・排水性・保肥力を高め、また、酸性化した土壌のpHを矯正する。
 くん炭は、土中の有害物質を吸着してくれる。
 モミガラくん炭は、チッソの含有量が少ない

 (くん)炭は、保水作用、水浄化作用、菌相形成作用(菌の住処になる)がある
 くん炭は、育苗ポットでは、培土全体に混ぜるより、層状に敷いた方が、根の分岐促進などの作用が現れる。

 くん炭は、有益菌のすみかになり、畑の微生物相が、改善される。
 春にアスパラガスが芽を出した時期に、モミガラくん炭を播くと、穂先にベッタリ付着していたアブラムシが、1〜3日間で、一匹残らず、いなくなると言う(モスピランを使用しなくても良い)。このアブラムシに対するくん炭の効果は、アブラムシは、モミガラくん炭が発する臭いを嫌う(くん液の臭いを嫌う)為、現れると言われる。くん炭は、ナメクジ予防にも、効果がある。

 くん炭をネギの土寄せに用いると、ネギにサビが付かないと言う。くん炭は、モミガラ灰(ニカ灰)と異なり、ウドンコ病や、アブラムシには、効果がないと言う。

 草の灰分は3%程度だが、モミガラは、20%程度の多量の灰分を含んでいる。モミガラの灰の成分(灰分:モミガラ炭)の90%以上は、ケイ酸(珪酸)であり、稲の生長に良い(モミガラくん炭も、ケイ酸を多く含んでいる)。
 モミガラ灰や、モミガラくん炭を肥料として播いた田の水稲苗は、ケイ酸の含有率が多い。

 くん炭(燻炭)は、多孔性で吸湿性があり、下肥(しもごえ)や厩肥(きゅうひ)から流出する液体肥料を染み込ませて、田畑に施すと、肥もちが良いことから、古来から、用いられて来た。
 くん炭は、植木鉢の土に混ぜると、空気の流通や水はけが良くなると言う。

 モミガラ(籾殻)は、分解(発酵)し難い。
 モミガラの表面には、蝋様の物質が存在し、水分が中に染み込み難い為、微生物などによって、分解(発酵)され難い。モミガラは、長期間、雨ざらしに放置し、風化させ、水分が染み込み易くならないと、分解され難い。
 モミガラは、ヒトの屎尿(シニョウ:浄化槽の二次処理水を1週間程曝気したもの:空気がある好気性条件で微生物が増殖している)と混ぜると、分解され易くなる。モミガラを水中に入れると、何日経っても、モミガラは水に浮いている。しかし、モミガラを、ヒトの屎尿中に入れると、12時間程経つと、モミガラは屎尿に沈んで来る

 モミガラ(籾殻)は、炭素率が高く(C/N比=75.6)、チッソ(窒素)の含有量が少ない(全チッソ=0.48%)。
 チッソが過剰な土地に、モミガラを施すと、土壌中の微生物が増殖する際に、土壌中の過剰なチッソを吸収して、土壌中のチッソ過剰を改善する。
 モミガラは、腐り難く、田に施すとガスが出るおそれがある。
 モミガラを畑に施すと、土地が柔らかくなり、手刀が土の中にまっすく入るようになる。

 有機物(C/N比が高いモミガラ、枯葉・落ち葉など)→土壌中の有用微生物が分解(酸素や光を必要とする)し空気中の窒素を固定しペプチド・アミノ酸・蛋白を生成→高等植物(作物)が利用

 14.混植
 混植すると、土壌病害(リゾクトニア菌やフザリチウム菌による)を抑制出来る。
 ネギは、ウリ科の作物の土壌病害を抑制する。
 ニラは、ナス科の作物の土壌病害を抑制する。

 15.地あぶら
 ナタネ油は、搾りたての原油(粗油)には、クロロフィル(葉緑素)が多く含まれていて緑色をしているが、クロロフィルが、光に反応すると、原油は、変色(褐色に変化)してしまう。変色した油脂は、商品価値が低下してしまう。
 その為、原油は、脱酸、脱色(クロロフィルやβカロテンの除去)、脱臭など精製が行われる。
 原油(粗油)は、クロロフィルのような酸化物質(酸化を促進する物質)と、ビタミンEやβカロテンなどの抗酸化物質を含んでいて、酸化が進まないような組成をしている。ビタミンEやβカロテンも、変色の原因になるので、精製により、不純物として、除去されて来た。
 原油は、精製しないと、「オリ」が沈殿したり、脱ガムしないと、ガム(レシチン)質が生じてしまう。
 「地あぶら」には、ビタミンEなど抗酸化物質(酸化を抑制する物質)も残存しているが、クロロフィルなど酸化物質(酸化を促進する物質)も残存している。
 ダイズ油は、圧扁・破砕したダイズに、ノルマルヘキサン(溶剤)を加え、抽出して製油している。
 オリーブ油には、ポリフェノール類が含まれていて、口がヒリヒリする。ポリフェノール類は、オリーブ油の酸化を防止している。ポリフェノール類は、御茶や渋柿にも含まれる渋味成分であり、昆虫や病害虫から身を守っている防御物質(ファイトケミカルである。

 16.米糠除草
 米糠(米ヌカ)を、水田の除草に用いている人がいる。
 米糠は、水中で分解され、その際に、有機酸が生成され、雑草の発芽や発根を障害する。
 田面水に、米糠(150kg/10a)を施すと、田面水の酸化還元電位が、-100mV程度にまで、低下する。
 田面水のpHは、施す前pH7程度だったのが一旦、5.7程度にまで低下するが、施した4日頃には、元のレベル(pH≒7)に回復し、その後は、施した12日後頃には、pH8程度にまで、上昇する。
 田面水の電気伝導度(EC)は、施した直後(4日頃まで)は、55mS/m程度にまで増加し、施した20日後頃に、元のレベル(10mS/m)に戻る。
 田面水の溶存酸素量は、施す前は10mg/L程度だったのが、施した1日後には、殆どゼロにまで低下し、施して約2週間は、1mg/L以下であり、施した20日後でも、4mg/L程度にまでしか、回復しない。

 春の代かき直後に見分解の生ワラ(生稲藁)を田にすき込みと、ワラは休息に分解され、田の土の中が還元状態になり、有機酸が多量に産生され、稲の根が傷む。稲の根が傷むと、土の中の肥料の吸収が不良になり、稲が黄色になる。コナギなどの雑草が、土の中に余った肥料を吸収し、増殖することになる。
 生ワラを、秋のうちに土にすき込んで(耕運)、代かきをしてから、湛水しておき、春に稲苗を田植えすると、冬のうちにワラがゆっくりと分解される(土と水になじむ)ので、コナギは増殖しない。

 17.ストレスと成長
 活性酸素は、植物の生育に必要。
 活性酸素である過酸化水素は、植物の生長に際して、生成され、適当な濃度では、植物の生長を促進させる。表皮や種子に含まれtる発芽阻害物質は、過酸化水素により酸化され、活性を失い、発芽が起こる。

 グルタチオンは、アミノ酸のグルタミン酸とシステインとグリシンから、合成され、活性酸素の消去や、植物の生長を制御する。
 通常、細胞内は、還元的に保持されている。
 細胞に、活性酸素などの酸化的刺激が加わると、グルタチオンが合成される。

 植物は、一定期間、低温の環境(冬や冷蔵庫内など)に置いた後に、種子の発芽が、開始される。
 植物は、低温の環境で、低温刺激を受けると、活性酸素を生成し、グルタチオン合成を促進させ、発芽促進、花芽誘導、根毛形成、導管形成などが起こる。

 ネギは、植え替える際、土から引き抜いて、半日〜数日間、土の上に寝かせて、「干し苗」にしてから、再度、土に植えた方が、成長が良く、サビ病やベト病が、出なくなると言う。
 ネギは、夏に、1カ月以上、干して、「干し苗」にすることもある。
 ネギは、干すことで、水分ストレスがかかり、エチレンが生成され、発根が促進されたり、株が太く丈夫になると考えられている。

 18.木酢液
 1.5〜2.0Lのペットボトルの上1/3暗いの所に、四角に窓を3〜4カ所開け、ペットボトルの中に、木酢液(50倍液)をたっぷり(ペットボトルの2/3程度)入れ、トウガラシ(唐辛子)5本、ニンニク7片を加え、ハウスの中に吊るして置くと、アブラムシが寄って来ない。木酢液などを入れたペットボトルは、2畝のハウスに8本吊るす。木酢液は、次第に蒸発するので、2カ月おきに、新しい木酢液を、補充する。

 木酢液は、ヨーロッパでは、400年程前から、酢酸とメタノールの原料として、用いられていたの時代があった。
 木酢液には、様々な化学物質が含まれている。木酢液に含まれる成分には、有機酸類(蟻酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、イソ酪酸、バレアリン酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、レプリン酸)、塩基性成分(アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルサミン、ピリジン、ジメチルピリジン、2-メチルピリジン、3-メチルピリジン、4-メチルピリジン、アニリン)、中性成分(酢酸メチル、酪酸メチル、アセトール、マルトール、ベラトール、1,2-ベンゾピレン、3,4-ベンゾピレン、4,5-ベンゾピレン、メチルナフタレン、アントラセン)、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、イソブチルアルコール、プロピルアルコール、アリルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、イソアミルアルコール、アミルアルコール)、カルボニル化合物(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、グリオキサール、アクロレイン、ブチルアルデヒド、エチルメチルケトン、バレルアルデヒド、クロトンアルデヒド、フルフラール)フェノール類(フェノール、m-クレゾール、o-クレゾール、p-クレゾール、2,6-キシレノール、3,5-キシレノール、グアイアコール、カチュール、レゾルシン、ピロガロール)がある。

 木酢液に含まれるこれらの成分が、植物の育成を活発にしたり、病害虫(アブラムシなど)の発生を抑制する。
 木酢液に含まれる臭い成分は、植物が発する臭い成分と同様に、虫の発生や、細菌の増殖を、抑制してくれる。

 19.カラス対策
 畑の脇に棒を立て、ペットボトルを逆さにして、棒に、突き刺しておくと、風が吹いた時に、カラカラと音を発したり、太陽の光をキラキラと反射し、カラス避け効果があると言う。
 ペットボトルを突き刺す棒は、4m間隔に立てる。

 20.チッソ飢餓 
 C/N比が高い有機物(生のモミガラ、イネワラ、ムギワラ)を水田や畑に施すと、土壌中の微生物が、有機物を分解さする際に、微生物によりチッソ(窒素)が横取りされ、作物が、チッソ欠乏になる現象が起こる(チッソ飢餓)。チッソ飢餓は、作物苗の初期生育を遅らせるおそれがある。

 実際に、ムギワラを施した田(土)と、入れない田に、イネを植えて比較すると、ムギワラを施した田のイネは、チッソ吸収量が少なく、生育が抑制された。しかし、土壌中のチッソ量は、ムギワラを施した田の方が、アンモニア態チッソ量が多かった。
 また、土壌中の微生物が、ムギワラを施した後、(ムギワラを分解して、)チッソを多量に取り込むのは、湛水(ダムや水田に水をためること)直後の1週間の間であった。そして、イネ苗が、チッソの吸収量が低下し、生育が抑制されるのは、田植え10日後〜2週間後の間であった。
 従って、ムギワラを施した田で、イネの生育が遅れる(抑制される)のは、チッソ飢餓が原因でなく、微生物が産生する有機酸(芳香族カルボン酸)が、イネの根の伸長や、チッソの吸収や、窒素の根から茎葉への転流などを、抑制する為と考えられている。

 有機物(生のモミガラ、イネワラ、ムギワラ)をj施した場合には、ある程度(1週間程度)、時間を空けて、作物(苗)を植えた方が、微生物が産生する有機酸による生育抑制が、起こり難いようだ。 

 モミガラは、生で土地に施すと、チッソ飢餓を起こして、施した後の土壌中の土壌中の硝酸濃度が減少する(チッソが土壌中から取り込まれる)。しかし、モミガラを有機培地にして土地に施すと、二年目以降は、施した後の土壌中の硝酸濃度は上昇する(チッソが土壌中から溶出する:モミガラをエサに増殖した微生物が空気中のチッソを固定する?毎年、モミガラを土地に施すなら、生でもチッソ飢餓のおそれが少ない?)。

 21.牛の胃の絨毛発達

 子牛は、出生時には、第一胃の絨毛は小さく、殆ど機能していない。
 子牛に、早く(哺育期)から穀物を与えると、第一胃の絨毛が発達する(「子牛のハラは粗飼料で作れ」)。
 絨毛発達は、VFA(プロピオン酸、酪酸、酢酸と言った揮発性脂肪酸)により、促進される。
 VFAは、子牛が、穀物(スターターなど)を摂取すると、胃のルーメン微生物により発酵が起こり、生産され、ルーメン絨毛の発達が促進される。

 22.マグネシウムと活性酸素
 マグネシウム(Mg)は、活性酸素(スーパーオキシドラジカル)の発生を防ぐ。
 植物の葉緑体が、葉緑体内での二酸化炭素固定能力を越えて、光のエネルギーを吸収すると、光合成の電子伝達系が過還元状態になり、植物に有害な活性酸素が発生する。活性酸素は、葉緑体を破壊し、葉が外見上、白化(クロロシス)する。マグネシウムは、活性酸素の発生を抑制し、白化症状を生じ難くする。活性酸素(スーパーオキシドラジカル)の発生が少なくなると、消去に作用するSODや、カタラーゼ、APS(アスコルビン酸ペルオキシダーゼ)の活性化が上昇しなくなる。
 マグネシウムを、トウモロコシ幼植物に投与する(シャーレに播種したトウモロコシに添加する)と、蛋白質量は変化しないが、過酸化脂質(LPO)、ヒドロキシルラジカル、グルタチオン、カタラーゼ、FRAPの量が、減少する。
 マグネシウムは、細胞膜に存在するイオンポンプ(Na+/K+-ATPaseなど)が働くのにも、必要なミネラル。
 マグネシウムは、葉緑体で、RuBP(リブロース 1,5-ビスリン酸)カルボキシラーゼを活性化し、RuBPにCO2とH2Oとが付加されて3-ホスホグリセリン酸(PGA)が生成される反応(二酸化炭素を固定する反応)を活性化させる。その結果、葉緑体の光合成の電子伝達系が過還元状態にならず、活性酸素が発生し難くなる。

 23.害虫は窒素過剰の土地に生えた作物を好む?
 露地にブロッコリーを栽培した人の体験談。
 露地に、ある有機肥料を撒布して、ブロッコリーをまいたが、有機肥料が足りず、5a程の土地は、有機肥料を撒布しないで、プロッコリーをまいた。
 すると、有機肥料を撒布した土地のブロッコリーに害虫が大発生したが、有機肥料を撒布しなかった土地のブロッコリーには害虫が一匹もつかなかった。
 有機肥料を撒布した土地のブロッコリーに発生した害虫は、有機肥料を撒布した土地のブロッコリーを食い尽くした後には、有機肥料を撒布しなかった土地のブロッコリーを食い荒らすことなく、突然、大移動を始め、露地の周囲の水路に行列をなして移動し、全部が、溺死してしまった。その後、有機肥料を撒布しブロッコリーが生えていた土地(害虫が発生した土地)に、再度、アブラナ科の作物をまいて見たが、害虫は発生しなかった。
 害虫は、自然のバランスが乱れた窒素過剰の土地に生えた軟弱な作物を好み、過剰な窒素を露地(畑)から除去する為、害虫が発生した土地から移動して、周囲に水路で溺死したと考えられる。
 窒素過剰だと、トマトは、秋口になった時、赤くならない。

 24.カリが不足すると病原菌が増える
 カリは、実肥である(カリは果実に一番多く含まれる成分)と同時に、作物を病気に強くする(カリを与えると病気になり難い)。
 表2 アースメロンの養分吸収量参考文献の図1を参考に作成)
 成分  根  茎  葉  果実  種子  合計吸収(g/日)
 カリ  0.1  1.2  1.2  3.5  0.08  6.78
 チッソ  0.04  0.3  1.6  2.0  0.9  4.39
 リン酸  0.02  0.15  0・7  0.5  0.2  1.57
 石灰  0.06  1.0  7.3  0.9  −  9.29
 苦土  0.06  0.2  0.65  0.25  0.06  1.22
 稲にカリを施肥すると、細胞壁物質(セルロースやリグニン)の合成が盛んになり、稲が固くなり、病気に強くなる(病気に対する抵抗性が高まる)。カリは、カーネーションの葉を固くする。
 カリは、蛋白合成に関与する酵素の活性を高める。カリが不足すると、葉での蛋白合成が低下し、蛋白質の前駆物質であるアマイド類が葉に増加する。アマイド類は、病原菌のエサになるので、病気に罹り易くなる。
 チッソ(窒素)の施肥が多過ぎたり、カリの施肥が少な過ぎると、作物は、病害虫や病原菌に侵され易くなると考えられる。

 25.無肥料栽培
 無肥料栽培では、化学肥料や有機肥料(堆肥、油粕、骨粉など)を土地に施さないで作物を育てる。勿論、農薬は、完全に使用しない。
 無肥料栽培でも、作物は、肥料を施す場合の7〜8割の量を、収穫可能と言う。

 有機農法では、「土作りをしっかり行えば病害虫が出なくなる」と言うが、実際には、年々、解決困難な問題が生じる。

 無肥料栽培で作物を収穫していると、土地から養分が搾取され、土地は年々痩せて行ってしまうと考えられるが、実際には、土地は痩せないと言う。
 肥料、特に、化学肥料を土地に施すと、土壌微生物が激減したり、土壌物理性が悪化(単粒化)する。
 有機肥料は、分解程度が浅いと、土壌病原菌(フザリウム、ピシウム、ネコブセンチュウなど)が増殖し、未熟ガスが発生し、作物の根を障害する。
 チッソ肥料が多いと、農作物中の硝酸塩(硝酸チッソ)が多くなり、人体への悪影響(チアノーゼ現象、ニトロサミン生成など)が生じる。
 無肥料栽培だと、このような肥毒(肥料の害)が無くなる。
 無肥料栽培だと、害虫の発生が減るので、農薬も使わなくて良くなる。連作も可能になる。

 無肥料栽培だと、植物は、葉で光合成で生じた物質を、根(表皮細胞)から、高分子有機物(ムシゲル)として、土壌中へ放出している。この高分子有機物(ムシゲル)は、C/N比(炭素/窒素比)が高い(炭素を多く含んでいる)ので、チッソ固定菌や菌根菌などの活動を促進する。チッソ固定菌や菌根菌は、外界(土壌中や空気中)からチッソやリン酸を固定し(集め)、根から吸収させることで、植物に栄養(窒素やリン酸を含む肥料)を供給する。
 他方、植物の根からは、かなりの量の細胞が脱落する。脱落した細胞や、枯死した残根は、C/N比(炭素/窒素比)が低く(窒素を多く含んでいる)、蛋白質分解微生物を活性化させる。蛋白質分解微生物は、多量のアンモニアを生成し、根から吸収させることで、植物に栄養(窒素肥料)を供給する。
 肥料を施すと、土壌中のチッソ固定菌や菌根菌、蛋白質分解微生物が活動せず、肥料を施さないと植物は栄養を得られなくなる。
 無肥料栽培に変更した場合、土壌中に蓄えられていた肥料が消費され、土壌中のチッソ固定菌などが増殖出来るようになるまでの期間、作物の生長が滞ったり、収穫が減少する。

 人間の場合も、食事から蛋白質(窒素)を多く摂ると、窒素を固定する腸内細菌(Klebsiella aerogenes)が減るが、生菜食のような低蛋白食を摂取していると、体が順応し、窒素を固定する腸内細菌が増加し、低蛋白血症にならないと考えれる。

 無肥料栽培でも、長期間、肥料を施して栽培した場合と同等の収穫量が得られるのは、「エネルギー」により「元素転換」が起こるからだと考える人もいる。

 土中の微生物は、ミネラル(チッソ、リン酸、カリなど)を含んでいる。微生物が存在することで、有用なミネラルが、土地から流亡することが防がれる。
 化学肥料は、施し過ぎると、土中の微生物が減少し、却って、有用なミネラルの流亡を招くおそれがある。

 25.不耕起栽培:土地は表面から良くする
 土地は、植物(作物)に栄養(肥料)を供給するが、植物が育つことで、土地の環境は変えられて行く。
 不耕起栽培は、作物の株元(土地の表面)に施した有機物(枯葉、藁など)が好気性菌によって分解され、土地の表層に張った根から吸収され、また、地中の水分が土地の下層に張った根から吸収される(土地の表層は乾燥していた方が好気性菌の増殖に良い)。
 不耕起栽培の方が、土が、フッカフカに柔らかくなる。

 植物の根は、肥料を吸収する根と、水分を吸収する根が存在する。
 植物(作物)の根は、土の表面に存在して栄養分(肥料分)を吸収する細い根と、土の深くに這って行って土中の水分を吸収する太い根とが存在する。吸肥根は、表層10〜15cm以内下に存在する毛細根であり、アミノ酸や肥料を吸収する。吸肥根のような毛細根は、ゴロ土や土塊との間に隙間があり、通気性、保水性、排水性、保肥性がバランス良くある土地で増加する。吸肥根の下(バラ苗では表層から30〜40cm下に存在する)には、生育根があり、シュート(根元から伸びる枝)を出す。吸水根は、真っ直ぐに下の方向に伸び、土地表面の乾燥時に、地下から水を吸い上げる。 
 作物の周囲の土の表面に、枯葉などを敷いてやると、土の表面に存在する好気性菌によって分解され、栄養分が土に染み込んで、作物の細い根から吸収される。
 従って、肥料を土に混ぜる為に、耕す必要はないので、不耕起栽培でも、作物は十分に育つ。
 根を深く張らせるには、土地を深く耕すことより、土地を、肥料を吸収する根が多い土地の上層部を過湿にせず、かつ、下層部に水分が蓄積しているようにすることが重要。
 耕起栽培で肥料(特に化学肥料)が土の全層に存在すると、土壌溶液の濃度が高まり、根が、地中の水分を吸収し難くなると言われる。

 土の表層には、酸素を必要とする糸状菌(カビ)や放線菌が存在し、枯れた植物などに含まれる炭水化物などを分解する。酵母菌は、土中に存在し、酸素があっても、酸素がなくても生息出来る。
 植物の根が、土中に深く伸びると、根から周囲の土に酸素や栄養が供給され、酸素を必要とする菌も、共生可能となる。
 土を深く耕すと、地中深くに浸透蓄積した水が上昇し難くなり、土の表層の有用な好気性菌も、減少してしまう。その結果、土の表層での栄養分の供給が減少したり、有害菌の増殖が起こり易くなる。

 土地の表層は、酸素が十分に存在するが乾燥し易い。
 土地の表層には、酸素を好む微生物(好気性菌)が多く存在し、表層の有機物(枯葉など)を分解し、土に栄養分(肥料分)を供給する。殆どの(有用な)微生物は、酸素が多い土地表層に、生息している。
 植物(作物)は、表層に張った細い根で、栄養分を吸収し、下層に張った太い根で水分を吸収し、地上部に吸い上げる。
 肥料(枯葉、有機肥料など)は、地表近くに施せば、好気性菌によって分解され、作物の栄養分になるので、耕して土地の全層に施す必要はない。
 不耕起栽培で地表近くに施す肥料としては、炭、枯葉、腐葉土、藁、前作物の茎や葉(残渣)、雑草などが良い。
 有機肥料(有機質肥料)には、炭水化物が含まれていて、微生物(有用な好気性菌)がエサとして利用して増殖し易い。有機肥料であっても、施し過ぎると、チッソ過剰になり、軟弱徒長して病害虫被害が生じたり、作物の味が悪くなることがある。

 カボチャの苗を移植する際、株元にのみ肥料を施した場合は、肥料を施さない場所にまで根が伸び、根が深く張り、生育や着実が良い。同じ量の肥料を畑全体に撒布して耕して苗を移植した場合は、生育や着実が悪い。

 透明マルチは、地温を上昇させるのに用いられる。
 黒マルチは、地温はあまり上げ過ぎずに雑草を防除する。黒マルチだと、夏場は、直射光線により、(地温が)60℃以上に上昇し、作物の茎葉がマルチに当たって焼けて枯れてしまうおそれがある。
 夏場は、土温度が上昇し過ぎないように、藁などで覆ってやると良い。
 トマトは、黒マルチで土の表面覆ってやった方が、株の成長が盛んで、背丈が大きく伸びや葉が大きくなり、実も大きいのが沢山なる(黒マルチで覆ってやらないと、株は貧弱になるが、小さな実が早くつく)。苗(トマト、ナスなど)は、早い時期(地温が低い寒い時期に)に移植すると、株の体力が低下し、地温が上がった時期になっても、成長が却って遅れてしまう(何事にも適当な時期があって、移植の時期は、早過ぎても、遅過ぎても良くない)。
 これら、ポリマルチ(ビニール・ポリフィルムのマルチ)を用いた場合、雨水が浸透せず、地表面に塩分(化学肥料など)が上昇して集積し、作物の根や、微生物に障害を及ぼす。ビニール・ポリフィルムのマルチを用いた場合、空気が流入しないので、土地の表面の地温が高温に成り易く、繁殖する微生物が偏る(有用な好気性菌が減少する)。
 ポリマルチは、地温を上昇させるのに有用だが、土地の表層に水分や肥料分が多くなり、根は浅く張る。
 紙マルチより、ポリマルチの方が地温を上げる効果が強い。しかし、紙マルチだと、地表面近くが乾燥しても、下層の土には水分が存在するので、根は深く張る。

 炭マルチ(炭を株元に盛り上げる)は有用。
 炭は、保水性も通気性も良く、多孔質で有害なガスを吸収するので、微生物の格好の住処になる。
 炭は、昼間は太陽熱を吸収し、夜間は遠赤外線を放射するので、炭マルチには、株元の地温を上昇させる効果がある。

 茎や葉を、生のまま土地にすき込むと、嫌気性菌が増殖し、腐敗が起こり、臭い匂いがする。乾燥させて土地にすき込むと、好気性菌(カビ)が増殖し、発酵が起こり、良い匂いがする。
 枯葉などが、ワラジムシなどによって分解された土地は、土の臭いが、良い匂いがする。

 不耕起栽培にすると、生える雑草が、年々減って来る。
 雑草の種子は、寿命が長いことが多く、土地の表層2〜3cm以内に存在すると発芽するが、耕運で土地の深層に埋没すると発芽せず、数年後、耕運した際に、土地の表層に移動され、発芽することもある。耕運しなくなると、土地の深層の種子は、土地の表層に移動されなくなるので、発芽しないので、生えた雑草を除草していれば、雑草は減って来る。

 不耕起栽培では、畝(ウネ)を作ると良い。
 畝幅は120cm程度(植え床幅90cm+通路30cm)が良い。
 植え床の高さは、一般的には7〜8cmが良い:排水が悪い畑で乾燥を好む野菜を栽培する場合は高畝(10〜20cm)にし、排水の良い畑で乾燥を嫌う野菜を栽培する場合は低畝(4〜5cm)が良い。

 不耕起栽培だと、耕す労力が節約されるので人間は疲れず、土地はスタミナがつき(肥料は年々少なくて済む)、作物は自然なスタイルで育つ。
 耕運機やトラクターが登場する以前の時代は、肥料を土地の全層に施すことはしなかった
 耕起栽培で土地を耕し、肥料(特に化学肥料)が土の全層に存在すると、土壌溶液の濃度が高まり、根の地中の水分を吸収する機能が障害される。

 トマトやサツマイモは、乾燥した土地を好み、ナスやキュウリやネギやエダマメは乾燥した土地を嫌う。
 サツマイモは、ポリマルチを使用すると、美味しい芋にならない。サツマイモは、ポリマルチを使用せず、赤土の痩せ、不耕起を続けた畑で栽培すると、美味しい芋になる。「サツマイモは寒地で作れ、複地(何年も繰り返し耕作している畑:熟畑)で作るな」。サツマイモは乾燥した土地を好むので、畝を高く作る(高畝の方が地温も上昇する)。サツマイモの畝間は60〜90cmにし、蔓を伸び伸び伸ばし、光を十分に吸収させた方が美味しい芋になる。収穫した芋は、収穫後2週間程度、直射日光に当てて干すと、甘味が増す。
 ホウレンソウは、複地でないと、美味しいホウレンソウが作れない。「ダイコンは寒地で、ホウレンソウは複地で作れ」。

 ジャガイモは、チッソ肥料が多過ぎたり、家畜糞や堆肥が多いと、水に浮き、水っぽくて、美味しくない。
 ジャガイモは、水に沈む芋の方が、美味しい。

 トラクターなどで長年耕運して来た畑や、草も生えないような荒地の畑は、不耕起栽培を開始しても、作物の生育は悪い。
 酸性が強い畑は、苦土石灰を施ししてから、堆肥を多くすき込んでから、不耕起栽培を開始する。

 不耕起栽培では、作物の周囲の地表に施した肥料は、土の表層の微生物(有用な好気性菌)によって分解される。微生物は、肥料を分解して得られるエネルギーを用いて、作物の栄養分となる有機物を生産し、作物に供給する(微生物によっては、空気中の窒素を固定し、作物に供給すると考えられる)。
 不耕起栽培では、作物の周囲の地表に施す肥料としては、化学肥料より、有機物(枯葉、藁など)の方が、有用と思われる。

 26.酵母菌
 酵母菌は、プロリンなど高カロリーなアミノ酸(C/N比が高いアミノ酸)を生成する。高カロリーなアミノ酸は、植物が蛋白を合成する際に、エネルギー源として、自らが光合成で作った炭水化物を消費しないで良いので、植物に有用。
 酵母菌は、好気性菌としても嫌気性菌としても活動する(通性嫌気性菌)。酵母菌は、納豆菌より嫌気的な環境で働き、植物に有用な高カロリーのアミノ酸(プロリンなど)を生成する。酵母菌は、酸素が存在する好気的な環境では活発に細胞増殖し、酸素が少ない嫌気的な環境ではアルコール発酵をする。
 酵母菌は、酸素が少なく、糖分が濃く、酸性の環境で、増殖する(酵母菌は、アルカリ性の環境は苦手)。酵母菌は、低温の環境には強い。酵母菌は、高温の環境には弱く、40℃以上では、死滅率>増殖率となる(酵母菌は、温度が高いと、自己融解する)。酵母菌にとって快適な水分条件は60%程度と言われる(好気性菌は、高水分環境が苦手で、酵母菌は、高水分環境でも働くが、働きはゆっくりになる)。酵母菌は、pH6.0〜6.5の中性環境を好むが、弱酸性〜酸性でも生きることが可能。
 酵母菌は、酸素が少ない環境では、アルコール発酵を行う。酵母菌は、アルコール(エタノール)が、10%以上の濃度に存在しても、増殖する。酵母菌は、体内では、アミノ酸、ビタミン、核酸、エステルなども、産生する。酵母菌は、分子が大きい澱粉やセルロースなどは、エサとして、分解利用出来ない(澱粉は麹菌が、セルロースは納豆菌が、分解利用する)。酵母菌は、糖分(ブドウ糖:麹菌が澱粉をアミラーゼにより分解し生じる)が存在した方が、良く増殖する。酵母菌は、好気性の環境(酸素が多い条件)では、1時間半で2倍に増殖する。
 濁酒(ドブロク)作りに用いる「生モト」を作る際には、硝酸還元菌(0〜7日後頃)→乳酸菌(空気中から侵入し、酸性に弱い野生酵母菌の増殖を抑制する:5〜15日後頃)→酵母(15日後〜)の順に、菌が増殖する(5℃程度の低温環境が良い)。「モト」は、「酒母」とも呼ばれる。蒸し米と、米麹と、「モト」とで仕込むと、蒸し米に含まれる澱粉が、米麹に含まれる麹菌によって分解され、生成されるブドウ糖が、「モト」に大量に含まれる酵母菌によってアルコール発酵され、「もろみ」が出来、「もろみ」を搾ると「酒」が出来る。
 酵母菌は、好気性の環境でも、嫌気性の環境でも、生育する:酵母菌は、好気性の環境(土の表層など)では、蛋白質を、酸素を用いて分解(炭素を外す)し、プロリンなど高カロリーのアミノ酸を生成する。酵母菌は、嫌気性の環境では、蛋白質を、水を用いて分解し(水素を加える)、ペプチドやサイトキニン様物質を生成する。
 酵母菌は、好気的な環境では、酸素を用いて(土に含まれる有機物中の)蛋白質を分解し、水に溶け易いアミノ酸を生成し、植物から吸収され易くする。酵母菌は、嫌気的な環境では、ペプチドやサイトカイニン様物質を産生し、食物の成長を促進する(好気的な環境で働く納豆菌より、二酸化炭素の発生が少ない)。

 麹菌は、炭水化物(澱粉など)を分解し、糖を産生する。麹菌は、湿度の高い環境を好む(乾燥した環境では生育出来ない)。麹菌は、アミラーゼを産生し、澱粉(デンプン)をグルコース(ブドウ糖)に分解する。麹菌は、プロテアーゼを産生し、蛋白質をペプチドやアミノ酸に分解する。麹菌は、リパーゼを産生し、中性脂肪をグリセリンと脂肪酸に分解する。麹菌には、タンナーゼ(タンニンを分解する)や、セルラーゼ(線維を分解する)をも産生する株が存在する。
 麹菌は、温度が高い環境(高温度下)では、アミラーゼにより澱粉を分解しブドウ糖を生成し、プロテアーゼによる蛋白質の分解は抑制される。麹菌は、温度が低い環境(低温度下:酵母菌は増殖し易い環境)では、澱粉の分解よりも、蛋白質の分解を行う。
 麹菌は、酵母菌と同様に、真菌類に属する。麹菌は、カビの一種で、麹カビ属(アスペルギルス属)に属すと言う。麹菌の胞子は、空気中を浮遊する。

 納豆菌は、セルロース(稲藁など)を分解し、アミノ酸を産生する。納豆菌は、酵母菌より好気性な菌なので、アルギニンなど低カロリーなアミノ酸(C/N比が低いアミノ酸)を生成する。納豆菌が酵母菌より優勢になると、酵母菌が利用する糖分が枯渇し、温度も上昇し、蛋白質(CHO-N)の水素(H)とチッソ(N)が結合し、アンモニア(NH3)が生成され、pHも上昇し、酵母菌の増殖が抑制される。ボカシ肥は、液状化が進むと、アミノ酸濃度が上昇し、水の浸透圧が高まり、酵母菌が水を利用出来なくなり、働かなくなる。ボカシ肥を土壌に施すと、アミノ酸濃度が低下し、酵母菌が爆発的に働き始めると言う。固い藁(イネワラ)を一番強力に分解することが出来るのは、納豆菌や枯草菌。納豆菌や枯草菌は、暖かく(温度が高く)、酸素が多い場所(好気的環境)で良く働く。納豆菌も枯草菌も、アルカリ性の環境を好むので、pHが低い環境では活動的でない。
 放線菌は、キチン質(昆虫の死骸など)を分解する。放線菌は、60℃前後の温度で活発に働く。太陽熱処理をすると、枯草菌によって米糠や稲藁が分解される。水分が過剰だと、米糠(発酵の起爆剤)が腐敗してしまい、C/N比が高い粗大有機物の発酵が、続いて行われなくなってしまう。太陽熱処理により、放線菌が優勢に増殖すると、土の色は黒褐色になり、土の匂いは縁の下の匂いになる。放線菌や硝化菌など有用微生物は、アルカリ性環境を好み、フザリウムなど有害微生物は、酸性環境を好む。
 乳酸菌は、空気中にも存在する。乳酸菌は、ヘミセルロースの分解性能が高い。乳酸菌は、有害微生物の増殖を抑制するので、乳酸菌による発酵食品は、保存性が高く、腐敗し難い。
 納豆菌や放線菌は、分解酵素の作用や、土を高温にすることで、有害な菌を抑制する。乳酸菌も、産生する乳酸によって、有害な菌を抑制する。
 酵母菌は、先住している有害菌を追い払えないが、酵母菌が先住すると、有害菌が住み着けなくなる。

 27.好炭素細菌
 塩分ストレス培地は、寒天に多量の塩分が含まれていて、菌が増殖し難い。
 塩分ストレス培地で増殖し難い菌をシャーレに入れ、その上に炭の粉を入れたシャーレを重ねて載せて置くと、炭は直接、菌に触れることが出来ないのに、塩分ストレス培地に、菌(=好炭素細菌)が増殖する。
 塩分ストレス培地で増殖し難い菌(=好炭素細菌)をシャーレに入れ、その上に納豆菌を入れたシャーレを重ねて載せて置くと、塩分ストレス培地に、菌が増殖する。

 好炭素細菌が、直接、接触していない炭や納豆菌によって増殖が促進されるのは、炭や納豆菌から、超音波{バイオソニックス」が発せられるからだと言う。

 自然界には、「炭素が好きな菌」が多い。
 炭素は、π電子物質として、細菌の増殖などに、空間を解して、未知の影響を与えている可能性がある。

 28.チッソ過剰の弊害
 チッソ(窒素)が過剰だと、葉の細胞膜が厚くなり、細胞内のグラナ数や澱粉量が少なくなる。
 植物の葉には、老化葉(光合成が低下しているが炭水化物を根や果実に供給する)、活動葉(光合成が盛んで炭水化物を葉や根や果実に供給する)、伸長葉(育ち盛りの葉で光合成した炭水化物を殆ど自己の生長に利用する)が存在する。活動葉が良く働き、活動葉から小さな伸長葉や根などに、多くの炭水化物が供給されると、蛋白合成も盛んになる(良い葉が良い葉を育てる)。
 チッソ(窒素)が過剰だと、蛋白合成に利用されないチッソが葉に余ってしまい、植物(作物)は余剰なチッソを蛋白に合成しようとして、炭水化物を消費するので、根や果実に送られる炭水化物が減ってしまう。植物は、チッソが過剰だと、チッソの害を解毒しようと、炭水化物を消費して蛋白を合成するので、チッソが過剰だと、植物は、軟弱徒長に育って、葉は大きくなる(葉柄は細長くなる)。そして、下葉は、日当たりが悪くなり、光合成が行われないので、早く老化してしまう(根の活力も低下する)。天候(日照)が良くて、光合成が盛んな年は、チッソを過剰に施しても、問題が生じ難いが、天候が悪い年は、チッソを施し過ぎると、生長に害が生じる。
 チッソが過剰だと、チッソの未消化物質(アミノ酸にまで到らぬ代謝産物:アミドなど)を好む病菌(病害菌や害虫)が繁殖し易くなる。チッソが過剰だと、葉が水ぶくれ状態で、乾燥や寒さに弱くなる。
 リンサン(燐酸)は、蛋白質合成に必要で、生長点や小さな伸長葉など、生長が盛んな部位に送られる。
 チッソは吸収され易い肥料(チッソは水に溶解し易い)だが、リンサンは吸収され難い肥料(リンサンは土壌中で鉄、石灰、アルミニウムなどを結合していて、水に溶解し難い)。チッソは水と共に土壌中を移動するので、根の伸長が悪くても吸収されるが、リンサンは根の先端から吸収される。
 (苗の時期にストレスを与えて、)活力がある根(丈夫な根)に育てると、土壌中のリンサンが良く吸収されて、根優先の生長になる(地上部優先の生長は、根が貧弱になり、悪い生長と言われる)。
 チッソが土壌中に過剰に存在すると、種から発芽した苗の根くばり(根の生長発達)が不良になってしまう。苗は、チッソを過剰に吸収せずに、光を十分に受けて育った方が、良い苗になる。
 植物は、根の周り数ミリの範囲の土壌中に含まれるリンサンしか、吸収・利用出来ない。チッソは水に溶けて土壌中を移動するが、リンサンは水に溶け難い化合物となるので土壌中を移動出来ない。土壌中の微生物は、リンサンを食べて増殖し、土壌中を移動するので、微生物中のリンサンは土壌中を移動し、根から吸収・利用される。微生物が繁殖する土地では、リンサンの肥効が安定する。微生物が良く繁殖する為には、微生物のエサとなる有機物(繊維分が多い植物性の有機物)が、土壌中に存在することが大切。植物性の有機物が土壌中に多いと、微生物が盛んに繁殖し、根くばり(根ばり)が良くなる(リンサンの吸収・利用が良くなる)。
 化学肥料を長年施すと、土壌が酸性化して、酸性を中和する為に、施す石灰の量が増加する。
 マルチ(ビニール、ポリエチレンなど)をして土の表面を覆うと、土温が高まり、土壌水分の蒸発が防がれるが、肥料が下層へ流出しないので、肥料が効き易く、チッソ優先の生長(生育)になるおそれがある。マルチで覆うと、水分や肥料分が土の表層に溜まり、根が表層に多く張るようになる。

 29.米糠の使い方
 米糠(米ヌカ)は、リン酸、カリ、カルシウム、ビタミンなどを豊富に含んでいる。米糠は、10%強の蛋白質(チッソ成分は2%)、20%弱の脂質(約40%はオレイン酸、約35%はリノール酸)、糖質(微生物のエサとして利用し易いα態の澱粉)、9%程度の粗繊維を含んでいる。
 米糠は、肥料として施した際には、好気性微生物によって分解されると、アミノ酸(←蛋白質)、ブドウ糖(←糖質)、グリセリン(←脂質)など微生物の栄養源(エサ)が生成されるが、嫌気性微生物によって分解されると、アミンやアンモニアやインドールやメルカプタンや硫化水素(←蛋白質)、酪酸やメタンガス(←糖質)、低級脂肪酸(←脂質)が生成されてしまう。硫化水素(ガス)は、稲の根などを障害し、米の味などを悪化させてしまう。
 肥料として用いる場合、米糠(米ヌカ)は発酵してボカシにして用いたた方が良い(生だと有害ガスが発生し根傷みや生育障害を起こす)し、籾殻(モミガラ:チッソ含有量が少ない)は生で施して浅く耕して土に混ぜると良い。 
 米糠は、脂質を多く含んでいて、C/N比(炭素とチッソの含有率比)が高い為、土壌中での分解が遅いと言われる。

 米糠は、土地の表層に施したり、ボカシとして土壌中に施すと、有用微生物(酵母、乳酸菌など)のエサとなり、有用微生物を増殖させて病原菌の増殖を抑制したり(病原菌予防効果)、有用微生物が増殖する際に一時的に酸欠状態にしたり有機酸を生成させて雑草の生長を抑制する(除草効果)。
 米糠を材料に作ったボカシを施すと、稲の上根(稲の生育過程の最後に伸びる)の細根が良く発達する(茎の節から伸びる一次根が長くなり、枝分かれが進む)。地中深く伸びる直下根(出穂40日前頃から発達する)の活力も、高まると考えられている。
 米糠のような生の有機物を、深耕して、土壌深くすき込むと、有害ガスや有機酸が発生して、作物の根を痛めるおそれがある。その点、米糠を、予めボカシにしてから施すと良い。

 「半不耕起栽培」のように、土地を深く耕さない方が、微生物が増殖する。
 米糠を、(水田の)表層に施すと、まず、(空気中から混入する)乳酸菌が増殖し(水が白く濁る)、地温や水温が上昇するにつれて、納豆菌(藁や籾殻などに付着している)が増殖し、トロトロ層が出来る。
 乳酸菌による乳酸発酵により、一時的に土表面のpHは、4.5以下の酸性になる。ボカシ肥は、乳酸菌が増殖しないと、作っている途中で腐敗してしまうことがある。乳酸菌は、100℃の温度にも耐える。乳酸菌は、麹菌など糸状菌により澱粉が分解されて生じる糖を、エサとして利用する。乳酸菌のような細菌は、エサを食べ尽くすと自己融解(自家融解)して死滅し、死菌(の分解産物)は、他の微生物によって、エサとして利用される(微生物間には、相互関係がある)。乳酸菌は、春(桜の花が咲く頃には増殖し、気温(や水温)が低い時には土壌の表層で活動し、気温が高い時には地下に潜って生き延びる。
 納豆菌は、水田や溜池の水中にも、生息している。納豆菌は、夏場のように水温が高い(30〜40℃)だと増殖が盛んになり、アルカリ性の分解酵素を産生し、(土地の)表層を弱アルカリ性にする。納豆菌は、高温、多湿、アルカリ性、良質蛋白質の存在、好気的環境と言った条件が整えば、他の微生物に優先して、増殖する。納豆菌(好気性菌)が増殖するには、稲藁や刈り株が、土の表層になることが重要なので、土地は浅く耕す(地表3〜5cm程度の深さまで耕す)方が良い。納豆菌は、水田などの水中に存在するので、水分が多い環境の方が、増殖し易い。
 土地は、浅く耕した方(表層数センチの土壌を耕す)が、微生物の力で、上の方から、トロトロに耕されて行く。水田のトロトロ層は、微生物(米糠などの有機物をエサにする)や土壌動物(イトミミズなど)が、作り出す。
 米糠を表面に施した田は、有用微生物が増加し、水が濁り、浮き草が水面に繁茂して来る(6月末頃)。
 
 米糠を、水田の表面に施すと、好気性菌による米糠の分解に伴ない、水の酸化還元電位は、施す直前110mV程度(酸化状態)だったのが、施した1日後には-190mV程度にまで低下する(還元状態になる)。酸化還元電位がEh6(pH6の時のEh)で200〜400mVだと発芽が抑制(阻害)され、100mV以下では還元性物質(硫酸還元物質9により発芽が阻害される。
 米糠を表面に施し、好気性菌により米糠が分解され、水中が酸素欠乏の状態になると、通性嫌気性菌である乳酸菌や酢酸菌が増殖し、生成される乳酸や酢酸により、殺草が起こる(除草効果)。

 麹菌は、好気性菌で、増殖には酸素が必要だが、水分50%程度のサラッとした環境を好み、土壌中よりも、落ち葉の下などに生息している(白い菌糸を出す)。
 自然の麹菌を採取するには、採取5日程前に黒砂糖液(人間が甘いと感じる濃度の液を10倍に薄めた液:白砂糖で代用可)を、落ち葉や土に撒布しておくと良い(麹菌の培養には、砂糖を添加すると良い)。

 光合成細菌は、空気中のチッソを固定する(プロリンなどのアミノ酸を生成する)。植物は、空気中に多量に存在するチッソを直接咳に利用出来ないとしても、植物の根などの周囲に、光合成細菌のようなチッソを利用(固定)する微生物が存在すれば、間接的に、チッソを利用出来る。
 光合成細菌には、紅色硫黄細菌(水が紅く染まる)、緑色硫黄細菌(水が青く染まる)、紅色非硫黄細菌の3種類が存在する。光合成細菌の内、紅色硫黄細菌(水が紅く染まる)と緑色硫黄細菌は、硫化水素を除去する。光合成細菌は、自然界に広く存在する(水田、河川、海岸土、下水処理場など、灌水状態の場所に存在する)。
 光合成細菌のチッソ固定能力は、嫌気的な明条件下(太陽の光が当たる場所)で盛んで、好気的な明条件下では低下するが、好気性有機栄養微生物(乳酸菌、アゾトバクターなど)が共存すると、光合成細菌の活性(チッソ固定能力)や、生育力が増加する。光合成細菌は、好気性有機栄養微生物が有機物から生成するアミノ酸、有機酸、硫化水素などを、エサとして利用する(稲は、化学肥料で栽培すると、硫化水素から身を防御する為に、赤褐色の酸化鉄皮膜を付着する)。
 大豆などの根に付着する根粒菌(チッソ固定する)は、光合成細菌と共生することで、活性(チッソ固定能力)が高まる。
 アゾトバクターは、(土壌中に)酸素が多いと、空気中の窒素を固定するが、土壌中に窒素が多い(硝酸塩などが多い)と窒素固定を行わなくなる。窒素の固定能力は、アゾトバクターより、根粒菌の方が大きい。


 水田には、土着の微生物(糸状菌、乳酸菌など)が存在し、稲藁、刈り株、残根などを稲が利用可能なアミノ酸へと、分解する。稲藁(イネワラ)を分解させる為には、土を耕して藁を土に混ぜる処理は、秋の暖かい時期から開始し(納豆菌や枯草菌は暖かくて酸素が多い場所で増殖する)、冬の寒い時期に雑菌(悪玉菌)が増殖しないようにして、春に活発に増殖するようにする。納豆菌や枯草菌は、アルカリ性の場所を好むが、田のpHは4.5〜5.0程度なので、苦土石灰(石灰や苦土)を施して、pHを6.5程度まで上げた方が良い。
 納豆菌は、蛋白質、脂質、炭水化物を分解する能力が高く、蛋白質を分解し、アミノ酸を生成する。
 化学肥料に含まれるチッソ(アンモニア態チッソ)は、稲に吸収されると、(炭水化物との代謝により、)アミド(アマイド)を経て、アミノ酸になり、蛋白合成などに利用される。曇天などで、光合成が行われず炭水化物が生成されないと、アミドが稲の中に蓄積し、イモチ病に罹り易くなる。納豆菌などが生成するアミノ酸は、チッソ肥料と異なり、体内で利用されるので、アミドが蓄積しない。

 放線菌は、土壌がアルカリ性(納豆菌の作用)になると、藻類(光合成を行う)同様に、増殖が活発になる。
 放線菌は、酸素が少ない灌水条件(嫌気的な環境)でも、セルロースや蛋白質を分解する菌が存在する。
 放線菌は、発酵肥料を作ると、最後の段階で増殖し、抗生剤作用のある分泌液を分泌し、イモチ菌など病害菌の増殖を抑制する。放線菌は、大腸菌(の増殖)を抑制する。

 米糠などで作ったボカシ(発酵肥料)を稲に施すと、微生物が作り出したアミノ酸やビタミンにより、細根が良く発達し、発根本数や多く、根が長くなるなど、根張りが良くなる(ボカシ中の微生物により、根の発達が促進される)。水田(や畑に)微生物が増えると、余剰の遊離チッソがエサとして利用され、土壌のチッソ過剰が改善される。微生物に取り込まれたミネラルは、土壌からの流失が防がれる。
 チッソでなく、アミノ酸を供給した方が、光合成で生成される炭水化物を消費する必要がないので、作物は、エネルギーの消耗が防がれ、根が良く発達する。
 稲の根には、有機態の養分を吸収する根と、無機態の養分を吸収する根との2種類が存在すると言う。稲の上位根は細く水平に伸びて有機態の養分(アミノ酸)を吸収し、下位根は太く下層に向かって伸び有機態と無機態の養分を吸収する(下位根の太い冠根は無機態の養分を吸収し、その先の枝分かれした分枝根は有機態の養分を吸収する)。上位根は、細い羽毛根であり、出穂以降に、発酵肥料に含まれるような有機態の養分を吸収する。
 化学肥料を施した稲は、三次根までしか発生しないが、発酵肥料を施した稲は枝分かれが続き4〜六次根にまで発生し、しかも、根が白く活力が極めて高いアミノ酸は、一次根からは吸収されず、二次根や三次根の新根から吸収される

 稲(籾殻)は、ケイ酸を多く含んでいるが、笹、竹、ヨシなどの根元には、ケイ酸を溶かす能力が強い微生物が、多く存在している(白く繁殖している)。

 半不耕起栽培では、土地の表面から3〜5cm程度の深さまでしか耕さない。
 土地は、表層の5cmの土中では好気性菌が働いていて、それより下の層では嫌気性菌が働いている。土壌中の微生物の8割は、(土地の表面から)5〜10cmの層に存在している。土地を5cmより深く耕すと、微生物の住む層が破壊され、有用な微生物が減少するおそれがある。

 ボカシを作る際には、24時間毎に、外側を中へ入れ、内側を外へ出すように、切り返し、好気性菌と嫌気性菌とが互いに相乗作用を発揮して増殖するようにする。
 好気性菌が、酸素を利用して有機物を分解し生成するアミノ酸や糖などを、嫌気性菌が、酸素のない環境で利用する(発酵などを行う)。
 ボカシを作る為に発酵させる際、乳酸菌が存在して、発酵温度が55℃以上にならない。作ったボカシは、温度が40℃程度に低下したら、ポリ袋に密閉(嫌気性の環境)して詰め、2週間程度置く。ポリ袋に詰める前のボカシは、好気性の麹菌や納豆菌により発酵していて醤油の匂いがするが、ポリ袋に詰めると、嫌気性の乳酸菌が増殖するので甘酸っぱい匂いがする。

 米糠は、酵母菌や乳酸菌など有用菌の増殖を促進する。米糠は、堆肥作りの発酵に必要な好気性発酵微生物群(有用糸状菌、細菌、酵母菌など)の増殖を促進し、好気性発酵微生物群が生成するアミノ酸やブドウ糖は、土壌中の有用微生物(放線菌、アゾトバクターなど)の栄養源(エサ)になる。好気性発酵微生物群が、エステル発酵を伴なうチマーゼ(酒精酵素群)を分泌すると、米糠から二酸化炭素(炭酸ガス)やエチレンが発生する(バイオフードを混ぜた方が、野生酵母菌や細菌によりチマーゼが分泌される)。
 米糠に含まれる粗蛋白質は、有用菌が分泌するプロテアーゼ(蛋白分解酵素)によってアミノ酸に分解される。米糠に含まれる糖質は、酵母菌や乳酸菌が分泌するアミラーゼ、チマーゼ、オキシダーゼにより、ブドウ糖(グルコース)、高級アルコール(エタノール)、有機酸に分解される。米糠は、根の周囲に繁殖する根圏微生物を活性化させ、根かのミネラル(リン酸塩、ケイ酸塩など)の吸収を促進させる。根の発達を促進させ、作物の生長を健全にする。
 生の米糠をそのまま肥料として土壌中に施すと、米糠に含まれる糖質が短時間に微生物によって分解され、土壌中で二酸化炭素が発生し酸素不足になる。生の有機質(油カスなど)を土壌中に多量に入れる(深耕して混ぜる)と、有害なガスが発生して、根が傷んだり、生育障害を起こす。油カスなどの有機質は、米糠と異なり、糖質を殆ど含んでいないので、発酵し難いが、米糠を3%以上添加すると、発酵微生物が繁殖する。
 生の米糠は、糖質を多く含んでいて、有機質と異なり、3日間程度の発酵では、十分に分解されない(最低7日間程発酵させる)。
 米糠は、生で肥料として土に混ぜて施すより、発酵させて、ボカシを肥料として、土の表面などに施す方が良い。米糠を生で大量に(地下深く)施すと、悪玉菌が増殖し、ガスの害が出る。
 ボカシを施すと、年々、病害虫の発生が少なくなる。

 米糠を肥料として用いると、甘いサツマイモが収穫出来ると言う。

 米糠を肥料として施した土地の土は、水を加えて瓶に入れて(密封する)、2週間経ると、上層が澄んで、土の内部に気泡が見える(日光が当たる場所に置いておくと、光合成細菌により土が赤く見える)。土壌消毒をしているが米糠を施してない土地の土は、瓶に入れておくと、上層が濁ったままになっている。土壌消毒をすると、根が太くならない
 米糠マルチを、土壌消毒を行った土地(有用微生物が少ない)にすると、ポツポツを赤っぽい微生物が混じって生えるが、土壌消毒を止めて何年も経っているハウスでは、米糠の上を真っ白の微生物が生える。
 米糠マルチをした土地の表面の土を剥いで、土片を裏返しして見ると、土片の下側に粒々とした団粒がたくさん存在する
 光合成細菌は、メタンガスや硫化水素などの有害物質を吸収し、根に必要な酸素を生成し、チッソを固定する。

 細菌は、種類によって、増殖や発酵に必要な、酸素の必要量、温度、湿度、太陽光(日照)などの条件が異なる。

 30.アブラムシの発生はチッソ過剰が原因
 アブラムシが作物(ナス、スイカ、キャベツ、サトイモなど)に発生するのは、チッソ過剰が原因。
 チッソ肥料を施し過ぎると、アブラムシが発生し易い(チッソを吸収し過ぎた作物からチッソ臭が発生し、アブラムシが寄って来る)。
  

 根が張っている場所には、肥料を施してはならない。肥料が根にじかに接触すると、病気が発生し易い。

 土壌の酸性を矯正する為には、石灰より、過リン酸石灰(過石)を施す方が良い。野菜は、弱酸性を好むものが多い。石灰を施し過ぎると、土壌がアルカリ性になり、病原菌の原因となる糸状菌(カビ)が発生し易くなる。
 土壌塩基(カルシウム、カリ、マグネシウム)が多すぎると、野菜は育たない。
 元肥は過石(過リン酸石灰)を、追肥は硫安を施す。
 どうしても化学肥料を用いる場合は、低度化成(8-8-8)を用いる。

 良い土は、細菌(60%)や放線菌(30%)が多く、糸状菌(カビ)が少ない。
 糸状菌は、粗大有機物(藁やクサなど)や、魚カス、鶏糞などの有機物を初期分解するので、有用な面もある、繁殖に伴ない高温とカビにより、苗が全滅することがある。糸状菌は、アルカリ性の土地を好む。

 土壌改良の為には、施す粗大有機物は、炭素率(C/.N比)が高い素材(モミガラなど)が良い。
 モミガラは、生で施す(堆肥に積む必要はない)。モミガラに次いで、麦藁、稲藁が良い。
 豆カス、魚カス、鶏糞、米糠は、分解が速く、作付け直前に畑全層にすき込むと、初期に含まれる糖質が分解され一時的に糸状菌(カビ菌)が大増殖し、病気が大発生する(全層にすき込んだ後は、1〜2カ月間休作する)。

 疎植の方が、密植より良い。
 種を播いた後には、鎮圧(土を足で踏み付ける)した方が良い(地下の水が上昇し易い)。

 土地は、湿り気がある時に耕した方が、雨水と空気の透過が良くなる。
 過乾燥した土地(畑)を耕すと、土が単層晃三になり、植え付け水が雨水が染み込まず、雨が降ると土地の表面が板状になり、土中に空気が入らない。

 種とりには、ウラ成り(ゴロンボの末成り)を用いる。

 31.アブラムシの好物はアミノ酸?
 アブラムシは、作物の葉などから、作物の汁を吸う。

 アブラムシ(ダイコンアブラムシ)は、アブラナ科植物の汁に含まれるカラシ油(辛味成分)により、吸汁行動が刺激される。
 アブラムシは、作物の汁に含まれるショ糖や、特定のアミノ酸を好む。寄生範囲が広いアブラムシ(モモアカアブラムシ)は、一定濃度のショ糖(砂糖)や、特定のアミノ酸により、吸汁行動が刺激される。アブラムシは、作物の汁の成分が好む成分であれば、吸汁行動を続けて寄生し、好まない成分であれば、飛び去る。
 アブラムシは、(土壌や作物の)チッソが過剰だと増殖する。アブラムシは、作物のチッソ含有量が多いと、栄養状態が良くなり、増殖する(チッソは作物に含まれるアミノ酸の合成材料となる)。アブラムシは、作物のカリウム含有量が多いと、増殖しない(カリウムは、チッソと拮抗する)。

 アブラムシ(スイカに飛来するワタアブラムシ)は、新鮮で柔らかい新葉(蛋白合成が旺盛でアミノ酸代謝産物が豊富な部位)と、しっかり展葉した下位葉(蛋白分解が旺盛で遊離アミノ酸が豊富な部位)に、増殖する。なお、ハダニは、株元の葉で増殖しながら、上位葉へと分散して行く。

 アブラムシは、黄色の葉は好むが、緑色の葉(栄養状態が良い作物の葉)は好まない。アブラムシは、鮮やかな濃黄色(蛍光を思わせるようなレモン色)を最も好んで飛来するが、黄緑色や橙色(オレンジ)も好む。しかし、アブラムシは、濃緑色、青色、赤色、黒色、白色は、好まない。
 アブラムシ(ダイコンアブラムシ)は、くすんだ緑色の葉(キャベツ)より、やや黄緑色の葉(ハクサイ)に、多く集まる。

 ハウス内の土地に移植したナスには、アブラムシが増殖していたが、アブラムシが増殖したナス苗の近くにポット苗のまま置いたナスには、アブラムシが増殖していなかった
 同じハウス内にあっても、条件(土壌中に含まれる窒素など肥料量)によって、アブラムシが増殖するかしないか、相違が生じる。

 32.牛の産み分け
 母牛に重曹を与えると、オスの子牛が産まれることが多くなる
 牛は、濃厚肥料与え過ぎたり、天候不順(長雨など)により粗飼料の質が低下したり、夏場に暑熱ストレスがあると、第1胃(ルーメン)のpHが酸性側に傾き(低下する)、ルーメン内で繊維を分解する微生物の働きが低下してしまう。
 胃の消化機能(ルーメン内での微生物による繊維の分解)を高める目的で、重曹(炭酸水素ナトリウム)が牛に与えられる。牛は、唾液中に重曹(炭酸水素ナトリウム)を含んでいて、飼料を採食・反芻する際に、第1胃(ルーメン)に流し、pHを調節している(上昇させる)。
 重曹の投与を止めると、メスの子牛が産まれることが多くなる。
 重曹を単味(1日約30gを朝夕2回に分けて)か、ペレット状(ルーサンミールなどを加える)、固形型(食塩と混合)にして、母牛(受精前)に与えると、オスが産まれることが多くなる。
 重曹を与えると、第1胃内のみでなく、母牛の発情時の粘液や子宮内粘膜がアルカリ性に傾いて、受精時に、オス(種牛)のY染色体が受精し易くなるようだ。
 重曹などのアルカリ性飼料を与えず、粉砕された濃厚飼料を多給すると、メスの子牛が生まれ易くなることは考えられる。

 33.月と作物
 作物の生育は、月のリズムに影響を受けている。
 作物は、大潮の時(満月、新月)の時に、水分や肥料の吸収が良く、肥大し易い。

 34.タンポポ
 タンポポ(蒲公英)の根を、良く洗ってから、小さく刻み、日光に当てて良く乾燥させた後、フライパンで少し焦げ目が付く程度に炒った後、コーヒーミルで挽いて、フィルターで濾して、コーヒーのように飲む。
 タンポポの根は、良く洗って、金平ゴボウと同様に味付けして食べることも可能。
 タンポポの根には、健胃整腸作用(胃炎、胃カタル、胃潰瘍などに有効)、肝機能改善作用(胆汁分泌促進作用)、女性ホルモン様作用、細菌増殖抑制作用(結核菌に有効)があると言われる。

 タンポポの葉は、11月から4月頃までは、苦味なく食べることが可能。

 35.エダマメ
 エダマメ(枝豆)の早生種(ハヤマメ)は、樹が太くならず、背も伸びないので、肥料が必要:元肥として配合肥料と消切開を少し施し、花が咲いた頃、配合肥料をひとつかみ/3株程度株元に施して土寄せし、莢に実が入り始めたら、尿素(180cc/10Lの水)をジョロなどで葉の上から施す(黄色の葉が緑色になる)。
 エダマメの晩生種は、肥料を施す必要がない:本葉が5枚頃、先端を切断する。

 36.雑草は痩せた土地に生える
 雑草は、痩せた土地に生える。
 肥沃な土地だと草が生えない。しかし、肥料の多い土地には草が出る。
 雑草の根は、水に溶解した無機質のチッソを吸収する能力が強い:土壌無機態チッソ(土壌中無機態窒素)量が少ない(15mgN/kg程度)方が、水田雑草が増加し易い(雑草群落被度比が多い)。土壌中無機態チッソ量が多い(55mgN/kg程度)方が、水田雑草は増加し難い。

 地力がない痩せた田は、雑草が多い。
 ボカシ肥(土とボカシを半々にして発酵させた「土ボカシ」)を、痩せた田に施すと、雑草が減る。即効性がある化学肥料を痩せた田に施すと、雑草は却って増加する。
 生ワラや生米ヌカを施し、急激に分解されると、有機酸により稲の根が障害され、稲が吸収出来ないチッソが余剰になり、化学肥料を施した際と同様に、雑草は却って増加する。
 稲が養分として吸収するのは、土中の微生物によって供給されるアンモニアや蛋白質やアミノ酸。土壌中の水に溶解したチッソは、雑草が肥料として吸収する(雑草の根の方が水に溶解した無機質のチッソを吸収する能力が高く、稲の根は有機質のチッソを吸収する能力が高い)。

 37.トウモロコシとアワノメイガ 
 トウモロコシにアワノメイガ(害虫)が発生しないようにするには、雄穂を切る対策方法があるが、労力を要する。

 NOA自然農法文化事業団の阿部卓氏によると、トウモロコシ畑に、4.8m2に一本の目安で、イースト菌発酵液を置いておくと、アワノメイガの発生が、かなり減少する(無処理区の被害63.2%が、発酵液設置区の被害0.05%に減少する)。
 イースト菌発酵液は、イースト菌:蜂蜜:微温湯=1:1:20に混合する。微温湯は、少量ずつ加え、ワーッち泡が発生しないようにする(500mlのペットボトル1本用には、バケツ等を用いて、イースト菌8ml、蜂蜜8ml、微温湯160mlを混合し、ペットボトルに移す)。
 イースト菌発酵液は、500mlのペットボトルに1/3程度入れ(蓋は開けておく)、出穂間際の畑に、4.8m2に一本の目安で、設置する。
 効果が得られる機序として、イースト菌が発酵する際に匂いを、アワノメイガが嫌うことが推測されている。

 38.石灰
 トマトの青枯病は、土壌のpHが高い(アルカリ性)だと発生する。
 しかし、トマトに青枯病が出た際には、生石灰の水溶液(アルカリ性)を、トマトの株元に流し込む、殆どの株は回復する。この青枯病に対する効果は、消石灰の水溶液を用いた場合には、弱い。生石灰の方が、消石灰より、水に溶解し易い。

 透明な瓶に石灰資材を70g入れ、水道水(pH=7.8)を700ml入れ、掻き混ぜ、約1時間後に、石灰が沈殿した上澄みのpHを測定すると、苦土石灰=9.7、炭酸石灰=9.4、粒状消石灰(サラットCa)=13.4、消石灰=13.4、生石灰(苦土生石灰)=13.4、カキ殻石灰(苦土セルカ)=9.7、ホタテ貝殻石灰(ラミカル)=9.4、硫酸石灰(石灰カルゲン)=5.7、硫酸石灰(石膏:ダーウイン)=6.4、過リン酸石灰(過石)=13.0、
 生石灰は、水にいれると、沸騰して発熱するので、取り扱いに注意が必要。

 石灰は、病気を防ぐ効果がある。
 石灰は、病害抵抗性を高め、葉面や地表面のpHを上昇させることで静菌作用を示し、作物の細胞壁を強化する。
 石灰が効いた作物(Caを十分に細胞内に有している作物)は、病原菌が細胞内に侵入しても、迅速に抗菌物質(ファイトアレキシンなど)を産生し、感染を阻止する。
 カルシウムは、作物の病害抵抗性に関与している。青枯病の菌をトマトの株に摂取した後、石灰を施すと、青枯病の発症が抑制される。病害抵抗性に関与するのは、細胞壁のカルシウムでなく、細胞内のカルシウムで、病原菌が侵入したシグナルを伝達したり、細胞内での菌の増殖などを抑制すると考えられている。
 トマトが青枯病を発病しても、水耕培地中のカルシウム濃度を高めると、発病が抑制される。
 石灰は、葉面や土表面のpHを上昇させ、病原菌を直接的に抑制する。石灰が水に溶解すると、強アルカリ液(pH=8.0以上)になり、菌の細胞の蛋白質などを溶解する。
 病原菌(糸状菌が多い)は、好むpHがある。中性や弱アルカリ性の環境では、糸状菌(カビ)の増殖が抑制され、細菌や放線菌の増殖が促進される。放線菌は、抗生物質やキチン分解酵素(キチナーゼ)を産生し、糸状菌(フザリウムなど)の増殖を抑える。
 石灰(カルシウム)は、ペクチン酸と結合し、細胞壁の強度を高める。石灰は、病原菌が産生する細胞壁分解酵素(ポリガラクチオナーゼ)の活性を抑制する。
 石灰(カルシウム)は、細胞と細胞を強固に接着させる。

 光合成を十分に行わせる為には、苦土(マグネシウム:Mg)を供給して(施して)、光合成能力が高い葉を形成することが重要。

 虫は、嗅覚(匂い)より、視覚で畑の状況を認識するので、畑の一番高い作物を見る習性がある。

 39.尿素
 夏場、ナスの追肥に、米糠団子を置き、尿素を撒いた場所には、菌糸が広がるが、硫安を撒いた場所には、菌糸は広がらない。

 尿素は地温を冷やし、硫安は地温を温める(焼酎は体を冷やし、日本酒は体を暖める)。

 40.窒素固定細菌
 地中には、分子状窒素(N2)を同化(固定)する能力を有する細菌(窒素固定細菌)が、生育している。
 
 窒素固定細菌(Clostridium pasteurianum)は、窒素と水素からアンモニア(NH3)を合成する酵素ニトロゲナーゼを有している。
 N2+3H2→2NH3   H=−21.8kcal(−91.2kJ)

 ニトロゲナーゼは、アゾフェレドキシンとモリブドフェレドキシンの2種類の蛋白から構成されていて、エネルギー源としてATP、水素源として還元型フェレドキシンを必要とする。
 ニトロゲナーゼは、酸素感受性が高く、酸素により活性が不可逆的に阻害されるので、窒素固定細菌は、呼吸系や形態を変化させ、酸素によりニトロゲナーゼの活性の失活を防いでいる。
 ニトロゲナーゼは、ADPによっても失活する(不活化される)。

 窒素分子(N2)は、三重結合を有していて、化学的に安定な分子なので、活性化には高エネルギーを要する。
 窒素固定は、原核生物(偏性嫌気性菌、好気性菌、光合成菌)だけで行われる。

 ニトロゲナーゼの酵素活性は、酸素により不可逆的に不活性化される(酸素に対する感受性が高い)。従って、窒素固定は、偏性嫌気性反応である。
 嫌気性菌や光合成菌はニトロゲナーゼ系を酸素に触れないように保持出来るが、好気性菌や青緑色菌は保持に問題が生じる。
 好気性菌(Azotobacter vinelandiiMycobacterium flavum)は、酸素分圧を大気圧より低くすると、窒素固定能が上昇する。Azotobacter 属では、呼吸調節(呼吸系変化)や分子構造変化(形態変化)により、ニトロゲナーゼを酸素による不活化から保護している。

 根粒菌(根瘤バクテリアRhizobium)が、豆科植物の根毛に感染すると、根の4倍体細胞が分裂し、根粒(根瘤)が形成される。
 根粒菌は、根粒の中で増殖・膨張し、不規則な形状のバクテロイド(bacteroid)に変形する。
 バクテロイドは、土壌中の窒素をアンモニアに還元し、アンモニアは植物細胞質中のグルタミン合成酵素によりグルタミン酸と反応しグルタミンが生成され、グルタミンのアミド基がアスパラギン酸に転移されてアスパラギンが生成され、アスパラギンは根の輸送系により根粒内から植物内に輸送される。

 41.根の剪定 
 根は、生育期間中は2〜3カ月で枯れ、冬場では約半年で枯れ、新しい根と入れ替わると言われる。

 根は、人為的に切断すると、切った場所から、同じように新しい根が生える。
 根は、自然に伸長が停止すると、根元や根の途中から新しい根が生える。

 鉢植えの植物を、新しい鉢に植え替える際の根の剪定では、斜め下方向に伸びる根と、真っ直ぐ下方向に伸びる根と、真横方向に伸びる根とを、大事に残すと良い(植え替えに際しては、特に、斜め下方向に伸びる根は、残すことが大事)。
 斜め下方向に伸びる根は、栄養生長と生殖生長を両立させる。
 真っ直ぐ下方向に伸びる根は、主枝の栄養生長を誘導するので、残す。
 真横方向に伸びる根は、側枝や結果枝を充実させるので、残す。
 真横方向に伸びる根でも、途中から上向きに伸びたり、最初から上向きに伸びた根は、新梢の伸長(徒長敵な樹勢が強い)を促進させるので、剪定して、切断する方が良い。

 柑橘類は、接ぎ木部位の直下から出る数本の根を、傷めないように移植すると、活着率が良くなる。

 吸収根(水や肥料を吸収する根)は、樹木の根元から離れた場所に、主根の先に存在する。養水分吸収(水や肥料の吸収)には、土の容量のせいぜい3%(実際には1%程度)の吸収根が存在すれば、十分だと言われる。
 鉢植えでは、吸収根を鉢に張らせるようにすると、品質が良い果実が収穫出来る。

 42.落ち葉
 落ち葉は、土の表面に敷いて、マルチとして利用する。
 落ち葉を敷くことにより、土の表層の乾燥が防がれて水分が保たれて有用微生物やミミズなどが繁殖し易くなり、また、有用微生物が紫外線から守られたりする(土の表層は覆われていた方が土が軟らかくなる)。

 作物が出芽した後に、落ち葉を敷いてやると、畝の乾燥が防がれて、雑草の繁殖が抑制される。

 43.土の団粒構造
 土地(土壌)は、浸水性(排水性)と保水性が両立している方が、作物を育てる為に、良い土地と言える。
 団粒構造がある土地は、潅水しても、すぐに水が浸水して行く(水が溜まっても濁っていない)。
 良い土地の土は、水と攪拌すると、中層部が黒く濁る良い土地の土は、土を水と攪拌した後に数日放置すると、上澄みが澄んでくる

 単粒構造の土地は、潅水すると、すぐに目詰まりして、土膜が表面に形成され、一面に、水溜りが出来てしまう(溜まって流れ出る水は濁っている)。
 「雨降って地固まる」と言う諺があるが、雨が降って、土地の表面に土膜が出来て、硬くなったり、浸水性が悪く、排水量が多くなる土地は、良い土地とは言えない。

 畑などの土を、ペットボトル内に、底面から1〜2cm程度入れ、水を容器に半分〜2/3程度入れ、良く攪拌して、3〜5分程度、放置する。
 団粒構造がある、良い土地の土を入れたペットボトルでは、石や砂は底面に沈み、上層に有機物が浮き、中間の水は黒っぽく濁る(有機物が腐熟していることを示す)。有機物が腐熟した腐植が多い土は、水と混ぜて、4日程度放置すると、上澄みが澄んでくる(腐植が、粘土や無機イオンと結合した結果(アルカリ性の水中では、腐植と粘土が分散したままで、濁ったままになるは)。
 団粒構造がない、粘土質の土地の土を入れたペットボトルでは、底面の砂(シルト)の層が厚く、上層の有機物が殆どなく、中間に水は黄色〜赤色(酸化鉄の色:土中が酸素が多い状態にあることを示す)のことが多い(青色の場合には、土中に酸素が少なく還元鉄が多いことを示す)。細かい粘土粒子は、マイナスに荷電していて(陰性荷電)、互いに反撥するので、浮遊していて、沈殿せず、水が濁る。石灰(カルシウムイオン)が多いと、沈殿し易くなる。

 腐植は、微生物が有機物を分解して、最後に残った物(微生物が産生する物質も含まれている)。
 砂は、浸水性(透水性)は良いが、保水性は悪い。粘土は、浸水性は悪いが、保水性は良い。
 腐植は、砂や粘土を「糊付け」し、砂と粘土を適度に混ざり合わせ、浸水性も保水性も良い土にする作用がある。

 団粒構造がある土は、水に入れると、ぽろぽろと沈んで行って、崩れ難い。(団粒構造がない)単層構造の土は、水に入れると、サラサラと沈んで行く。
 (団粒構造がある)有機物が多い土は、一旦、乾燥させると、水をはじいて、含まなくなる(浸水性が低下する)。

 土地は、作物を育てることにより(根や枯れ木を放置すると)、腐植が増え、より良い畑に育って行く。

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