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 果糖の代謝

 【ポイント】
 果糖(フルクトース)は、体内では、エネルギー源となったり、ブドウ糖に変換されたり、トリグリセリド(中性脂肪)の合成に利用される。
 果糖は、ブドウ糖(グルコース)の代謝(解糖)に組み込まれるが、筋肉と肝臓では、異なった経路を辿る。
 果物に含まれる果糖は、直接的には、血糖値(血中のブドウ糖濃度)を上げないが、果糖は、肝臓でトリグリセリドに変えられ、VLDLなどを増加させ、高脂血症などを来たす恐れがある。
 1.果糖の代謝
 果糖(フルクトース)は、ブドウ糖(グルコース)の代謝(解糖)に組み込まれる(エネルギー源となる)が、筋肉と肝臓では、異なった経路を辿る。
 果糖(フルクトース)は、主に肝臓で代謝を受け、解糖系に入る(ピルビン酸に分解されTCA回路で代謝されたり脂肪酸やトリグリセリドに変換されるか、糖新生でグルコースに変換される)。
 果糖は、肝臓では、fructokinaseにより、フルクトース 1-リン酸に、筋肉では、hexokinaseにより、フルクトース 6-リン酸に代謝(リン酸化)される。

 a).肝臓での代謝(主)
 ・フルクトース→フルクトース 1-リン酸→(グリセルアルデヒド→グリセロール→グリセロール 3-リン酸→)ジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)→グリセルアルデヒド 3-リン酸(GAP)→解糖、
 ・フルクトース→フルクトース 1-リン酸→グリセルアルデヒド→グリセルアルデヒド 3-リン酸(GAP)→解糖
 ・フルクトース→フルクトース 1-リン酸→フルクトース 1,6-ビスリン酸→グリセルアルデヒド 3-リン酸(GAP)→解糖

 フルクトース 1-リン酸は、aldolase Bの作用により、ジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP:glycerone phosphate)と、グリセルアルデヒドになり、DHAPは、直接、解糖系に入り、グリセルアルデヒドは、肝臓のtriokinaseにより、グリセルアルデヒド 3-リン酸(GAP)になり、解糖系に入る。
 aldolase Bは、fructose 1-phosphate aldolaseとも呼ばれる(EC 4.1.2.13)。

 b).筋肉での代謝(僅)

 ・フルクトース→フルクトース 6-リン酸→解糖

 果糖(フルクトース)は、肝臓では、fructokinaseにより、フルクトース 1-リン酸に、筋肉では、hexokinaseにより、フルクトース 6-リン酸に代謝(リン酸化)される。
 肝臓や腎臓や腸管に存在するfructokinaseの活性は、インスリンに影響されないので、果糖は、糖尿病患者でも、血中から正常の速度で、消失すると言われる。
 しかし、果糖を取り過ぎると、肝臓でトリグリセリド(中性脂肪)に変換されるので、摂り過ぎは、良くない。
 果物に含まれる果糖は、直接的には、血糖値(血中のブドウ糖濃度)を上げないが、果糖は、肝臓でトリグリセリドに変えられ、VLDLなどを増加させ、高脂血症などを来たす恐れがある。

 果糖(フルクトース)も、程度は少ないが、ブドウ糖(グルコース)同様に、インスリン分泌(放出)を促進する。

 2.果糖は糖新生により、ブドウ糖に変換される
 果糖は、糖新生により、ブドウ糖(グルコース)に変換される。

 肝臓と腸管を除去した動物実験の結果では、果糖(フルクトース)を注射しても、ブドウ糖(グルコース)を投与しないと、低血糖(の症状)で倒れた。
 この実験結果から、果糖は、主に、肝臓で、糖新生により、ブドウ糖(グルコース)に変換されてから、利用されると言われる。

 3.果糖の腸管からの吸収速度は、ブドウ糖より遅いが、代謝速度は、ブドウ糖より速い
 経口的に与えられた果糖(フルクトース)は、腸管(小腸)から吸収され、その大部分は、門脈を経て、肝臓に運ばれて、代謝される。
 果糖は、空腸上皮に存在する糖輸送担体(GLUT5)により、促通拡散輸送され(濃度勾配に依存した単純拡散機序)、吸収される。
 なお、ブドウ糖(グルコース)は、Na-糖共輸送担体(SGLT1:sodium-dependent glucose transporter 1)により、Naと共に、能動輸送され、吸収される。
 その為、果糖の方が、ブドウ糖(グルコース)より、腸管からの吸収速度が、遅くなる:ネズミでは、グルコースの吸収速度を100とすると、ガラクトース110、フルクトース43、マンノース19、ペントース15、キシロース15、アラビノース9と言われる。

 経口的に、又は、非経口的に体内に入った果糖(フルクトース)は、ブドウ糖(グルコース)よりも、速く、代謝利用される。
 点滴など、静脈注射で、果糖(フルクトース)が体内に入ると、肝臓で代謝障害が起こる(高乳酸血症が起こる)ことがある
 果糖が体内に多くなると、フルクトース 1-リン酸が増加して、肝臓のリン酸(Pi)が枯渇して、ATP濃度が低下して、解糖と乳酸生成が促進し、血中乳酸濃度が、致命的なレベルにまで、達することがあると言わる。
 糖尿病患者でも、フルクトース(果糖)を摂取し過ぎると、肝臓で、フルクトース 1-リン酸を経て、ピルビン酸、乳酸に代謝され、乳酸アシドーシスを引き起こすとされる。

 フルクトース(果糖)の血清正常値は、0.59〜1.15mg/dlと、血糖値(血清ブドウ糖値)より、低値。
 経口フルクトース負荷試験(早朝空腹時に、1g/体重kgの果糖を、約250mlの水に溶解して、経口投与する)では、フルクトース(果糖)の血中最高値(負荷45分後ないし60分後)は、5.6±1.4mg/dlと言われる。
 経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)の血中最高値(負荷2時間後)が、140mg/dl程度なことを考えると、腸管からの吸収速度が遅いフルクトース(果糖)の方が、ブドウ糖(グルコース)よりも、肝臓での取り込みや代謝は、速いと考えられている。
 
 4.果糖は、VLDLの合成・分泌を促進させ、高中性脂肪血症を来たす恐れがある
 in vitro(試験管内の実験)では、インスリンは、遊離肝細胞によるVLDL粒子の合成・分泌を、抑制する。培養肝細胞は、培養液中のブドウ糖(グルコース)か遊離脂肪酸から、トリグリセリドを合成する(果糖には、細胞毒性があり、培養液には添加されない)。インスリンは、培養肝細胞に作用して、PI3-キナーゼ(phosphoinositide 3-kinase)を介して、VLDL粒子の合成(アセンブリー)を抑制する。
 in vivoでは、インスリンは、肝細胞に於いて、脂肪酸(アシル-CoA)や、グルコース 6-リン酸の合成を促進させ、トリグリセリド(中性脂肪)や、コレステロール生成を促進し、VLDLの合成・分泌を増加させる。
 果糖(フルクトース)は、インスリン分泌(放出)を促進させるが、果糖のインスリン分泌促進作用は、ブドウ糖(グルコース)より、弱い。
 従って、インスリン分泌促進によるトリグリセリド(中性脂肪)合成促進作用は、果糖の方が、ブドウ糖(グルコース)より弱いと考えられる。
 しかし、果糖(フルクトース)は、ブドウ糖(グルコース)よりも、速く、肝臓で代謝されるので、ブドウ糖(グルコース)と一緒に摂取すると、インスリン(ブドウ糖により分泌が促進された)により、トリグリセリド合成が、促進される。
 また、果糖の含有量が多い(ブドウ糖の摂取が相対的に少ない)食物を摂取すると、インスリン分泌量が相対的に低下し、VLDLのLPL(脂肪組織のLPLは、インスリンにより、酵素活性が促進される)による異化が少ない為、血中にトリグリセリドが増加しやすい(高トリグリセリド血症になる)。同様に、インスリン分泌が不足した糖尿病では、VLDLのLPLによる異化が少ない為、果物などから果糖を多く摂取すると、高トリグリセリド血症を来たす恐れがある。

 ブドウ糖(グルコース)を摂取した時には、分泌されたインスリンにより、肝臓の肝細胞では、脂肪酸やトリグリセリドやコレステロールが生産され、正常の組成のVLDLが合成・分泌される。しかし、同時に、分泌されたインスリンにより、LPL活性が亢進する為、VLDL中のトリグリセリドが加水分解され、血中トリグリセリドは、上昇しない。
 果糖(フルクトース)を摂取した時には、(肝臓で速やかに代謝されトリグリセリドが過剰に生産され、)トリグリセリドを豊富に含む大型のVLDLが合成・分泌される。しかし、同時に、インスリンによるLPL活性の促進があまり起こらない為、VLDL中のトリグリセリドの加水分解が進行しない為、血中トリグリセリドは、上昇する(高トリグリセリド血症になる)。

 5.果糖のglycemic index
 Glycemic index(GI)とは、糖を負荷(経口摂取)した時に、2時間後までの血糖上昇面積を、ブドウ糖(グルコース)を負荷した時の血糖上昇面積を100として、比較した値のこと。
 同じ量の重さの糖を比較すると、glycemic index(GI)は、マルトースや蜂蜜は80〜90、砂糖は50〜59、果物は40〜49、果糖は20〜29と言われる。

 果糖は、冷たい状態では、砂糖の1.5倍甘いと言う。
 果糖は、血清の中性脂肪を上昇させる作用がある。果糖は、大量に摂取すると、血清の乳酸値を上昇させ、蛋白を糖化させる作用がある:終末糖化産物(AGEs)が生成されてしまう。

 果糖は肝臓で代謝されるが、フルクトキナーゼにより、フルクトース 1-リン酸に代謝される過程は、インスリンの作用を必要としない。
 しかし、フルクトース 1-リン酸が、フルクトース 1,6-ビスリン酸や、ジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)や、グリセルアルデヒド 3-リン酸(GAP)になって、解糖系に組み込まれた後の代謝は、インスリンの作用で調節を受ける。
 空腹時に投与されたフルクトースは、66%がグルコースに変換されると言われる。
 フルクトースは、経口的に投与しても、経静脈的に投与(負荷)しても、早期(投与30分後)から、血糖値(血中グルコース値)が上昇する。フルクトースの投与(負荷)は、肝臓の糖新生系を亢進させる(特に、glucose-6-phosphatase活性を亢進させる)。
 フルクトースは、肝臓では、フルクトース-1-リン酸を経て、解糖系のグリセルアルデヒド-3-リン酸へと代謝される。 フルクトースは、グルコース(ブドウ糖)と異なり、インスリン分泌を促進(刺激)しない。フルクトースを単独に投与(摂取)した場合などは、解糖系に入ったフルクトースは、インスリン濃度が十分でないと、TCA回路の方向に代謝されないで、糖新生系やグリコーゲン合成系の方向に代謝される(フルクトースを摂取すると、糖新生系やグリコーゲン合成系が亢進する)。

 フルクトースは、大量に投与されると、急速に肝臓から取り込まれる。 肝細胞では、フルクトース-1-リン酸が著増し、その際、fructokinaseによりATPが消費され、細胞内ATP濃度が低下し、エネルギー不足になると想定されている。従って、糖尿病患者が低血糖を来たした際に、フルクトースを投与すると、低血糖がむしろ助長されるおそれがある。
 フルクトースは、酸化力が強く、生体への毒性がグルコースの何百倍も強い為、肝臓はフルクトースを迅速に処理する。
 フルクトースは、末梢組織で、グルコースの代替エネルギー源としては、利用出来ない。
 フルクトースは、血液脳関門(blood-brain barrier:BBB)を通過しない(フルクトースは、低血糖時に、脳で、グルコースの代替エネルギー源にならない)。
 フルクトースは、糖輸送体のGLUT5を解して、細胞内に取り込まれるが、GLUT5は、小腸や腎臓に存在するが、全ての臓器の細胞には、存在しない。
 おまけ:果糖の代謝に関係する酵素
 ・fructokinase (EC 2.7.1.4)
 ATP + D-fructose = ADP + D-fructose 6-phosphate

 ・6-phosphofructokinase (EC 2.7.1.11):別名6-phosphofructose 1-kinase、phosphofructokinase I (PFK-1)、PFK
 ATP + D-fructose 6-phosphate = ADP + D-fructose 1,6-bisphosphate

 ・1-phosphofructokinase (EC 2.7.1.56):別名fructose-1-phosphate kinase、phosphofructokinase 1(1-PFK)
 ATP + D-fructose 1-phosphate = ADP + D-fructose 1,6-bisphosphate

 ・6-phosphofructo-2-kinase (EC 2.7.1.105)
 ATP + β-D-fructose 6-phosphate = ADP + β-D-fructose 2,6-bisphosphate

 参考文献
 ・ハーパー・生化学(原著14版、三浦義彰監訳、丸善株式会社、 1975年).
 ・ヴォート生化学(東京化学同人、2003年、第4刷).
 ・鈴木紘一、他:ホートン生化学 第3版(東京化学同人、2005年、第3刷).

 ・検査値を読む 臨床雑誌 内科 第61巻・第6号、1988年.
 ・曲直部壽夫、他:高カロリー輸液の実際、へるす出版、昭和56年. 
 ・平田幸正:果糖は糖尿病にメリットがあるか CLINICIAN '92 No.412, 14-15(エーザイ株式会社).
 ・芳野原:高インスリン血症とトリグリセリド代謝(質疑応答) 日本醫事新報 No.4111(2003年2月8)、107-108頁.
 ・河崎孝弘、山内俊一:果糖の摂取と血糖値上昇の機序(質疑応答)、日本医事新報、No.4317(2007年1月20日)、91-92頁.

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