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 高コレステロール血症は、本当に心筋梗塞の危険因子か?

 近年の研究で、心筋梗塞は、冠動脈の動脈硬化に出来たプラーク(粥腫:ジュクシュ)が破綻し、血栓が出来て、冠動脈が閉塞して起きることが、判明しました。
 従って、動脈硬化の原因となる高コレステロール血症を治療することの必要性が言われて来ました。
 
 しかし、「高脂血症の治療をしても、期待したほどの効果が上がっていない」と言う、医療現場の声があります。
 「
血清総コレステロール値と冠動脈疾患の発症は相関しない」という報告もあります。
 また、「
心筋梗塞の患者さんの二人に一人は、血清脂質は正常だ」と言われています。
  
 冠動脈の粥状硬化は、若年から始まり、年齢を重ねるに連れて徐々に進行して血管内腔を狭まくし、高度に狭くなった時に心筋梗塞が起こりやすいと考えられて来ました。
 しかし、心筋梗塞を発病する前に冠動脈の造影検査をした患者さんを検討した結果、心筋梗塞は、むしろ、有意に狭くなっていない冠動脈から発生することが多いことが、判明しました。

 急性心筋梗塞発症前の冠動脈狭窄度を調べた研究結果によりますと、心筋梗塞を発症した患者さんの90%近くは、冠動脈の狭窄度が、75%以下でした。なお、冠動脈の狭窄度が80%以上で、狭心症の症状が出ると言われます。心筋梗塞を発症した患者さんの内、以前から、狭心症の症状があったり、運動負荷心電図で異常な変化が見られた人は、10%以下と言われます。ですから、多くの患者さんは、何の前兆もなく、ある日、突然、心筋梗塞を発症しています。
 冠動脈の狭窄度が、75%を越えると、階段の昇り降りや、急ぎ足で歩いた際などに、心筋が必要とする酸素や栄養が不足して、労作狭心症の発作(独特の胸痛など)が起ります。また、睡眠中(午前3時〜4時)や、飲酒時などに、安静狭心症の発作が起ります

 心筋梗塞は、高脂血症によるプラークの形成と、プラークの破綻による血栓形成という、二つの要素で、発病します。
 心筋梗塞や脳卒中の発作は、早朝から起床後3時間以内に多いと言われます。
 これは、血小板凝集能が、夜間から早朝にかけて、亢進する傾向があることと、関連があると考えられます。
 総コレステロール値は、低過ぎると、寿命が短くなります(注1):70歳以上の老人を、15年間調査した結果では、総コレステロール値が220mg/dl以上の群の老人は、死亡率が高く、総コレステロール値が160〜219mg/dlの群の老人が、一番、死亡率が低かったのですが、総コレステロール値が160mg/dl未満の群の老人は、死亡率が却って、高い傾向にありました。

 なお、いったん形成された動脈硬化は、高脂血症などの危険因子を軽減すると、プラークの大きさが、縮小(退縮)することが、血管撮影でも、確認されています。

 
Ca拮抗薬(Ca++-antagonist)は、殆んど完全に、動脈硬化(粥状硬化)の発生を抑制すると言われます。
 ニフェジピン、ニカルジピンなどのCa拮抗薬(カルシウム拮抗薬)は、冠動脈の新しいアテローム性動脈硬化病変の形成や、早期病変の進行を予防し、動脈硬化の進行を予防します。しかし、ニフェジピンは、新しい病変の形成(発症)を予防するが、既に形成されていた病変には、影響しません。

 冠動脈の動脈硬化性の狭窄がなくても、喫煙やストレスは、Rho-キナーゼを活性化させ、異型狭心症(冠攣縮性狭心症)を引き起こします。
 血液中にレムナントが増加すると、Rho-キナーゼを活性化させ、異型狭心症(冠攣縮性狭心症)を引き起こします。
 NOは、血管を拡張させ、異型狭心症(冠攣縮性狭心症)を予防します。
 EPAは、NOの産生を増加させ、異型狭心症(冠攣縮性狭心症)を予防します。

 次の、「本当に危険なのは、酸化LDL」の項で、コレステロールよりも危険因子と思われる、酸化LDLについて、述べます。
 注1:脂肪摂取を控えたり、プロテインスコアが低い食餌をしていると、血管がもろく、脳出血による脳卒中に罹るリスクが、高くなると考えられます。

 参考文献
 ・臨床医のための動脈硬化症 成因と診療のポイント:日本医師会雑誌臨時増刊 Vol.108 No.11(1992年).
 ・Gotto AM: Calcium channel blockers and the prevention of atherosclerosis. Am J Hypertens 1990; 3: 342S-6S.
 ・Waters D, et al: A controlled clinical trial to assess the effect of a calcium channel blocker on the progression of coronary atherosclerosis. Circulation 1990; 82: 1940-53.
 ・葛谷文男:高脂血症 2.薬物療法 臨床医 8: 108-110, 1982.

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