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 NKT細胞

 NKT細胞は、NK細胞とT細胞の両方の性質を合わせ持つ、新たに分画されたリンパ球。
 NKT細胞は、NK細胞受容体(CD161)と、抗原受容体(TCR類似)の両方を、発現している。

 NKT細胞は、CD3陽性で、抗原受容体(Vα14/Vβ8受容体)、NK細胞受容体(CD161)、抑制受容体(MHCクラスI分子受容体)の、3種類の受容体を保有している。
 ・抗原受容体(Vα14/Vβ8受容体):NKT細胞は、抗原提示細胞のMHC様分子(CD1d分子:注1)に結合した、糖脂質(α-GalCer)を抗原として認識して活性化され、IL-4IFN-γを産生。NKT細胞の抗原受容体は、T細胞の抗原受容体(TCR)と同様、αβ鎖から構成されているが、T細胞の抗原受容体(TCR)と異なり、α鎖は、多様性のない1種類のVα14受容体である。NKT細胞の抗原受容体のβ鎖は、T細胞の抗原受容体(TCR)と同様のVβ8.2鎖だが、組織によって異なる2〜3の均一な配列が主要で、多様性は少ない。
 ・NK細胞受容体(CD161):NKT細胞は、標的細胞の糖鎖注2)を認識して結合し、標的細胞を傷害する。
 ・NKT細胞は、NK細胞と同様に、抑制受容体(MHCクラスI分子受容体)を有しており、MHCクラスI分子を発現した正常細胞をは、障害しない。

 NKT細胞は、強力な免疫作用があり、インターフェロン-γ(IFN-γ)を産生し、自然免疫系と獲得免疫系の両方の細胞を活性化させる。
 NKT細胞を欠損したマウスは、ウイルス、細菌、寄生虫、カビ(真菌)などの病原体を排除出来ない。

 1.NKT細胞とは

 NKT細胞は、形態学的には、NK細胞に似た顆粒リンパ球。
 NKT細胞は、T細胞と同様に、胸腺内でも分化する。NKT細胞は、胸腺以外に、骨髄、肝臓、消化管でも、分化する。
 NKT細胞は、肝臓、骨髄に多いが、末梢血、リンパ節、脾臓、胸腺には少ない。NKT細胞は、胸腺リンパ球の0.4%、肝臓・骨髄のリンパ球の約25%、脾臓リンパ球の1〜2%を占める(マウス)。

 NKT細胞は、IFN-γ、IL-4を産生し、NK細胞やB1-B細胞など、自然免疫細胞を活性化させる(注3)。IFN-γ、IL-4は、相反する作用を持つ:IFN-γは、Th1細胞を活性化させ、IL-4は、Th2細胞を活性化させる。
 NKT細胞は、抗原提示細胞(樹状細胞)のCD1d分子(MHCクラスIb分子)に結合した、スフィンゴ糖脂質(α-ガラクトシルセラミドα-GalCer)を、抗原受容体(Vα14/Vβ8受容体)により特異的に認識して活性化し、IL-4とIFN-γを産生する:
 ・抗原受容体を介した刺激は、NKT細胞に、IL-4を産生させる。
 ・NKT細胞は、スフィンゴ糖脂質の誘導体(OCHという合成糖脂質)により、活性化されると、IL-4のみを産生するという。OCHは、多発性硬化症(MS、注4)の治療への応用も、試みられた。
 ・NKT細胞は、α1,3-オリゴ糖により、CD161が刺激され、活性化されると、IFN-γのみが産生される。
 ・スフィンゴ糖脂質(α-ガラクトシルセラミド)は、樹状細胞(抗原提示細胞)に、IL-12を産生させる。
 ・抗原提示細胞から産生されるIL-12は、NKT細胞に作用し、IFN-γを産生させたり、Fasリガンドを介して、細胞障害活性を示させる。 
 ・抗原提示細胞から産生されるIL-18は、NKT細胞に作用し、抗原受容体の刺激なしに、IL-12の作用(IFN-γ産生作用と細胞障害活性)を増強する。
 なお、スフィンゴ糖脂質(α-ガラクトシルセラミド:α-GalCer)は、ガラクトース(Gal)とセラミド(Cer)の結合体(シイタケ、サツマイモなどに含まれている)。NKT細胞は、(樹状細胞などのCD1d分子に結合した)内因性糖脂質のGPI(glycosyl phosphatidyl inositol:グリコシルホスファチジルイノシトール)を、(抗原受容体のVα14/Vβ8受容体により)特異的に認識する。

 NKT細胞は、NK細胞と同様に、抑制受容体を有しており、MHC分子を失った標的細胞だけを傷害する。NKT細胞は、細胞表面に、自己MHC分子を認識する受容体が存在し、自己MHCを有する細胞と結合した場合(出合った場合)は、抑制シグナルが入り、障害(攻撃)しない。

 NKT細胞は、NK細胞と同様に、Fasリガンドを発現したり、パーフォリン/グランザイムを産生し、標的細胞(癌細胞など)を障害する。
 NKT細胞の細胞障害活性は、キラーT細胞と異なり、放射線(注5)、抗癌剤、ステロイド剤で抑制されない。

 T細胞と同様に、NKT細胞と樹状細胞には、CD28/B7共刺激回路が、樹状細胞とNKT細胞には、CD40/CD154(CD40L)共刺激回路が、存在する。NKT細胞は、抗原受容体(Vα14/Vβ8受容体)からのシグナルに加え、これら補助受容体からのシグナルを得て、活性化される。
 活性化されたNKT細胞は、サイトカイン(IL-4、IFN-γ)を産生したり、Fasリガンドパーフォリン/グランザイムにより細胞障害活性を示す。
 a).マウスVα14NKT細胞
 マウスVα14NKT細胞は、T細胞、B細胞、NK細胞とも異なる。
 Vα14NKT細胞の抗原受容体(Vα14TCR)は、Vα14Jα281遺伝子によってコードされる、α鎖からなる。
 Vα14NKT細胞は、NK1.1+T細胞として分類されて来た細胞と同一。
 この抗原受容体(Vα14TCR)は、抗原提示細胞表面の、マウスCD1d分子(非典型的MHCクラスIb分子)を抗原提示分子として、「抗原」(リガンド)を提示される。

 Vα14NKT細胞の抗原受容体に、「抗原」(リガンド)として提示されるのは、特殊な糖脂質(α-ガラクトシルセラミド:α-GalCer)であり、ペプチド抗原ではない。なお、ヘルパーT細胞の抗原受容体(TCR・CD3複合体)は、抗原提示(呈示)分子のMHCクラスII分子に結合したペプチド抗原を、「抗原」として、提示される。

 α-ガラクトシルセラミド(α-GalCer:KRN7000)は、糖鎖(ガラクトース)が、セラミド(アシル化脂肪とスフィンゴシンから構成される)と、α結合している。α-ガラクトシルセラミドのセラミド部分(疎水性)が、NKT細胞のCD1d分子(抗原受容体)の疎水性ポケットに結合する。
 NKT細胞の抗原受容体のリガンドである、α-ガラクトシルセラミド(α-GalCer)を、極少量、担癌動物に投与(注射)すると、NKT細胞が選択的に活性化され、肝臓や肺への癌転移が、完全に抑制される。

 マウスVα14NKT細胞は、マウスCD1d分子に結合した、リガンドとしてのスフィンゴ糖脂質を、抗原受容体(Vα14TCR)で認識する。
 これは、ヒトヘルパーT細胞が、MHCクラスII分子に結合した、抗原としてのペプチド抗原を、TCR・CD3複合体で認識するのと、対照的。
 このようにして活性化されたVα14NKT細胞は、IFN-γやIL-4を産生すると同時に、強力な抗腫瘍活性を、生体内(in vivo)で示す。

 b).ヒトVα24NKT細胞
 マウスVα14NKT細胞に相当する細胞として、ヒトでは、Vα24NKT細胞が知られている。
 ヒトVα24NKT細胞の抗原受容体は、Vα24Vβ11遺伝子によってコードされるという。
 ヒトVα24NKT細胞は、抗原受容体であるVα24Vβ11と、NK細胞のマーカーであるCD161NKR-P1、マウスではNK1.1)分子を併せ持っている。 
 ヒトVα24NKT細胞も、スフィンゴ糖脂質(α-GalCer)をリガンドにする。
 ヒトVα24NKT細胞は、ヒト悪性腫瘍細胞株に対して、試験管内(in vitro)で、NK細胞様の標的細胞傷害活性を示す。
 ヒトVα24NKT細胞の抗腫瘍活性の発現には、抗原受容体よりも、NK細胞受容体(NKR-P1、CD3×CD161)が、関与すると考えられる。

 NKT細胞は、自己抗原反応性T細胞の活性を抑制する。
 ヒトVα24NKT細胞は、自己免疫疾患である、多発性硬化症の末梢血中で、著しく減少している。

 3.NKT細胞の生理的機能
 生体内での腫瘍の転移は、初期にはNKT細胞が抑制し、後期には、NK細胞が抑制すると考えられる。
 IL-12は、低濃度でも、NKT細胞の腫瘍転移抑制効果を増強し、NKT細胞からIFN-γを産生させる。
 NKT細胞は、免疫抑制作用があり、マウスの自己免疫疾患(SLE)の発症に先立って減少する。
 人間でも、SLE患者は、NKT細胞が減少している。
 Fas抗原を発現した、自己抗原反応性リンパ球を、NKT細胞が、アポトーシスで除去出来ないことが、自己免疫疾患の発症の原因とも考えられる。

 EAE (experimental autoimmune encephalomyelitis)は、多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)のマウスのモデルで、ミエリン塩基性蛋白 (MBP) に反応する、CD4Th1型のヘルパーT細胞クローンによって誘発される。
 抗NK1.1抗体をマウスに投与すると、EAEが劇症化することから、NKT細胞やNK細胞は、自己免疫疾患の悪化を抑制していると考えられる。

 心臓移植の際に、共刺激(副刺激)阻害治療をすると、移殖片は拒絶されないが、NKT細胞が欠損したマウスでは、移殖片は拒絶されるので、NKT細胞は、免疫寛容とも関連している。

 クリプトコッカスに感染すると、肺胞マクロファージなどからMCP-1が産生され、体循環からNK細胞及びNKT細胞が、感染局所に集積する。NKT細胞は、樹状細胞と共に所属リンパ節に移動し、(NKT細胞からのIFN-γの産生や、樹状細胞からのIL-12の産生を介して、)Th1細胞の分化を促進させる。

 1).移植免疫寛容の維持
 NKT細胞は、移植免疫寛容の維持に必要:マウスの肝臓に、ラットのβ細胞を移植し、少量の抗CD4抗体を投与すると、免疫寛容が導入され、ラットのβ細胞は、拒絶されずに、マウスの肝臓に、生着する。NKT細胞を欠損したマウスの肝臓に、ラットのβ細胞を移植すると、移植したラットのβ細胞は、破壊され、細胞が浸潤する。しかし、NKT細胞を欠損したマウスに、NKT細胞を移入すると、正常マウス同様に、ラットのβ細胞は、マウスの肝臓に、200日以上、生着する。

 2).結核性肉芽腫形成
 マウスに、結核菌Mycobacterium tuberculosis)の脂質・糖脂質成分を注射すると、肉芽腫が形成される。
 この結核性肉芽腫には、NKT細胞が、集積している。
 NKT細胞が欠損したマウスは、結核性肉芽腫の形成が、極端に低下する(正常マウスの肉芽腫に比して、直径は4分の1、体積は64分の1しかない)。

 結核菌は、細胞内寄生菌で、細胞内に侵入すると、サルモネラ菌、レジオネラ菌、百日咳菌と同様に、細胞のファゴゾームとリソゾームの融合を阻止し、ファゴゾーム内で生存し、増殖する。

 3).発癌の抑制
 化学的発癌剤(メチルコラントレン)をマウスに注射すると、3カ月程後に、肉腫が形成される。
 NKT細胞が欠損したマウスは、肉腫が形成が早く(約1カ月早い)、発癌頻度も3〜5倍、高い。従って、NKT細胞は、NK細胞同様に、発癌を抑制していると、推測されている。

 4).自己免疫疾患発症の制御
 自己免疫疾患発症マウスや、ヒトの自己免疫疾患(SLE、強皮症など)では、自己免疫疾患の発症に先立って、NKT細胞が、減少する。
 1型糖尿病NODマウス(nonobase diabetic mouse:非肥満型糖尿病マウス)が、糖尿病を発症する直前に、NKT細胞を移入すると、糖尿病の発症が、抑制される。なお、1型糖尿病NODマウスは、NKT細胞によるIL-4産生(Th2細胞も産生)や、IFN-γ産生(Th1細胞も産生)が、低下している(注3)。1型糖尿病NODマウスに、NKT細胞の抗原受容体のリガンドである、α-ガラクトシルセラミド(α-GalCer)を頻回に投与すると、糖尿病の発症が、抑制される。

 注1:CD1d分子は、MHCクラスIb分子。
 ヒトCD1分子には、グループ1(CD1a、CD1b、CD1c)と、グループ2(CD1d)が存在する。マウスやラットでは、グループ2CD1(CD1d)のみが存在する。グループ2CD1(CD1d)分子は、糖脂質やリン脂質と結合する。
 ヒトCD1遺伝子群は、第1染色体上に位置する(MHC分子は、第6染色体上に位置する)。

 注2グルコースブドウ糖)、ガラクトース(Gal)、マンノース、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、フコース、キシロース、シアル酸などの糖は、複雑に連なって、糖鎖を形成する。

 細胞表面の糖鎖は、他の細胞(白血球、癌細胞など)、細菌、ウイルス、毒素などが、細胞に接着する際の結合部位(リガンド)となる。
 細菌は、表面のレクチンにより、宿主の糖鎖と結合する。

 糖鎖は、蛋白や脂質と結合して、糖蛋白質や、糖脂質となり、結合した蛋白質や脂質を安定化させたり、蛋白質のタグ(荷札)として細胞間での情報伝達に、重要な役割を果たしたり、プロテオグリカンとして水分を結合させ組織を保護する。

 糖鎖は、蛋白質に結合して、蛋白質のタグ(荷札)の役割を担う。また、糖鎖は、結合した蛋白質や脂質を安定化させる。シアル酸の付いた糖鎖が結合すると、陰性荷電により、血管内皮細胞と反撥し、肝臓などで、分解されにくくなる。

 蛋白質や脂質に糖鎖が結合したものは、複合糖質と呼ばれる。複合糖質には、糖蛋白質、糖脂質、プロテオグリカンに分類される。
 糖蛋白は、1本の蛋白質に、短い糖鎖(単糖が20個まで)が、1〜数百本の糖鎖が結合している。
 糖脂質は、1本の脂質分子に、1本の糖鎖が結合している。
 プロテオグリカンは、1本の蛋白質(コア蛋白)に、長い糖鎖(単糖が100〜1万個:グリコサミノグリカン)が結合している。
 糖鎖の単糖成分
 ヘキソース  ガラクトース(Gal)、マンノース(Man)、グルコース(Glc
 デオキシヘキソース  L-フコース
 へキソサミン  N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc
 シアル酸  N-アセチルノイラミン酸(NeuAc)、N-グリコリルノイラミン酸(NeuGc
 ペントース  キシロース、L-アラビノース

 注3:NKT細胞は、IFN-γも、IL-4も産生する。
 ヘルパーT細胞(CD4陽性細胞)は、Th1細胞(IFN-γ、IL-2、TNF-αを産生し、細胞性免疫に関与)と、Th2細胞(IL-4、IL-5、IL-6、IL-10などを産生し、液性免疫に関与)とに、分化している。
 NKT細胞は、NK細胞と比して、抗原受容体の構造が、T細胞に近い点で、進化しているが、ヘルパーT細胞と比して、サイトカイン産生能が分化しておらず、原始的(未進化)と言えよう。

 注4多発性硬化症(MS:multiple sclerosis)は、中枢神経性の脱髄疾患で、自己免疫で発症すると考えられている。
 多発性硬化症は、特定のMHCクラスII抗原を有する人が、罹患し易い。
 多発性硬化症は、脳神経組織のミエリン蛋白が、自己抗原となり、MHCクラスII抗原により提示され、ヘルパーT細胞(CD4陽性T細胞)が活性化され、免疫応答が起こると言われる。
 多発性硬化症(MS)に似た病像は、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)として、マウス、ラット、モルモットなどに形成することが出来る。動物に、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を発症させる為には、自己抗原となるミエリン蛋白として、ミエリン塩基性蛋白(MBP)、プロテオリピッド蛋白(PLP)、ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白(MOG)が用いられる。
 実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)は、実験的アレルギー性脳脊髄炎(Experimental Allergic Encephalomyelitis)とも呼ばれた。実験的アレルギー性脳脊髄炎は、モルモットやウサギやラットやニワトリに、脳や脊髄(ミエリン蛋白)のホモジネート(異種、同種、自己)を、Feundの完全アジュバントに混合して、皮下注射する。そうすると、2〜3週間後に、脱髄、グリア増殖、細小静脈周辺の円形細胞浸潤が、脊髄、脳幹、大脳、小脳に起こり、知覚障害、運動麻痺が現れる。髄液中のγ-グログりん(免疫グロブリン)が著明に増加する。実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)では、主に、細胞性免疫や、ADCCによって、細胞障害が起こる。

 多発性硬化症(の発症)は、複数の疫学的研究から、動物性脂肪の大量摂取との関連が、示唆されている。動物性脂肪(肉食、牛乳など)の摂取量を抑制すると、多発性硬化症(MS)の経過に好影響が得られる可能性が指摘されている(旧約時代のユダヤ人たちは、動物の脂肪は、燃やして、神に捧げていたが、このような慣習は、神のためでなく、人間の健康のための慣習だったのかも知れない)。
 肉食や、牛乳、バターなどで、動物性脂肪を取り過ぎると、多発性硬化症(MS)の経過が、悪くなる理由としては、動物性脂肪がエマルジョン(エマルション:emulsion)となり、溶け込んだペプチド抗原(ハプテン抗原)が、自己免疫疾患の発症を促進させのかも知れない。動物性脂肪が、食品添加物の界面活性剤により、エマルジョンを形成すると、ペプチド抗原が溶けた水溶液(水滴)が、動物性脂肪(トリグリセリドや脂肪酸)の中に分散し、油中水滴型アジュバントを形成し、少量のペプチド抗原でも、強い自己免疫反応を、長期間に渡って、引き起こすのかも知れない。油中水型 ( water in oil ) に、抗原が脂肪中(油中)に存在すると、抗原性(免疫原性)が増強される為、自己免疫疾患(多発性硬化症、クローン病など)や、アレルギー性疾患を、引き起こす怖れがある。
 クローン病潰瘍性大腸炎は、牛乳や乳製品の摂取を禁止し、自然の穀物(精製度が少ない穀物)、野菜、果物を摂取させると、改善したり、治癒すると言う。
 牛乳
バター、マーガリン、マヨネーズ、アイスクリームなどは、エマルジョン(乳濁液)なので、多発性硬化症(MS)の人には、良くないのかも知れない。また、動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸が、血行を悪くする(於血にする)のかも知れない。
 Swank食事療法では、多発性硬化症(MS)の発症は、動物性脂肪の摂取と関連していることに注目し、不飽和脂肪酸を1日最大15g摂取させ、動物性脂肪に富む加工乳製品は、摂取させない。魚料理を多くし、1日、植物性油15gと肝油5gを摂取させる。多発性硬化症(MS)144例が、このSwank食事療法を、34年間厳密に継続したところ、症状の進行度や、死亡率が低減した。しかし、このSwank食事療法の試みは、非対照試験で行われ、また、Swank食事療法が有効でなかった症例は、途中で脱落しているので、どの程度有効なのか、科学的根拠(エビデンス)に乏しい。
 不飽和脂肪酸は、ω3脂肪酸(n-3系の多価不飽和脂肪酸)は、抗炎症作用が着目されているが、ω6脂肪酸(n-6系の不飽和脂肪酸リノール酸)は、多発性硬化症(MS)の経過に、ある程度の(良い)効果を及ぼす。
 多発性硬化症(MS)では、骨粗鬆症の発症率が高く、ビタミンDとカルシウムを投与して、骨粗鬆症の発症の予防が試みられているが、高カルシウム血症を来たす恐れがある。
 ビタミンB12の欠乏は、多発性硬化症(MS)と類似した症状を来たすことがある。
 抗酸化物質に関しては、ビタミンC、A、Eを多く含む果物や野菜を摂取すると、多発性硬化症(の経過の改善)には、有益である。
 抗酸化物質のセレンは、多発性硬化症(MS)の経過に好影響を示す明確なデータが得られていない(セレンが、血液脳関門を通過可能なのかも、定かでない)。

 多発性硬化症(MS)は、日本などアジア諸国では、視神経脊髄型(optic-spinal multiple sclerosis:OSMS)と、大脳・小脳が侵されるclassic multiple sclerosis(CMS:conventional multiple sclerosis)との二大病型に分類される。
 欧米では、視神経・脊髄が限局して侵される炎症性脱髄疾患は、neuromyelitis optica(NMO:recurrent Devic病)と呼ばれる。NMOでは、急性期の脱髄病巣に、IgGや補体が沈着することから、液性免疫が発症に関与すると考えられて来た。
 NMO患者の血清中には、ヒトの大脳・小脳のpia、subpia、Virchow-Robin space、microvessel wallと反応するIgGクラスの抗体(NMO-IgG抗体)が存在することが見出された(Lennon等)。NMO患者の75%は、NMO-IgG抗体が陽性。NMO-IgG抗体は、aquaporin4水チャネル(AQP4)を認識する(NMO-IgG抗体≒抗AQP4抗体)。
 NMO-IgG抗体は、中高年女性で、頚髄〜胸髄にかけて3椎体長異常にわたる病変(long cord lesion:LCL)や、高度の下肢麻痺や、視力喪失を有していている症例で、陽性を示す。NMO-IgG抗体は、LCLを伴なわないOSMS症例やCMS症例では、全例、陰性を示す。

 注5放射線の障害には、確定的影響=被爆量がある一定量を越えないと障害(脱毛、白内障、不妊症など)が生じないと、確率的影響=被爆量が増えると障害(発癌など)が生じる確率が増加するとが、ある。
 発癌の発生(被爆の確率的影響)は、200ミリシーベルト(mSv)を越えない被爆量の場合には、増加しない(広島や長崎の原爆の際の調査結果)。
 大人は、甲状腺にヨウ素(I)が蓄えられているが、成長期の子供は、ヨウ素を甲状腺に取り込み続け、甲状腺ホルモンを作っている。I131(要素131)が体内に大量に入ると、将来、甲状腺癌を発症するリスクが高まる。40歳以下の人が、安定化ヨウ素(I)を飲むと、I131の甲状腺への取り込みが抑制できる(40歳以上の人は、甲状腺癌になるリスクが低い)。嗽薬(イソジンガーグルなど)に含まれるヨウ素は、I131の甲状腺への取り込みを抑制する効果がない。
 服に付着した放射性物質は、極微量なので、問題にする必要はない。
 日本人の日常生活の死亡リスク糖鎖の単糖成分
 要因  死亡リスク(人数/10万人/年)
 自動車事故  10
 鉄道事故   0.36
 航空機事故   0.044
 大気中汚染物質   0.37
 喫煙  28
 自然放射線   2
 被爆量(mSv):単純X線撮影=0.05〜0.5、CT撮影=2.4〜12.9、飛行機(東京〜ニューヨーク往復)=0.2、自然界での年間被爆量=2.4、放射線作業従事者の線量最大限度(年間)=50、リンパ球(末梢血中)が1回の全身被爆で減少する量=500、1回の全身被爆で死に至る量=7,000

 参考文献
 ・谷口克、他:標準免疫学(第2版、医学書院、2004年).
 ・山本一彦、他:カラー図解 靭帯の正常構造と機能 IV 血液・免疫・内分泌 (日本医事新報社、2002年).
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 ・新谷弘実:胃腸は語る−胃相腸相からみた健康・長寿法、弘文堂(平成10年初版、平成12年11刷).
 ・市川元基:多発性硬化症の病因はMyelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)に対する自己免疫反応か?、信州医誌、44(1):45〜46、1996年.
 ・浅野善博:質疑応答 細菌の細胞内感染の機序、日本医事新報、No.4313(2006年12月23日)、93-94頁.
 ・田中惠子:質疑応答 多発性硬化症とNMO-IgG/抗AQP4抗体、日本医事新報、No.4322(2007年2月24日)、120-121頁.
 ・日高徹、湯川宗昭:食品添加物事典、株式会社食品化学新聞社、平成9年発行.
 ・藤井清次、林敏夫、慶田雅洋:食品添加物ハンドブック 第ニ版、光生館、1965年初版第1刷発行、1997年第ニ版第1刷発行.
 ・増尾清:新・食品添加物とつきあう法−なくす日までの自己防衛−、農山漁村文化協会、1993年第1冊発行、1997年第10冊.
 ・鹿間直人:「放射腺被ばく」の現状について、お加減はいかがですか、307号、平成23年4月15日、JA長野厚生連佐久総合病院(発行責任者 伊澤敏).
 ・山口康夫:医免疫学、金原出版株式会社(昭和53年10月20日発行).

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