Oisix(おいしっくす) 29image/234x60_1.gif DHCオンラインショップ

 血小板凝集能の検査

 ケガなどで血管が破れると、血液中の血小板は、傷口で活性化され、粘着し、凝集し、血小板の塊を作って、止血しようとします。
 
 血小板凝集能は、血小板の浮遊液(platelet rich plasma)に、凝集を惹起させる物質(ADP、エピネフリン、コラーゲン、アラキドン酸など)を加え、吸光度(透光度、透過率)の変化を測定する方法が、用いられて来ました。
 従来の
吸光度で血小板凝集能を調べる検査法では、血小板の大きな凝集塊を検出できるが、血小板がわずかに活性化されて生じる、小さな凝集塊を検出できないとされています。
 つまり、弱い血小板凝集能の亢進状態があるかを、評価できなかった訳です。

 最近、山梨医科大学の尾崎由基男教授が研究されている、
散乱光を用いた血小板凝集能測定計では、形成された、血小板2〜10個からなる、小さな凝集塊も検出できるそうです。
 この
散乱光法による測定の結果、脳梗塞や心筋梗塞や糖尿病の患者さんでは、血小板凝集能が亢進していることが判明したとのことです。
 また、高脂肪血症や高血糖や喫煙によって、血小板凝集能は、亢進するそうです。

 血小板凝集能は、夜間から早朝にかけて、亢進する傾向があります。
 これは、心筋梗塞や脳卒中の発作が、早朝から起床後3時間以内に多い原因と考えられます(注1)。

 脳梗塞や心筋梗塞の患者さんで亢進している血小板凝集能と、血液中や体内のの脂質、特に、過酸化脂質との関係が明らかになれば、食事などを通した血栓形成の予防が可能と思われます。

 注1:脳梗塞は、明け方の午前4時〜6時と、夕方の午後4時〜6時の時間帯に多く発病し、心筋梗塞は、早朝未明の時間帯に多く発病すると言われます。

 |トップページ脂質と血栓の関係ミニ医学知識生化学の知識医学の話題小児科疾患生命の不思議リンク集