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 CYP

 CYP(シトクロムP450:Cytochrome P450)は、水酸化酵素であり、肝臓において薬物の代謝(解毒)を行う。
 CYPは、ステロイドホルモンの生合成、脂肪酸の代謝などにも関与する。
 CYP(シトクロムP450)は、細胞内の小胞体に多く存在するが、ミトコンドリアにも一部存在する。
 カルシウム拮抗剤などは、グレープフルーツジュース(グレープフルーツ果汁)を一緒に飲むと、CYP3A4の活性が阻害され、副作用が増強することがある(降圧剤などの血中濃度が上昇する)。グレープフルーツジュースの成分(フラノクマリン類)は、小腸上皮細胞のCYP3A4の活性を阻害し、代謝(分解)されないで吸収される薬剤(カルシウム拮抗薬など)の量を増加させ、血中濃度を上昇させてしまう。

 肝臓での薬物代謝反応は、第1相反応は、酸化、還元、水酸化、加水分解が行われる。シトクロムP450(Cytochrome P450:CYP) は、水酸化酵素ファミリーの総称。CYPは、薬物代謝の90%に関与する。CYPは、肝臓以外に、消化管にも存在する。
 第2相反応は、グルクロン酸抱合や硫酸抱合が行われ、薬物の極性基が、グルクロン酸や硫酸と結合し、薬物が水溶性を増して、体外に排泄され易い形に変換する。

 CYPは、CYP1、CYP2、CYP3、CYP4ファミリーに分類される。
 CYP1A2は、テオフィリン(70%以上)、アセトアミノフェン、オンダンセトロンの代謝に関与する。キノロン系薬剤は、CYP1A2の活性を阻害する。
 CYP2C9は、ジクロフェナック、インドメサシン、フェニトイン(70%以上)の代謝に関与する。フェニトインは、CYP2C9、CYP2C19の活性を誘導する。ST号剤は、CYP2C9の活性を阻害する。
 CYP2C19は、ジアゼパム、オメプラゾール(80%以上)の代謝に関与する。主にCYP2C19で代謝される薬剤には、抗潰瘍薬(PPI)のオメプラゾール(医薬品名:オメプラール)、ランソプラゾール(医薬品名;タケプロン)、抗うつ剤のイミプラミン(医薬品名:トフラニール)、クロミプラミン(医薬品名:アナフラニール)、その他、フェニトイン(医薬品名:アレビアチン)、ジアゼパム(医薬品名:セルシン)、ボリコナゾール(医薬品名:ブイフェンド)がある。ジアゼパム(医薬品名:ダイアップ坐剤)を小児に1回0.5mg/kgを直腸内投与した時の平均最高血中濃度は379ng/mL、平均最高血中濃度到達時間は1.5時間、平均消失半減期は32.8時間。ジアゼパム(医薬品名:ホリゾン注射液10mg)を静脈内投与した場合、分布相の半減期は20.4〜60分、消失相の半減期は9〜96時間。
 CYP2E1は、テオフィリン、アセトアミノフェン、トリメタジオンの代謝に関与する。
 CYP3A4は、エリスロマイシン、イトラコナゾール等によって、阻害される。また、CYP3A4は、リファンピシン、カルバマゼピン、デキサメタゾン、フェニトイン、フェノバルビタール等によって誘導される。
 CYP3A4は、全CYPの約30〜50%を占め、肝臓や腸に存在し、多くの物質の代謝に関与している。CYP3A4は、抗菌薬のエリスロマイシン、クラリスロマイシン、向精神薬のジアゼパム (セルシン、ホリゾン)、アルプラゾラム (ソラナックス、コンスタン)、トリアゾラム (ハルシオン)、ゾルピデム (マイスリー)、ミダゾラム (ドルミカム)、抗痙攣薬のカルバマゼピン (テグレトール)、降圧剤のニフェジピン (アダラート)、ベニジピン (コニール)、スタチン(高コレステロール血症治療薬)のアトルバスタチン (リピトール)、シンバスタチン (リポバス)、抗アレルギー薬のアバラスタチン (アゼプチン)、クロルフェニラミン (ポララミン)、テルフェナジン (トリルダン)、泌尿器用薬のタムスロシン (ハルナール)、プロビペジン (バップフォー)、副腎皮質ホルモン、その他、ワーファリン、シクロスポリンなどの薬剤の代謝に関与する。
 CYP3A4の作用を阻害する薬剤としては、抗菌薬のエリスロマイシン (エリスロシン)、クラリスロマイシン (クラリス、クラリシッド)、ノルフロキサシン (バクシダール)、シプロフロキサシン (シプロキサン)、向精神薬のフルボキサミン (デプロメール、ルボックス)、循環器用剤のジルチアゼム (ヘルベッサ)、ベラパミル (ワソラン)、消化器用剤のシメチジン (タガメット)、グレープフルーツジュースが知られている。
 CYP3A4の作用を誘導する薬剤には、抗菌薬のリファンシピリン (リファジン、リマクタン)、抗痙攣薬のカルバマゼピン (テグレトール)、フェノバルビタール (フェノバール)、フェニトイン (アレビアチン、ヒダントール)がある。
 各種薬剤とCYP代謝
   商品名  一般名  CYP代謝  CYP阻害
 スタチン  クレストール錠  ロスバスタチン  (CYP2C9)  
 メバロチン錠  プラバスタチン  -  
 リバロ錠  ピタバスタチン  (CYP2C9)  
 リピトール錠  アトルバスタチン  CYP3A4  
 リポバス錠  シンバスタチン  CYP3A4  
 ローコール  フルバスタチン  CYP2C9  
 PPI  パリエット  ラベプラゾール  CYP2C19、CYP3A4  
 オメプラゾン  オメプラゾール  CYP2C19、一部CYP3A4  
 向精神薬  セルシン錠  ジアゼパム  CYP2B、CYP2C9/19、CYP3A4/5
 デパス錠  エチゾラム  CYP2C9、CYP3A4  
 ハルシオン錠  トリアゾラム  CYP3A4  
 マイスリー錠  ゾルピデム酒石酸塩  CYP3A4、CYP2C9、CYP1A2  
 アモバン錠  ゾビクロン
 CYP3A4、一部CYP2C8
 
 デプロメール錠  フルボキサミンマレイン酸  CYP2D6  CYP1A2、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4
 パキシル錠  パロキセチン塩酸塩  CYP2D6  CYP2D6
 デパケン錠  バルプロ酸  (グルクロン酸抱合)  CYP2C9
 アリセプト錠  ドネペジル塩酸塩  CYP3A4、CYP2D6  
 トリプタン製剤  アマージ錠  ナラトリプタン  CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4/5等  
 抗菌薬  シプロキサン錠  シプロフロキサシン    CYP1A2
 クラリシッド錠  クラリスロマイシン  CYP3A4  
 イトリゾール  イトラコナゾール  CYP3A4  
 抗アレルギー薬  キプレス錠  モンテルカスト  CYP3A4、CYP2C9  
 降圧剤  アダラートCR錠  ニフェジピン  CYP3A4  
 コニール  ベニジピン  CYP3A4  
 ディオバン錠  バルサルタン  CYP2C9  
 ブロプレス錠  カンデサルタン  CYP2C9  (a
 ミカルディス  テルミサルタン  -  
 前立腺肥大症  ユリーフ  シロドシン  CYP3A4(   
 経口糖尿病薬  グルファスト錠  ミチグリニドカルシウム  CYP2C9  
 アマリール錠  グリメピリド  CYP2C9  
 アクトス錠  ピオグリタゾン  CYP1A1/2、CYP2C8/9/19、CYP2D6、CYP3A4  
 NSAIDs  モービック錠  メロキシカム  CYP2C9、CYP3A4  
 コカール錠  アセトアミノフェン  CYP1A2、CYP2E1、CYP3A4  
 a:カンデサルタンは、CYP1A1、1A2、2A6、2B6、2C8、2C9-Arg、2C19、2D6、2E1、3A4の代謝活性を阻害しない。
 b:シロドシンは、主としてチトクロームP450 3A4(CYP3A4)、UDP-グルクロン酸転移酵素、アルコール脱水素酵素(ADH)、及び、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)により代謝される。CYP3A4活性を強力に阻害する薬剤と併用すると、シロドシンの代謝が阻害され、血漿中濃度が上昇するおそれがある。

 ・降圧剤
 
降圧剤のニフェジピン(商品名:アダラートCR錠)は、主にチトクロームP-450 3A4(CYP3A4)により代謝される。

 ペニジピン(商品名:コニール錠)は、主としてCYP3A4により代謝される。 

 バルサルタン(商品名:ディオバン錠)は、80mgを空腹時単回経口投与すると、8時間後の血漿中には、主として未変化体が存在するが、その他に、代謝物として4-ヒドロキシ体(主としてCYP2C9が関与)が認められる。

 カンデサルタン シレキセチル(商品名:ブロプレス錠)は、カルボキシルエステラーゼにより活性代謝物カンデサルタンに代謝され、さらに一部がCYP2C9により非活性代謝物M-IIに代謝されると言われる。また、カンデサルタンは、CYP1A1、1A2、2A6、2B6、2C8、2C9-Arg、2C19、2D6、2E1、3A4の代謝活性を阻害しない。

 テルミサルタン(商品名:ミカルディス錠)は、CYPの影響を受けない(代謝を受けない)。

 トラセミド(商品名:ルプラック錠)の添付文書には、CYPの記載がない。

 ・スタチン

 日本で販売されている主なスタチン系薬剤(HMG-CoA還元酵素阻害剤)
 商品名  一般名  剤形  1日投与方法  用量  CYP代謝  製造製薬会社  販売会社
 クレストール錠  ロスバスタチン  2.5mg  1回  2.5〜5mg  (CYP2C9  塩野義製薬株式会社  アストラゼネカ株式会社
 メバロチン錠  プラバスタチン  5mg、10mg  1回又は2回  10mg  -  三共株式会社  三共株式会社
 リバロ錠  ピタバスタチン  1mg、2mg  1回(夕食後)  1〜2mg  (CYP2C9)  興和株式会社  三共株式会社
 リピトール錠  アトルバスタチン  5mg、10mg  1回  10mg  CYP3A4  アステラス製薬株式会社  ファイザー株式会社
 リポバス錠  シンバスタチン  5mg  1回  5mg  CYP3A4  萬有製薬株式会社  萬有製薬株式会社
 ローコール  フルバスタチン  10mg、20mg  1回(夕食後)  20mg  CYP2C9  ノバルティス ファーマ株式会社  田辺製薬株式会社

 プラバスタンチンナトリウム(薬剤名:メバロチン)は、水溶性で、チトクロームP450(CYP:シップ)による代謝を受けない。
 ロスバスタチン(薬剤名:クレストール)によるP450活性(CYP活性)の阻害率は10%以下:ロスバスタチンのN-脱メチル化に関与する主なP450分子種は、CYP2C9及びCYP2C19であるが、CYP2D6やCYP3A4が関与する可能性も示唆されている。ロスバスタチン(50μg/mL)によるP450(CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4)活性の阻害率、は10%以下と言われる。
 ピタバスタチン(薬剤名:リバロ)は、CYPによる代謝を殆ど受けない(CYP2C9でわずかに代謝を受ける)。ピタバスタチンカルシウムは、ヒト肝ミクロゾームを用いた代謝試験において僅かにに代謝され、主にCYP2C9により8位水酸化体を生じたと言われる。ピタバスタチン(薬剤名:リバロ)は、脂溶性で糞便中に排泄される。健康成人男子ににピタバスタチンカルシウムを単回経口投与した時、尿中排泄率は低い(未変化体で0.6%未満、ラクトン体で1.3%未満)、合計でも2%未満であった。また、1日1回7日間反復経口投与した時、未変化体及びラクトン体の尿中排泄量は、投与終了と共に速やかに減少した。健康成人にピタバスタチンカルシウムを空腹時に単回経口投与した時、血漿中には、主に未変化体と主代謝物であるラクトン体が現れる。照)のとおりである。ピタバスタチン(薬剤名:リバロ)単回投与時のTmaxは、空腹時0.8時間、食後1.8時間。ピタバスタチン(薬剤名:リバロ)を1日1回朝食後に7日間反復経口投与した時、血中半減期(T1/2)は、投与7日目11.6時間(投与1日目の血中半減期は10.5時間。なお、Tmaxは投与1日目1.7時間、投与7日目1.1時間)。

 ベザフィブラート(商品名:ベザトールSR錠)の添付文書には、CYPの記載はない。

 ・向精神薬
 フルボキサミンマレイン酸塩(商品名:デプロメール錠)は、肝薬物代謝酵素CYP2D6により代謝される。また、本剤は、肝薬物代謝酵素のうちCYP1A2、CYP3A4、CYP2D6、CYP2C19を阻害し、特にCYP1A2の阻害作用は強いと考えられている。
 クラリスロマイシン(商品名:クラリシッド錠200)は、肝代謝酵素CYP3A4阻害作用を有するため、CYP3A4で代謝される薬剤と併用すると、併用薬剤の代謝が阻害されて、血中濃度が上昇する可能性がある。また、本剤は、CYP3A4によって代謝されるため、CYP3A4を阻害する薬剤と併用すると、本剤の代謝が阻害され未変化体の血中濃度が上昇する可能性がある(デプロメール錠内服中の患者にクラリシッド錠を投与すると、クラリスロマイシンの血中濃度が上昇するおそれがある)。また、クラリスロマイシンを、CYP3A4を誘導する薬剤と併用すると、本剤の代謝が促進され、未変化体の血中濃度が低下する可能性がある。

 CYP3A4は、ベンゾジアゼピン系の薬剤である、トリアゾラム(商品名:ハルシオン錠)やミダゾラム(商品名:ドルミカム注射液 10mgなど)の代謝に関与する。ドルミカムは、呼吸や循環の抑制が少ないと言う。

 イトラコナゾール(商品名:イトリゾールカプセル50)は、肝チトクロームP450 3A4(CYP3A4)と親和性を有するため、CYP3A4で代謝される薬剤(ハルシオン、リポバス、ニフェジピン、カルブロックなど)の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。

 エチゾラム錠(商品名:デパス錠)は、肝代謝酵素CYP2C9及びCYP3A4により代謝される。

 ゾルピデム酒石酸塩(商品名:マイスリー錠)は、主にCYP3A4で代謝されるが、一部CYP2C9、CYP1A2でも代謝される。リファンピシンは、薬物代謝酵素CYP3A4を誘導し、ゾルピデム酒石酸塩(商品名:マイスリー錠)の代謝が促進され、血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。

 ゾビクロン(商品名:アモバン錠)は、主に薬物代謝酵素CYP3A4により代謝され、一部CYP2C8により代謝される。ゾピクロンは、体内で代謝され、2種類の主代謝物(N‐desmethyl体及びN‐oxide体)が生成される。CYP3A4は、両代謝物の生成に、また、CYP2C8は、N‐desmethyl体の生成に関与している。

 パロキセチン塩酸塩水和物(商品名:パキシル錠)は、肝臓で、主に、CYP2D6により代謝される。また、パロキセチン塩酸塩水和物は、CYP2D6の阻害作用を有する(拮抗阻害)。
 パロキセチン塩酸塩水和物は、うつ病・うつ病には、通常、成人は1日1回夕食後、20〜40mgを内服させる。
 
 ロラゼパム錠(商品名:ワイパックス錠)の添付文書には、CYPに関する記載はない。

 ドネペジル塩酸塩(商品名:アリセプト錠)は、主として薬物代謝酵素CYP3A4により代謝され、一部CYP2D6により代謝される。N‐脱アルキル化反応には、主としてCYP3A4が、また、O‐脱メチル化反応には主としてCYP2D6が関与している。 

 ・抗菌薬
 シプロフロキサシン(商品名:シプロキサン錠)は、CYP1A2を阻害する(CYP1A2で代謝される薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させるおそれがある)。

 イトラコナゾールは、肝臓のチトクロームP450 3A4(CYP3A4)と親和性を有してるので、CYP3A4で代謝される薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。
 トリアゾラム(ハルシオン)は、イトラコナゾールカプセル(イトリゾールカプセル)と併用してはならない。イトラコナゾールは、トリアゾラム(ハルシオン)以外に、シンバスタチン(リポバス)、アゼルニジピン(カルブロック)、ニソルジピン(バイミカード)、エルゴタミン(カフェルゴット等)、ジヒドロエルゴタミン(ジヒデルゴット)等との併用は、禁忌と言われる。
 イトラコナゾールは、ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤(ニフェジピン、ニルバジピン、フェロジピン等)、アトルバスタチン(リピトール)、エバスチン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ジゴキシン、カルバマゼピン、ワルファリンとの併用は、注意して行い、併用する場合には必要に応じて、投与量を減量するなど用量に注意する。イトラコナゾールは、併用すると、プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール等)の血中濃度を低下させるおそれがある。
 ゾルピデム(マイスリー)も、主として肝薬物代謝酵素CYP3A4(及び一部CYP2C9、CYP1A2)により代謝される(イトリゾールとの併用は注意)。

 アシクロビル(商品名:ゾビラックス錠)やバラシクロビル塩酸塩(商品名:バルトレックス錠)の添付文書に、CYPに関する記載はない。

 抗インフルエンザウイルス薬のオセルタミビルリン酸塩(商品名:タミフル)は、CYPにより代謝されることもないし、CYPの活性に影響を与えることもない(オレンジジュースに溶かして内服させても、問題がない)。

 ・PPI
 PPIのラベプラゾールナトリウム(商品名:パリエット錠)は、肝代謝酵素CYP2C19及びCYP3A4で代謝を受ける。ラベプラゾールナトリウムは、CYP2C19が関与する脱メチル化反応により脱メチル体に、CYP3A4が関与するスルホン化反応によりスルホン体(スルフォン体)に、代謝されるが、大部分は、酸化還元反応により非酵素的にチオエーテル体に、代謝される。
 ラベプラゾールナトリウム(商品名:パリエット錠)は、非酵素的に代謝されるので、併用薬剤の血中濃度に影響を与えない(酵素による代謝競合を起こし難い)。
 類薬(オメプラゾール)で、CYP2C19への代謝競合により相互作用が認められているジアゼパム、ワルファリン(R−ワルファリン)に対して、ラベプラゾールナトリウム(商品名:パリエット錠)は、これらの薬剤の血中濃度に影響を与えない。
 ラベプラゾールナトリウム(商品名:パリエット錠)20mgを内服させた場合、血中の半減期は、絶食下3.6±0.5時間、食後5.3±1.4時間。

 オメプラゾールやエソメタプラゾールは、主に、CYP2C19(やCYP3A4)により、水酸化体に代謝される。オメプラゾールやエソメタプラゾールは、CYP2C19により脱メチル体に代謝される。
 オメプラゾールやエソメタプラゾールは、CYP3A4により、水酸化体やスルフィド体やスルフォン体に、代謝される。さらに、特に、スルフォン体はCYP2C19は水酸化スルフォン体に代謝され、また、水酸化体はCYP3A4により水酸化スルフォン体に代謝される。
 
 ランソプラゾール(商品名:タケプロン)は、CYP2C19とCYP3A4により代謝を受ける。
 ランソプラゾール(商品名:タケプロン)は、CYP2C19(やCYP3A4)により水酸化体に代謝される。
 ランソプラゾール(商品名:タケプロン)は、CYP3A4によりスルフィド体やスルフォン体に代謝される。
 ランソプラゾール(商品名:タケプロン)は、ジアゼパムやワルファリンの血中濃度を上昇させるおそれがある。

 ファモチジン(商品名:ガスターD錠10mg)の添付文書には、CYPの記載はない。

 ・経口糖尿病薬 
 経口糖尿病薬のミチグリニドカルシウム水和物錠(商品名:グルファスト錠)は、ヒトにおいて肝臓及び腎臓で代謝され、グルクロン酸抱合体は主に薬物代謝酵素のUGT1A9及び1A3により、ヒドロキシ体は主にCYP2C9により生成される。

 グリメピリド(アマリール錠)は、主に肝代謝酵素CYP2C9の関与により、シクロヘキシル環メチル基の水酸化を受ける。ミコナゾールは、同じ代謝に関与するCYP2Cを阻害するので、グリメピリドの血糖低下作用を増強させてしまう。
 ミグリトール(セイブル錠)は、ヒトチトクロームP450分子種(CYP1A1、CYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4)の代謝活性を阻害しない。

 ピオグリタゾン(商品名:アクトス錠)の代謝には、チトクロームP450のCYP1A1、CYP1A2、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4の複数の分子種が関与している。また、ピオグリタゾンはヒトチトクロームP450分子種発現ミクロソームの代謝活性に対して、CYP1A1、CYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4にほとんど影響を与えないとされる。
 ピオグリタゾン(商品名:アクトス錠)は、リファンピシンと併用すると、ピオグリタゾンのAUCが54%低下する(CYP2C8が誘導される)。リファンピシンは、CYP3A4を誘導する。

 ・抗アレルギー剤
 セチリジン塩酸塩(商品名:ジルテック錠)や、エピナスチン塩酸塩(商品名:アレジオン錠)の添付文書には、CYPの記載がない。

 モンテルカスト(商品名:キプレス錠)は、主としてCYP3A4及びCYP2C9により代謝される。
 モンテルカストはCYP3A4、CYP2C9、CYP1A2、CYP2A6、CYP2C19又はCYP2D6を阻害しない。モンテルカストは、in vitro試験ではCYP2C8を阻害することが示されたが、in vivoでは、ロシグリタゾン(主にCYP2C8で代謝される薬剤)を用いた試験で、CYP2C8を阻害しないことが示されている。
 
 ・NSAIDs 
 NSAIDsのメロキシカム(商品名:モービック錠)は、主に肝臓のチトクロームP-450のCYP2C9により代謝されるが、部分的にCYP3A4によっても代謝される。

 ロキソプロフェンナトリウム水和物(ロキソニン錠)は、最高血漿中濃度の約10倍の濃度(200μM)でも、チトクロームP450各分子種(CYP1A1/2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8/9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4)の基質となる種々薬物の代謝に対して影響を与えない(ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro 代謝阻害試験の結果)。

 アセトアミノフェン(商品名:コカール錠200)は、アルコール常飲によりCYP2E1が誘導されると、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。アセトアミノフェンは、CYP2E1の他、CYP1A2、CYP3A4によっても代謝されると言う。

 アスピリンの添付文書には、CYPの記載がない。
 インドメサシンファンネル製剤(インフリーカプセル)には、CYPの記載がない。

 ・トリプタン製剤(片頭痛発作治療薬)
 片頭痛(偏頭痛)の治療に用いられるトリプタン製剤は、CYPの代謝を受ける薬剤が多い。
 トリプタンの比較(参考文献の竹島多賀夫氏らの表1や添付文書などを参考に作成) 
 一般名  スマトリプタン  エレトリプタン  リザトリプタン  ゾルミトリプタン  ナラトリプタン
 医薬品名  イミグラン錠50  レルパックス錠20mg  マクサルト錠10mg  ゾーミッグ錠2.5mg  アマージ錠2.5mg
 投与量(1回)  50mg  20mg  10mg  2.5mg  2.5mg
 追加投与まで必要な間隔  2時間以上  2時間以上  2時間以上  2時間以上  4時間以上 
 最高投与量(日)  200mg  40mg  20mg  10mg  5mg
 半減期(hr)  2.0  3.2  1.6  3.0  5.0〜6.3
 最高血中濃度
到着時間(hr)
 発作中  2.5  2.8  1.0  4.0  −
 非発作時  2.0  1.4〜1.8  1.0  1.8〜2.5  2.0〜3.0
 代謝  CYP  −  CYP3A4  c)  CYP1A2d)  CYP3A4等e)
 MAO  MAO-A  −  MAO-Ac)  MAO-Ad)  −e)
 排泄  尿中  約40%a)  44.5%b)  82.4%c)  60%以上  約50%e)
 糞中  −  45.0%  11.5%c)  約30%  −
 生物学的利用率(経口投与・%)  14  50  40  40  63〜74
 副作用  喉や頚部の締め付け感、めまい感、悪心・嘔吐  痙攣、WPW症候群の発作性頻脈の誘発   痙攣、WPW症候群の発作性頻脈の誘発  胸痛、胸部圧迫感(虚血性心疾患の誘発)、眠気  悪心、嘔吐、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の誘発 
 特徴  切れ味が良く有用性が高い、点鼻液や注射液もあり  副作用が少ない
 有効性が高い
 脂溶性が高い、中枢性服作用(眠気、めまい)多い  作用時間(半減期)が長い
  
 a):スマトリプタン50mg及び100mgを、健康成人男性に、単回経口投与した場合、投与24時間後までに、未変化体が約2%、インドール酢酸体が約40%、尿中に排泄された。
 b):尿中に、未変化体は投与量の6%、N-脱メチル体(活性代謝物)は投与量の2%認められる。
 c):リザトリプタンは、主に、A型モノアミン酸化酵素(MAO-A:monoamine oxidases, MAO, EC番号 1.4.3.4)により酸化的脱アミノ化を受け、薬理学的に不活性なインドール酢酸体が生成される。リザトリプタンは、ヒトの肝臓の各種CYP(肝チトクロムP450各分子種:CYP3A4/5、1A2、2C9、2C19、2E1)のマーカー活性を阻害しないが、CYP2D6に対しては、競合的に阻害する(Ki=1400 nmol/L)。14C標識リザトリプタン10 mgを用いて健康成人を対象して行った実験結果では、14C標識リザトリプタン10 mgを単回経口投与した後、放射能活性で測定すると、投与5日後までに、82.4%が尿中に、11.5%が糞便中に排泄される。なお、投与量の約14%は未変化体として、51%はインドール酢酸代謝物として尿中に排泄された。
 d):ゾルミトリプタンは、主として肝臓に於いてCYP1A2により活性代謝物に代謝され、更に、A型モノアミン酸化酵素(MAO-A)により不活性代謝物に代謝され、尿中及び糞中に排泄される。主な代謝物は、N-脱メチル体、N-酸化体、インドール酢酸体(血漿中及び尿中の主代謝物)の3種。ゾルミトリプタン25mgを、単回経口投与した場合、投与量の60%以上が尿中に排泄され(主にインドール酢酸体)、約30%が糞中に排泄される(主に未変化体)。
 e):ナラトリプタンは、CYP1A2、CYP2C9、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4/5などの複数のCYP分子種で代謝される。ナラトリプタンは、各CYP分子種(CYP1A1、CYP1A2、CYP2A6、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4/5)の代謝活性を阻害しない。ナラトリプタンは、モノアミンオキシダーゼ(A型及びB型)の代謝活性を阻害しない。ナラトリプタン2.5mgを、健康成人男性に、空腹時に単回経口投与した場合、投与24時間後までに、投与量の約50%が未変化体として尿中に排泄された。

 参考文献
 ・竹島多賀夫、佐久間研司、中島健二:特集 頭痛診療の進歩と展開 トリプタンの使い方と注意点、日本医師会雑誌、第136巻・第11号、平成20(2008)年2月、2186-2189頁.
 ・鈴木洋史、山本武人、辻省次:特集 臨床遺伝学の進歩と日常診療 病院診療システムへのファーマコゲノミクスの導入、日本医師会雑誌、第139巻・第3号、609-613頁、平成22年(2010年).

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