Oisix(おいしっくす) DHCオンラインショップ【個人サイト様向け】 富士通パソコンFMVの直販サイト富士通 WEB MART

 シアリルLe抗原と腫瘍マーカー

 腫瘍マーカーとして検査される、CA19-9SLXは、シアリルLeグループ(シアリルルイスグループ)の糖鎖抗原である。
 CA19-9は、シアリルLea抗原(sialyl Lewis A:sLea)を、SLXは、シアリルLex抗原(sialyl Lewis x:sLex)を、それぞれ、測定している。
 癌細胞表面に存在するsLeasLexは、セレクチンリガンドとして、血管内皮細胞などのセレクチンと結合する。
 糖鎖抗原は、シアル酸やフコースによって修飾されている。
 シアリルLea抗原は、ルイス式血液型(Lewis式血液型)のLea抗原(ルイスA抗原)が、シアル酸NeuAc)でシアリル化された構造をしている。

 担癌患者では、癌細胞で産生され、大量に血液中に増加する物質があり、腫瘍マーカーとして、癌の診断や、予後の判定などのために、測定される。
 sLeasLexなどの糖鎖抗原は、癌細胞から産生され、CA19-9SLXなどの腫瘍マーカーとして測定される。
 sLeasLexなどの糖鎖抗原を有する癌細胞は、血管内皮細胞のセレクチンと結合するので、腫瘍マーカーのCA19-9SLXは、癌細胞が血行転移しやすいかの指標に有用。

 sLex(sialyl Lewis x:シアリルLex抗原)と、sLea(sialyl Lewis A:シアリルLea抗原)と、ルイス式血液型抗原のLea(Lewis A抗原)とLebLewis B抗原)との関係を下図に示す。

 1.糖鎖抗原:シアリルルイス抗原とルイス式血液型抗原
 シアリルルイス抗原は、腫瘍マーカーとして検査される、糖鎖抗原
 シアリルルイス抗原は、シアル酸(NeuAc:N-アセチルノイラミン酸)と、ガラクトース(Gal)と、N-アセチルグルコサミンGlcNAc)と、フコースFuc)から構成された糖鎖が、蛋白質に結合している。
 シアリルLea抗原(sLea:シアリルルイスA抗原)は、ルイス式血液型抗原のLewis A抗原(Lea)に、シアル酸(NeuAc)が、2→3結合した構造をしている。
 シアリルLex抗原(sLex:シアリルルイスx抗原)は、Lexに、シアル酸(NeuAc)が、2→3結合した構造をしている。
 シアリルLea抗原(sLea)や、シアリルLex抗原(sLex)は、ルイス式血液型抗原(LeaLeb)と同様に、基幹領域Gal-GlcNAcを有している。しかし、基幹領域のGalとGlcNAcの結合は、一型糖鎖であるsLeaでは、1→3結合(Galβ1,3GlcNAc)なのに対して、二型糖鎖であるsLexでは、1→4結合(Galβ1,4GlcNAc)をしている。 

 a).シアリルLea抗原(sLea)とシアリルLex抗原(sLex)の相違点
 シアリルLea抗原sLea:シアリルルイスA抗原)は、ガラクトース(Gal)と、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)との結合が、β1→3の一型糖鎖
 それに比して、シアリルLex抗原sLex:シアリルルイスx抗原)は、ガラクトース(Gal)と、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)との結合が、β1→4の二型糖鎖
 なお、フコース(Fuc)は、シアリルLea抗原(sLea)では、α1→4結合し、シアリルLex抗原(sLex)では、α1→3結合している。

 2.糖鎖抗原の腫瘍マーカー
 細胞の癌化に伴って、癌細胞からは、シアリルLex抗原など、糖鎖抗原の発現が亢進する。
 癌細胞から、産生されるシアリルLe抗原は、血液中に増加するので、腫瘍マーカーとして測定される。
 シアリルLe抗原の腫瘍マーカーとしては、CA19-9やSLXが知られている。

 癌細胞表面のシアリルLex系糖鎖や、シアリルLea系糖鎖は、セレクチンリガンドとして機能する。
 癌細胞は、表面のシアリルLex系糖鎖や、シアリルLea系糖鎖を介して、血管内皮細胞のE-セレクチンと結合し、血管内皮細胞に接着し、転移巣を形成する。従って、シアリルLex系糖鎖や、シアリルLea系糖鎖を発現する癌細胞を有する肺癌患者では、血清E-セレクチン濃度は、予後と相関する。

 a).シアリルLea系抗原:CA19-9
 腫瘍マーカーのCA19-9(シー・エイ・ナインティーン・ナイン)は、シアリルLea抗原を測定する。
 シアリルLea抗原は、
一型糖鎖であり、構造は、NeuAcα2,3Galβ1,3(Fucα1,4)GlcNAcβ1,3Galβ1-R:血液型抗原のLewis A抗原(Lea)に、シアル酸転移酵素により、シアル酸(NeuAc)が2→3結合した構造をしている。
 シアリルLea抗原の合成には、基幹領域Galβ1→3GlcNAcガラクトースGal)に、先ず、ST酵素(シアル酸転移酵素、注1)により、シアル酸(NeuAc)を2→3結合させ、シアリルLec抗原(sLec:シアリルルイスc抗原:DUPAN-2)が形成される。次いで、シアリルLec抗原のGlcNAcに、Le酵素(ルイス抗原遺伝子酵素)により、フコース(Fuc)を1→4結合させて、シアリルLea抗原(CA19-9)が、合成される。

 腫瘍マーカーのCA19-9(シアリルLea抗原)は、膵癌、胆道系癌などで増加する:腫瘍マーカーのCA19-9の陽性率は、膵癌では、83%程度、胆道癌では、59%程度だが、胃癌では、27%程度。CA19-9は、腫瘍でない、膵炎や肝疾患でも、偽陽性に出る。
 腫瘍マーカーのCA19-9(Lea抗原にシアル酸が結合しシアリル化されている)は、ルイス抗原陽性の人(Lea抗原陽性の成人、及び、胎児)では、膵管、胆管、胆嚢上皮、胃腸上皮の一部の細胞膜に局在している。そして、CA19-9(シアリルLea抗原)は、本来、膵管、胆管を通り、消化管に排泄されている。
 腫瘍マーカーのCA19-9(シアリルLea抗原)は、(転移した)腫瘍から産生され、血中に増加する。癌化した細胞では、一型糖鎖合成の過程で、ガラクトース転移酵素の欠損や低下が起こり、細胞内に、Lewis A抗原(Lea糖鎖)が、大量に蓄積する。さらに、癌化した細胞では、シアル酸転移酵素が活性化され、CA19-9(シアリルLea抗原)が、大量に産生されると推定されている。CA19-9(シアリルLea抗原)は、悪性疾患では、産生が亢進している為、腫瘍細胞の細胞膜のみならず、細胞質にも瀰漫性に、検出される。
 また、CA19-9(シアリルLea抗原)は、腫瘍や炎症により、膵臓、胆道系が閉塞し、消化管へ排泄されず、(膵管、胆管の)内圧が上昇することによっても、血中に逸脱し、値が、上昇する。従って、CA19-9は、癌などの悪性疾患(悪性腫瘍)に限らず、慢性膵炎などの良性疾患でも、増加する。

 CA19-9の陽性率:食道癌0%、胃癌27%、大腸癌37%、肝細胞癌26%、胆道癌59%、膵癌83%、急性膵炎10%、慢性膵炎43%、急性肝炎7%、慢性肝炎11%、肝硬変13%、胆石症22%

 CA19-9は、血中半減期が、約12時間なので、外科的に腫瘍を摘出すれば、手術後1週間程度で、CA19-9値は、陰性化する。

 シアリルLea抗原の合成には、Le酵素が必要。Le酵素が欠損しているLe(a-b-)の人は、癌があっても、CA19-9値(シアリルLea抗原)は、上昇しない(ゼロになる)。しかし、Le(a-b-)の人は、癌があれば、CA19-9値(シアリルLea抗原)の前駆体である、シアリルLec抗原は、上昇し得るので、DUPAN-2の測定が有用であるDUPAN-2(シアリルLec抗原:sLec)は、CA19-9(シアリルLea抗原:sLea)の前駆体である。また、Le酵素が欠損しているLe(a-b-)の人は、CA19-9は、生成出来なくても、FUT6酵素により、SLX(シアリルLex糖鎖抗原)は、合成出来るので、肺癌などがあると、SLX値は、上昇する。
 Le(a-b+) の人(ルイスB抗原陽性の人)も、CA19-9の上昇が、悪い:Le(a-b+) の人は、ST酵素(シアル酸を結合させる酵素)と、Se酵素(フコースを結合させる酵素)とが、ゴルジ装置に共存しているので、同一の基質(前駆物質:Galβ1→3GlcNAc)を競合してしまい、CA19-9の生成量が、減少する。
 Le(a+b-)の人(ルイスA抗原陽性の人)は、Se酵素を有しないので、正常人でも、高いCA19-9値を示す。
 シアリルLea抗原糖鎖)は、消化器系の癌細胞に高頻度に発現して、血管内皮細胞のE-セレクチンと結合して、血行転移を促進させる。

 胃癌の腫瘍マーカーとしては、CA19-9、CEA、AFPが有用。

 b).シアリルLex系抗原:SLX、CSLEX、NCC-ST-439
 腫瘍マーカーのSLXは、シアリルLex-i抗原を測定する。
 シアリルLex抗原は、二型糖鎖であり、構造は、NeuAcα2,3Galβ1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1,3Galβ1-R:Lex抗原に、シアル酸(NeuAc)が2→3結合している。
 シアリルLex抗原系を測定する腫瘍マーカーには、SLX(シアリルLex-i抗原:シアリルSSEA-1:difucosyl Lex-1:FH-6抗体で認識する糖鎖構造)、CSLEX(シアリルLex抗原:sLex:sialyl Lewis x:CSLEX-1抗体で認識する糖鎖構造:乳癌の腫瘍マーカー)、NCC-ST-439(NCC-ST-439抗体で認識する糖鎖構造)、がある。
 SLX(シアリルLex-i抗原)は、sLex(sialyl Lewis x:シアリルLex抗原)に、さらに、GlcNAcが結合した構造をしている(上図を参照)。

 SLXは、癌細胞(腫瘍細胞)から産生される糖鎖(シアリルLex抗原)を、検出する腫瘍マーカー。
 分化した正常の腺上皮細胞では、合成されたシアリルLex抗原は、ABO式血液型物質や、ガラクトース(Gal)や、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)や、硫酸基などにより、多様な修飾を受け、多様な糖鎖を発現している。
 正常な上皮細胞では本来修飾される糖鎖が、癌化した上皮細胞では、修飾されない為、多様な糖鎖が、発現され
なくなる(糖鎖不全現象)。そうすると、癌化した上皮細胞は、前駆物質から、SLX(シアリルLex抗原)を、多く産生するようになり、血液中のSLX値が、増加する。
 正常の大腸粘膜上皮細胞には、硫酸基が結合したシアリルLex抗原(シリアル6-スルホLex抗原)が、有意に発現している。上皮細胞が癌化すると、硫酸基の結合していないシアリルLex抗原が、増加する。
 また、癌化に伴い、特定の糖鎖の発現が、増加する(新規糖鎖の発現誘導)。癌化に伴い、シアリルLex抗原の合成に関与するフコース転移酵素、特に、FUT4酵素(Fuc-T IV)、FUT7酵素(Fuc-T VII)の転写が増加し、シアリルLex抗原の合成が、増加する(注2)。

 SLXは、分化型腺癌で増加する。SLXは、進行肺腺癌(III期、IV期)では陽性率が高いが、I期、II期の早期肺腺癌では、陽性率は低い。SLXは、気管支拡張症など、良性肺疾患でも上昇する。
 SLXの陽性率:肺腺癌45%、胃癌13%、大腸癌20%、肝癌27%、胆道系癌36%、膵癌62%
 SLXやNCC-ST-439などシアリルLex系糖鎖は、癌の血行転移に関与する:癌細胞表面のシアリルLex系糖鎖は、セレクチンリガンドとして、血管内皮細胞のE-セレクチンと結合し、血管内皮細胞に接着し、転移巣を形成する。
 肺癌で、癌細胞がSLXの糖鎖を強く発現していると、予後が悪いと言う。

 シアリルLex抗原の合成には、Le酵素(FUT3酵素)か、FUT6酵素酵素が、必要(注3)。  
 シアリルLex糖鎖抗原のSLXは、構造は、SAα2,3Galβ1,4(Fucα1,4)GlcNAc-Rであり、ST酵素(シアル酸を結合させる酵素)と、Le酵素またはFUT6酵素(フコースを結合させる酵素)とにより、合成される。
 その為、Le酵素が欠損しているLe(a-b-)の人は、FUT6酵素により、シアリルLex抗原を合成出来る。Le(a-b-)の人は、SLX量(シアリルLex糖鎖抗原量)は、半減する。しかし、Le(a-b-)の人は、CA19-9と異なり、癌があると、SLX値は上昇する。しかも、SLX値が上昇する肺癌患者の予後は悪いと言う。
 表1 肺癌と腫瘍マーカー(陽性率:±<30%、+>30%、++>50%、+++>70%)
 腫瘍マーカー  扁平上皮癌  腺癌  小細胞癌  大細胞癌
 CEA   ++  +  +  +
 CYFRA  +++  +  +++  +++
 NSE  +  +  +++  −
 ProGRP  ±  ±  +++  +
 SCC  ++  ±  −  −
 SLX  ±  +(48%)  −  +

 肺癌では、SLXは腺癌で陽性になり、NSE(神経特異エノラーゼ)やProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)は小細胞癌(小細胞肺癌)で陽性になり、SCC(扁平上皮関連抗原)は扁平上皮癌で陽性になる。CYFRA21-1(サイトケラチン19フラグメント)は扁平上皮癌や腺癌で陽性になる。CYFRA21-1(シフラ:CK19F)は、小細胞癌(小細胞肺癌)でも陽性になる。
 NSEは、検体が溶血すると、赤血球内のγ-エノラーゼが放出される為、高値を示す。NSEを測定する際には、速やかに採血し、採血した後は、速やかに血清に分離し、血清を−20℃で凍結保存する。
 ProGRPは、ガスとリン放出ペプチド(GRP)の前駆体。ProGRPは、肺小細胞癌の補助診断、治療評価、経過観察に利用される。検体は、冷蔵保存か、冷凍保存する。
 表2 肺癌の代表的な腫瘍マーカーの診断精度(参考文献の関氏等の表1を引用)
 腫瘍マーカー  肺癌の診断能(%)  組織型別の正診率(%)
 感度  特異度  正診率  腺癌  扁平上皮癌  小細胞癌
 第一選択マーカー  CEA   47   89   68   59   41   52
 CYFRA   58   87   73   46   60   38
 ProGRP   27   97   62   37   42   91
 第二選択マーカー  NSE   32   94   63   40   57   73
 SLX   31   83   57   62   46   60
 SCC   27   93   60   52   76   63

 3.その他 
 H2受容体拮抗剤のシメチジン(Cimetidine)を、大腸癌の手術後に投与すると、シアリルLex抗原(SLX)やシアリルLea抗原(CA19-9)のレベルが高かった患者の生存率が、向上する(シメチジンが、セレクチンの血管内皮細胞での発現を抑制し、癌細胞の血管内皮細胞への接着を抑制し、癌転移を抑制する)。
 カルシウム拮抗剤(ベラパミル)は、ラット腸癌の転移を、抑制する(セレクチンは、細胞膜結合型C-型レクチンであり、シアリルLex抗原などのセレクチンリガンドと結合するには、カルシウムイオンが必要)。

 4.おまけ
 ・カルシウムを十分に摂取していると、大腸癌、乳癌、肺癌、前立腺癌、胃癌など、癌の発症を予防出来ると言う。
 大腸ポリープは、日本での日本人のポリープと、米国の米国人のポリープとでは、大きさや、癌化の程度などが、異なる。
 日本人の大腸ポリープは、小さなポリープ(直径4〜5mm程度の大きさ)でも、癌化していることがあり、より大きなポリープ(直径15〜20mm程度の大きさ)は、殆どが、癌化している。
 米国人の大腸ポリープは、より大きなポリープ(直径15〜20mm程度の大きさ)でも、癌化していることは少なく(日本人の5分の1程度)、さらに大きなポリープ(直径30〜60mm)でも、半数は、癌化していない(良性)。

 ・PSAは、前立腺の腺上皮から産生される糖蛋白。
 前立腺癌がある人は、血液中のPSA値が、微増〜著増(数千ng/ml以上)するので、PSAは腫瘍マーカーとして測定される。
 PSAは、良性の前立腺疾患(前立腺肥大や前立腺炎など)でも、微増〜100ng/ml程度にまで増加する。
 PSAは、α2-マクログロブリンと複合すると、血液中の寿命が短くなる。
 前立腺癌で、PSAが著増(数千ng/ml以上)すると、α2-マクログロブリンはPSAと複合し消費される為、血液中のα2-マクログロブリン値は著減する。

 ・前立腺癌は、脂肪摂取量が多いとなり易い。
 米国人は、日本人より、人口当たり、約8倍、前立腺癌になり易い(前立腺癌患者が多い)。
 同じ日本人では、ハワイやカリフォルニアに移住した日本人は、日本国内の日本人より、約5倍、前立腺癌になり易い。
 
 ・膵癌(膵臓癌)は、糖代謝に異常が生じ、膵臓から分泌されるインスリンレベルが上昇し発症すると考えられている。
 砂糖を添加した飲食物を多量に摂取すると、膵癌の発症リスクが増大する。
 膵癌の発症リスクは、ソフトドリンク、砂糖を添加した飲料(コーヒーなど)、液体フルーツの摂取により、それぞれ、90%、70%、50%程度、増大する。

 ・牛乳や乳製品の摂取は、乳癌の発症や、乳癌の再発・転移の原因となると言う(ジェイン・プラント等)。
 牛乳には、IGF-1(インスリン様成長因子I)や、女性ホルモンが含まれている。
 乳癌予防の食生活としては、乳製品(牛乳の肉を含む)の摂取を控え、大豆製品を多く摂り、新鮮な野菜・海草・果物を摂る事が大切だと言う。

 注1シアル酸を結合するST酵素は、β-ガラクトシドα2,3-シアリルトランスフェラーゼ遺伝子酵素(ST3Gal)。

 注2:LexCD15)の真の合成酵素は、FUC9酵素だと言われる。
 FUC9酵素は、白血球、腎尿細管上皮細胞、胃粘膜細胞、神経系細胞に、発現している。

 注3:シアリルLex抗原(sLex:SLX)の生成には、FUT3(Le酵素)、FUT4、FUT5、FUT6、FUT7が関与する。癌細胞では、FUT4やFUT7の遺伝子の転写が増加し、シアリルLex抗原(sLex:SLX)の発現が、増加する。また、シアリルLex抗原(sLex:SLX)は、胃腸由来の癌細胞においては、主に、FUT3とFUT6とにより合成されると言う。
 シアリルLea抗原(sLeaCA19-9)に生成には、FUT3(Le酵素)のみが関与する。
 参考文献
 ・腫瘍マーカー―その診断的意義と今後の展望 日本医師会雑誌 第131巻・第5号 2004年.
 ・渡邊弘之、澤武紀雄:CA19-9とCA50、日本医師会雑誌 第131巻・第5号 、619-623頁、2004年(平成16年).
 ・前川真人:CA19-9値のばらつき、日本醫事新報、No.4283、2006年5月27日号、86-87頁.
 ・新谷弘実:胃腸は語る−胃相腸相からみた健康・長寿法、弘文堂(平成10年初版、平成12年11刷).
 ・河合忠、水島裕:今日の臨床検査 2001/2002 (2001年、南江堂).
 ・鈴木啓一郎:NSE(神経特異性エノラーゼ)、最新 臨床検査のABC、日本医師会雑誌 第135巻・特別号(2)、生涯教育シリーズ−70、S373頁、平成18(2006)年10月.
 ・三木一正、爪田純久:ガストリン放出ペプチド前駆体(ProGRP)、最新 臨床検査のABC、日本医師会雑誌 第135巻・特別号(2)、生涯教育シリーズ−70、S376頁、平成18(2006)年10月.
 ・斉藤史郎:気になる前立腺がん 検査と治療 検査でわかること、きょうの健康、2005.4、84-87頁.
 ・砂糖添加飲食物の多量摂取と膵癌リスク増大に関連、Medical Tribune、Vol.40 No.4、2007年1月25日号、1頁.
 ・関順彦、江口研二:質疑応答 肺癌の腫瘍マーカーと精度、日本医事新報、No.4327(2007年3月31日)、88-89頁.
 ・乳がんと牛乳−がん細胞はなぜ消えたのか、ジェイン・ブラント著、佐藤章夫訳、径書房(2008年10月発行).

 |トップページ脂質と血栓の関係ミニ医学知識生化学の知識医学の話題小児科疾患生命の不思議リンク集