流行性耳下腺炎(おたふくかぜ、ムンプス)
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は、ムンプスウイルスにより、耳下腺(耳の下の部位)、顎下腺(あごの下の部位)が腫れて、痛くなる病気です。
かかり始めの時期は、安静にして、酸味、辛味、強い甘味のある食物はさけて、やわらかい食物を食べさせましょう。熱がなければ、シャワー浴ぐらいは、良いでしょう。
普通、7〜10日間でなおります。時に(3%程度の人)、髄膜炎や脳炎を併発することがありますので、頭がひどく痛み、吐いたりする時は、再び、再診させて下さい。一側性の耳に永続性難聴(ムンプス聾)を残すことが、稀(2万人に1人程度)にありますので、家庭でも、片側の耳のそばで指を擦って、音が聞こえているか、調べて下さい。
ウイルスは、発病1日前から、腫れが消失するまで(発病9日後)の間、感染力があります。他の人に感染させないためにも、はれがひけるまで、保育園、幼稚園、学校は、休ませて下さい。流行性耳下腺炎は、学校などは、出席停止の扱いになります(学校保健法第ニ種の疾患)ので、担任の先生に報告して、「登校許可証明書」をもらって来て下さい。
ウイルスに感染すると、約18日後に発症しますが、不顕性感染と言って、症状が出ないこともあります(約30%の人)。
なお、流行性耳下腺炎は、予防接種で予防出来ます。有効率は95%以上で、副作用は、ほとんどありません。詳しくは、受付けで、御尋ね下さい。
(2006年版:禁無断転載)
平成24年(2012年)3月30日追記:学校保健法は、2009年(平成21年)4月1日から、学校保健安全法と改称された。
おたふくかぜは、発症10日以降は、腫れが存続しても、感染力は無いと見なされる。
平成24年4月1日からは、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)に罹った場合、出席停止期間は、現行の「耳下腺の腫れが消えるまで」から、「腫れが出た後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで」に変更される。
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