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 活性酸素  

 活性酸素は、血管を障害し、老化や癌化を促進する。
 摂取カロリーを制限すると、活性酸素の発生量が減少する。
 適度に、筋肉を使った運動をすると、生体内の活性酸素の除去能が高まる。

 活性酸素は、脂質、特に、細胞膜のリン脂質を酸化(peroxidation)させたり、蛋白やDNAに酸化障害(oxidative damage)を与える。

 活性酸素でも、スーパーオキシド(・O2-)は、酸化力は、低い。
 ヒドロキシルラジカル(HO・)は、寿命は短いが、酸化力は、強く、特に、脂質を連鎖的に酸化させてしまう(連鎖的脂質過酸化反応)。

 1.フリーラジカルとは
 2.活性酸素とは
 3.活性酸素による障害
 4.体内にある活性酸素を分解消去する酵素
 5.生物フォトン

 1.フリーラジカラルとは
 電子は、原子核(注1)の周りの電子軌道に、電子雲として、雲状に存在する(公転に相当するが、電子は、ラザフォード模型のように、核の回りを回っているのではない)。
 電子は、「スピン」と呼ばれる角運動量(J)を持っている(自転に相当する)。
 鉄、コバルト、ニッケルは、電子のスピン角運動量(J)のため、磁気モーメント(μ)を有しており、磁気が発生する(注2)。

 電子の持つスピン角運動量(J)の量子数は、スピン量子数(ms)で表されるが、2種類に限られる:上向きの矢印(↑)で表されるスピン量子数(ms)=1/2のαスピンと、下向きの矢印(↓)で表されるms=−1/2のβスピンの、2種類が存在する。
 電子は、2つの状態の内、いずれかの状態しかとることが出来ない(磁場中の粒子は、2つのエネルギー順位に分裂する)。
 どんな軌道でも、電子2個までしか、同一軌道上に存在できない。その電子は、互いに逆のスピンを持っていなければならない。(Pauliの原理:パウリの禁止原理)

 原子や分子は、ひとつの電子軌道に、互いにスピンの向きが逆の電子2ケ(1/2、−1/2)が、対(ペア)になって、存在していると、互いのスピンを打ち消し合い、スピン量子数(ms)は0となり、安定している。
 なお、原子や分子の全ての電子軌道に存在する、全ての電子のスピン角運動量の合計が、0の場合は「一重項状態」、1の場合は「三重項状態」と呼ばれる。
 一般に、「三重項状態」の方が、「一重項状態」に比して、より安定なエネルギー準位にある。

 ひとつの電子軌道に、ひとつの電子しか存在しない時、その電子は、不対電子と呼ばれる。不対電子は、「・」で示される
 不対電子を有する、原子や分子(=フリーラジカル)は、他の分子から、電子を1ケ奪って、対になろうとする。そして、フリーラジカル、他の分子から、1ケの電子を奪って酸化させたがる。その際、フリーラジカル自体は、還元される。

 一酸化窒素(NO)や塩素(Cl)も、フリーラジカル。

 2.活性酸素とは
 活性酸素(reactive oxygen species:ROS)とは、普通の酸素分子(O2)よりも活性化された状態の酸素分子とその関連物質を指す。

 もともと、酸素原子(O)には電子が8ケあるが、最外殻軌道(L殻)に6ケの電子が存在している:酸素原子は、K殻の1S軌道に2ケ、L殻の2s軌道に2ケ、2p軌道に4ケの電子を有している。

 L殻の6ケの電子の内、4ケの電子は、結合性の2つの軌道(πχ、πy)に、スピンが対(1/2、−1/2)になって存在している。しかし、2p軌道に存在する、残りの2ケの電子は、同じスピンの向き(1/2)のため、不対電子になって、反結合性の2つの軌道(πχ*πy*)に入っている。

 酸素分子(O2)では、酸素原子2ケに存在した計4ケの不対電子の内、酸素原子の共有結合に際して、2ケの不対電子は対をなすが、残りの2ケは不対電子のままである。
 このように、酸素原子は、ビラジカル(・O-O・)だが、活性酸素ほど、反応性は強くない。
 そのため、酸素分子の全スピン量子数は、1となる。

 活性酸素分子種としては、
 イ.ラジカル種
 スーパーオキシド(・O2-)、ヒドロキシルラジカル(HO・)、ヒドロペルオキシルラジカル(HOO・)、アルコキシルラジカル(LO・)、アルキルペルオキシルラジカル(LOO・)、一酸化窒素(NO)、
 ロ.ノンラジカル種
 過酸化水素(H2O2)、一重項酸素(1O2)、ペルオキシナイトライト(ONOO-)、脂質ヒドロペルオキシド(LOOH)、次亜塩素酸(HOCl)、オゾン(O3)、
などがある。

 このうち、スーパーオキシド(・O2-)、ヒドロキシルラジカル(HO・)過酸化水素(H2O2一重項酸素1O2)は、狭義の活性酸素と呼ばれる( 「酸素および活性酸素の最外殻軌道の電子配置」の項を参照)。
 
 活性酸素は、ミトコンドリアでのエネルギー代謝(電子伝達系)、炎症時の白血球、アラキドン酸代謝、心筋梗塞の虚血-再灌流、紫外線、タバコ、抗癌剤、除草剤、ストレス、などで生成される。

 酸化とは、酸素と結合するか、電子を失う化学反応のこと。
 活性酸素のうち、スパーオキシドとヒドロキシルラジカルは、1個の不対電子を有しており、フリーラジカルとして、他の分子から電子を奪って、酸化させる。
 なお、水素原子(原子核1ケ、電子1ケからなる)も、k殻に不対電子を持っており、水素ラジカルで、H2の形で互いの電子を共有結合し、安定する。
 a.スーパーオキシド(・O2-
 細胞内のミトコンドリアでは、内膜を電子が伝達される(電子伝達系)のと共役して、水素イオンが膜間スペース(膜間腔)に汲み出され、エネルギー(ATP)が産生される。
 呼吸により取り入れた酸素分子(三重項酸素3O2)は、ミトコンドリアの内膜の電子伝達系複合体IVで、伝達された電子により、四電子還元され、水(H2O)が生成される。しかし、この際、数パーセントの酸素分子は、一電子還元され、スーパーオキシド(ス−パーオキシドラジカルアニオン:O2-)も、生成されてしまう(注3):「」は、不対電子が1ケあるという意味。なお、ミトコンドリアの電子伝達系の複合体

 スーパーオキシド(superoxide)は、白血球(好中球)内で細菌を殺す際に、生成される。
 スーパーオキシドは、キサンチン酸化酵素によっても生成される。アロプリノールは、キサンチン酸化酵素(キサンチンオキシダーゼ)を阻害し、活性酸素の産生を抑制する(ラジカル産生抑制薬)。
 赤血球のヘモグロビンの鉄と結合した酸素からも、スーパーオキシドが、生成されるという:
 Fe2++O2→Fe3++O2-

 フェントン反応で生じる三価の鉄イオン(Fe3+) は、スーパーオキシドにより還元され、Fe2+に戻る。
 O2-+Fe3+→O2+Fe2+ (ハーバー・ワイス反応:Harber-Weiss reaction)

 また、銅は、スーパーオキシドにより還元されたり、酸素を酸化させる。
 O2-+Cu2+⇔O2+Cu1+

 酸素分子(O2)は、不対電子を、2ケ有している。
 スーパーオキシド(・O2-)は、酸素分子(三重項酸素)に、電子が1ケ入って、不対電子の数は、1ケに減っている。
 スーパーオキシド(・O2-)は、多量に発生するが、酸化力は弱い
 スーパーオキシドは、特に、核酸と反応する。
 スーパーオキシドは、ラジカルとしての反応性は低く、酸化障害に、重要な寄与は、しないと考えられている。

 スーパーオキシドは、体内でスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)により、過酸化水素に代謝される:
 2O2-+2H+→O2+H2O2

 高脂血症や高血圧は、血管内皮細胞のスーパーオキシドの産生を増加させる。
 スーパーオキシドは水溶性だが、連鎖的脂質過酸化反応に関与する。 
 
 NADPH酸化酵素(NADPHオキシダーゼ)は、血管内皮細胞の表面に存在し、種々の刺激で、容易に活性化され、スーパーオキシドを産生する。

 ディーゼルエンジンの排気ガス粒子(DEP:Diesel-Exhaust-Particles)を吸入すると、肺の中で、スーパーオキシド(O2-)→過酸化水素(H2O2)−(フェントン反応)→ヒドロキシルラジカル(HO・)と反応が進み、肺が障害され、浮腫などが出来ることが、生体計測ESRで確認された。 

 b.過酸化水素(H2O2
 過酸化水素(hydrogen peroxide)は、酸化力は弱いが、安定していて、寿命が長い。
 過酸化水素は、細胞中の鉄イオン(Fe2+)や銅イオン(Cu1+)などの触媒作用(金属イオンは、電子を供給する)で、ヒドロキシルラジカル(HO・)に変化する:
 Fe2++H2O2 →Fe3++HO-+HO・ (フェントン反応) 
 Cu1++H2O2 →Cu2++HO-+HO・

 過酸化水素は、鉄イオン媒介ハイパー・ワイス反応によっても、ヒドロキシルラジカル(HO・)に変化する。
 O2-H2O2HO・+HO-O2

 過酸化水素は、ミエロペルオキシダーゼの作用で、さらに毒性の強い次亜塩素酸(HOCl)にもなる。過酸化水素と次亜塩素酸は、好中球で殺菌作用をする。
 過酸化水素の標準酸化還元電位は、1.35と高く、電子を引き抜く作用があるが、酸化力は、酸化チタンよりは、弱い。
 表1 活性酸素の酸化還元電位 
 名称  英語  記号  酸化還元電位(ORP)
 ヒドロキシルラジカル  Hydroxyl Radical  ・OH  2.05
 酸素原子  Atomic Oxygen  O1  1.78
 オゾン  Ozone  O3  1.52
 過酸化水素  Hydrogen Peroxide  H2O2  1.30
 次亜塩素酸  Hypochlorous Acid  HOCl  1.10
 酸素分子  Oxygen  O2  0.94
 過酸化水素は、細胞膜を容易に通過する。
 赤血球では、血漿中で生成された過酸化水素が、細胞膜を通過し、赤血球内の3価鉄の存在下、フェントン反応などにより、ヒドキシルラジカルに変化する。ヒドキシルラジカルは、細胞膜内側から膜障害を来たし、赤血球を溶血させると言う。
 ウイルソン病では、血清銅は減少するが、遷移金属として作用する銅(アルブミンと結合している)は、増加している。2価銅は、生体膜蛋白のSH基により1価銅に還元される。1価銅は、安定な2価銅に戻る際に、酸素に電子を与えるので、スーパーオキシドが生成させる。スーパーオキシドは、(血漿中で)不均化反応により、過酸化水素になり、さらに、過酸化水素は、1価銅により、ヒドロキシルラジカルになる。

 c.ヒドロキシルラジカル(HO・)
 ヒドロキシルラジカル(hydroxyl radical)は、存在するのは100万分の1秒間(注4)と寿命が短いが、酸化力は強く、酵素蛋白質や細胞骨格蛋白質、脂質、糖質、核酸(DNA、RNA)、などと反応する。
 ヒドキシルラジカルは、特に、脂質を連鎖的に酸化させてしまう。この連鎖的脂質過酸化反応を停止出来るのは、抗酸化物質の、ビタミンE

 ヒドロキシルラジカルは、過酸化水素がスーパーオキシドや金属イオンと反応して、生成される:
 Fe2++H2O2→Fe3++HO-+HO・ (フェントン反応) 

 2分子のヒドロキシルラジカルは、過酸化水素に戻る:
 ・OH+・OH→H2O2

 ヒドロキシルラジカルは、スーパーオキシドと反応する: 
 ・OH+O2--OH+O2 

 ヒドキシルラジカルは、過酸化水素と反応する:
  ・OH+H2O2→H2O+HOO・

 ヒドロキシルラジカルは、グルタチオンと反応して消去される:
 ・OH+GSH→H2O+GS・

 グルタチオン(glutathione)は、アセチルシステイン(N-acetylcysteine:NAC)から合成される。N-acetylcysteineを摂取して、細胞内のグルタチオン濃度を高めると、ミトコンドリアや細胞が、活性酸素の障害作用から、防御される。N-acetylcysteineは、それ自身、抗酸化作用(antioxidant properties)がある。
 また、機序は不明だが、パントテン酸(pantothenic acid)を投与して、細胞内のCoA量を増加させると、グルタチオン濃度が高まる。

 ヒドキシルラジカルは、細胞膜を構成する脂質と反応し、過酸化脂質が蓄積する(連鎖的脂質過酸化反応)。
 過酸化脂質自体にもラジカル作用があり、他の物質を酸化させる。

 d.一重項酸素1O2
 一重項酸素の生成には、まず、基底状態の酸素分子(三重項酸素3O2)が、光などのエネルギーを吸収し、励起状態になり(電子遷移)、反結合性の軌道(πy*)の不対電子1ケ(1/2のスピン)が、スピンの向きを変える(−1/2のスピンになる:スピン反転)と、3Σg+の一重項酸素になる。
 さらに、3Σg+の一重項酸素では、速やかに、反結合性の軌道(πy*)の不対電子(−1/2のスピン)が、別の軌道(πχ*)に入る。そして、別の軌道(πχ*)に存在した、異なるスピン(1/2のスピン)の不対電子と、対になって、互いのスピンを打ち消すようになったのが、1g一重項酸素。通常の反応に関与するのは、1gの一重項酸素で、三重項酸素(基底状態の酸素分子)より、94.1KJ/mol、エネルギー準位が、高い。
 
 スーパーオキシドが、電子を受け取って生じるのに対して、一重項酸素は、エネルギーを吸収して、生じる。

 一重項酸素は、不対電子を持たないが、「空の軌道」(πy*)が、2ケの電子を強く求めるため、強力な酸化力を発揮する。

 一重項酸素は、不飽和脂肪酸と反応して、過酸化脂質を生じる。
 一重項酸素は、皮膚で紫外線が当たる際に発生し、コラーゲンやエラスチンなど皮膚の若さを保つ蛋白を破壊する(注5)。
 一重項酸素は、電子を奪って、スーパーオキシドになる:
 A+1O2→A++O2-

 一重項酸素は、再び、基底状態の酸素(三重項酸素)になる時に、近赤外領域の波長(1.27μm)で発光する。

 一重項酸素は、抗酸化物質でも、カロテノイドが消去する。
 カロテノイドには、細胞膜で作用するカロテノイド(リコピン、α-カロテン、β-カロテン)と、細胞内で作用するカロテノイド(ルテイン)が、存在する。
 食事から摂取したカロテノイドは、細胞(細胞膜や細胞内)に移行し、1〜2日間、活性酸素(一重項酸素)の消去に有効と言われる。
 β-カロテンは、紫外線により発生する一重項酸素を消去し、皮膚のシミなどを改善・予防する。ニンジンは、茹でると、β-カロテンの腸からの吸収が高まる。茹でたニンジンを摂取した場合、生のニンジンを摂取した場合に比して、血中のβ-カロテン濃度は、高い:摂取6時間後で平均1.4倍、摂取8時間後で平均1.6倍、血中のβ-カロテン濃度が、高い。ニンジンを茹でたジュース(果汁)を飲むと、皮膚のシミが、改善する。
 一重項酸素の消去には、ビタミンCやビタミンEは、有効でない。

 3.活性酸素による障害
 a.過酸化脂質
 脂質は、細胞膜の主成分であり、また、血液中ではLDLなどのリポ蛋白として運搬される。
 脂質は、活性酸素(特に、ヒドロキシルラジカル)により酸化変性され、過酸化脂質が生じる。
 過酸化脂質により、細胞膜機能が変化したり、細胞が障害される。また、他の蛋白が酸化される。
 過酸化脂質が増加した酸化LDLは、血管内皮細胞を障害し、動脈硬化を来たしたり、血栓を作りやすい体質にする。
 年をとったマウスの脳や肝臓には、若いマウスの数倍の過酸化脂質が蓄積されている。

 b.酵素活性の低下
 ヒドロキシルラジカルにより、酵素蛋白が酸化変性される。
 酵素蛋白が酸化変性すると、酵素活性が低下し、熱に対して不安定になり、細胞の機能が低下する。
 活性酸素によりアミノ酸が酸化されて生じるカルボニル化合物の量は、老化とともに増えることが、マウスの脳や腎臓や肝臓、ヒトの脳や眼の水晶体で、観察されている。

 c.動脈硬化や、心筋梗塞あるいは脳梗塞の発症
 ヒドロキシルラジカル一重項酸素により、不飽和脂肪酸が酸化変性される。
 酸化された不飽和脂肪酸を含む酸化LDLは、血管内皮細胞を障害し、動脈硬化を来たしたり、血栓を作りやすい体質にする。
 その結果、心筋梗塞や脳梗塞が発症する。
 (ただし、酸化LDLに含まれる過酸化脂質は、生体内で活性酸素が原因で生成されるものよりも、食事由来のものもあると思われます。)

 d.発癌
 すべての活性酸素は、核酸を障害する。
 細胞は、DNAが酸化され、障害を受けると、癌化したり、細胞死に陥る。
 抗酸化物質は、発癌を抑制する。
 なお、ニトロサミン(ニトロソアミン)などの発癌物質は、直接的ないし間接的にフリーラジカルを生成する。

 e.老化の促進
 DNAの塩基G(グアニン)が酸化されると、OHGと言う物質が生じる。
 OHGの細胞内の量は、核よりミトコンドリアに多い。
 脳や肝臓や心臓に含まれるOHG量は、年をとったマウスの方が、若いマウスより、多い。加齢により、活性酸素によるDNA障害が蓄積するものと考えられる。
 
 f.寿命の短縮
 活性酸素は、一回の細胞分裂当りのテロメア短縮を大きくし、細胞の分裂回数を減らすので、寿命が短くなる(注6)。
 カロテノイドを多く含む緑黄色野菜の摂取量が少ないと、活性酸素により、テロメアが早期に短く切断され、老化が早まると言う。
 
 g.白内障
 ブドウ糖グルコース)は、眼の水晶体の中で、sorbitol pathwayで代謝される。糖尿病で水晶体内のブドウ糖濃度が高いと、アルドース還元酵素(aldose reductase:AR)により還元されて生成されるソルビトールが増加して蓄積し、糖尿病性白内障になる。もう一つは、糖尿病で過酸化脂質が沢山生成されるのが原因でなる白内障で、ビタミンEが、ある程度、効果がある。
 糖尿病などで、高血糖状態が続くと、ミトコンドリアの電子伝達系を介して、活性酸素(ROS)が、多く産生される。
 老人性白内障も、過酸化脂質の増加が原因である。過酸化脂質の増加には、活性酸素が影響している。

 h.皮膚のシミ(褐色顆粒)
 細胞内のリソソーム(lysosome:注7)の膜の不飽和脂肪酸が、活性酸素で酸化されて生じる過酸化脂質(と蛋白質の複合体)が、リポフスチンとして蓄積すると、シミになる。

 i.アルツハイマー病
 活性酸素によりアミノ酸が酸化されて生じるカルボニル化合物の量が、アルツハイマー病の患者では多いという。
 なお、神経細胞膜内コレステロール量が増加すると、Aβ(アミロイドβ蛋白)が、脳内で重合(凝集)し易くなり、脳内に蓄積し、アルツハイマー病(痴呆症、認知症)を来たすと考えられる

 j.レッドクス制御
 細胞質内では、NFB(nuclear factor kappa B:免疫グロブリン鎖遺伝子発現のエンハンサーのB断片、NFkB(NF kappa B)は、IB(inhibitor B)と結合している。
 活性酸素は、PKC(キナーゼC)、PTK(protein tyrosine kinase:細胞質型チロシンキナーゼ)、セリンキナーゼを活性化させ、NFBとIBの結合を解離させ、遊離したNFBは、核内に移行し、炎症性サイトカインTNF-αIL-2など)、NOiNOS)、T細胞受容体、MHCなどの遺伝子を活性化させる。
 IL−1βは、NFBの発現を介して、COX-2と、EP3受容体のmRNAの発現を、増加させる。COX-2により産生されたPGE2は、EP3受容体に結合し、cAMPを低下させ、ブドウ糖によるインスリン分泌を、抑制する。

 k.腎障害
 腎臓では、活性酸素(スーパーオキシド)は、NADPHオキシダーゼ、あるいは、ミトコンドリアで、産生される。
 腎臓では、NOが、L-アルギニンから、eNOSにより、生成される。NOは、血管を拡張させ、血管を保護するが、NOが、スーパーオキシドと反応すると、ペルオキシナイトライト(ONOO-)と言う、より強力な酸化因子が、生成され、細胞障害が起こる。

 4.体内にある活性酸素を分解消去する酵素
 活性酸素(reactive oxygen species:ROS)を解毒する酵素系には、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)、カタラーーゼ(catalase)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH peroxidase)、グルタチオン還元酵素(GSH reductase)、Glucose-6-phosphate dehydrogenase(G6PD)が存在する。

 a.スーパーオキシドディスムターゼ(SOD:superoxide dismutase)
 SODは、スーパーオキシドを、過酸化水素と酸素に分解する:
 2O2-+2H+→O2+H2O2

 細胞質やミトコンドリア内に存在していて、銅(Cu)や亜鉛(Zn)やマンガン(Mn)が補助因子となる。
 SODは、運動など、必要に応じて、たくさん誘導されて作られるようになるが、老齢になると誘導能力が低下するという。筋肉を使った運動は、SODの活性を高め、活性酸素の除去能を高める。
 ヒトは、体重当りのカロリー消費量に対してSODの活性が他の動物より高いため、寿命が長いと、考えられる。
 血清中のSOD活性は、成人より小児の方が高い:年齢が若い小児の方が、高い。

 細胞内には、SODのように、活性酸素を消去(除去)する働きのある酵素が存在するが、細胞外にはあまり存在しないので、細胞は、外からの活性酸素には、弱いと言われる。

 b.カタラーゼ
 過酸化水素を、酸素と水に分解する酵素。
 H2O2H2O+1/2O2


 カタラーゼは、SODと共同して、生命の寿命の延長に関与している。
 血管内皮細胞では、カタラーゼ活性が低い。

 過酸化水素(H2O2)は、細胞膜(生体膜)を自由に通過可能なので、ペルオキシゾーム(peroxisome)内のカタラーゼ以外に、細胞質ゾル(cytosol)のグルタチオンペルオキシダーゼ(glutathione peroxidase)、チオレドキシンペルオキシダーゼ(thioredoxin peroxidase)、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ(ascorbate peroxidase)によっても、水に分解される。

 c.グルタチオンペルオキシダーゼ
 グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px:glutathione peroxidase)は、セレン(Se)を活性中心に持つ。
 グルタチオンペルオキシダーゼは、過酸化水素を、グルタチオンの存在下で、水に代謝させ、酸化型グルタチオンを生成する:
 H2O2+2GSH→2H2O+GSSG 

 また、グルタチオンペルオキシダーゼは、過酸化脂質を還元する
 LOOH+2GSH→LOH+GSSG+H2O

 なお、グルタチオンペルオキシダーゼは、ヒドロキシルラジカルを消去させるが、ビタミンB2(リボフラビン)を補酵素とするので、ビタミンB2の欠乏は、過酸化脂質の増量を来たす。

 細胞内のグルタチオン(GSH)の濃度は、5〜10mMと、高い。
 細胞内の酸素分圧が上昇すると、ミトコンドリアの電子伝達系の電子の流れが活性化させ、cytochrome c oxidaseが、酸化状態にシフトする。その結果、[NAD]/{NADH]比([NADP]/{NADPH]比)や、GSSG/GSH比が、上昇する(NADH/NAD+は、低下する)。

 Glucose-6-phosphate dehydrogenase(G6PD)と、6-phosphogluconate dehydrogenase(6-PGD)により生成される12分子のNADPHを用いて、グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)と、グルタチオン還元酵素(GSH reductase)により、12分子の過酸化水素(H2O2)が消去され、6分子の二酸化炭素(CO2)が、肺から排出される。
 5.生物フォトン
 体内に、活性酸素や、酸化ストレス増加すると、生物フォトンによる発光が、増加する(注8)。
 生物フォトン(バイオフォトン)による発光は、細胞内で、活性酸素により、ラジカル連鎖反応が起こる為と考えられている(リポキシゲナーゼ等の酸化酵素が、発光に関与する)。

 6.食品加熱と活性酸素
 食品(肉や魚)を高温で加熱調理すると、蛋白質が熱変性を起こし、ヘテロサイクリックアミンが生成される。
 ヘテロサイクリックアミンは、生体内で、N-水酸化体となり、エステル化されて、遺伝子DNA鎖を切断し、変異原性を現す。ヘテロサイクリックアミンが、遺伝子DNA鎖を切断する際には、活性酸素(スーパーオキシドアニオン、過酸化水素、ヒドロキシラジカル等)が、関与する。
 ブドウ糖とアミノ酸が共存する食品を、加熱調理すると、メイラード反応により、ヒドキシフラノン誘導体(芳香成分)が生成される。ヒドキシフラノン誘導体は、活性酸素を発生させ、DNA鎖を切断したり、組織障害を起こす。
 
 電子レンジは、電磁波(2450MHzのマイクロ波)により、水分子を共鳴振動させ、水分子(双極子)を回転運動させ、電磁波のエネルギーが、熱運動エネルギー(摩擦熱)に変換され、食品の温度が上昇する。電子レンジ調理では、水は、100℃までしか温度が上昇しない(油は、電磁波の吸収効率が、水より低いが、温度は100℃以上に上昇する)。
 ビタミンC残存率は、電子レンジで調理した方が、従来調理(煮沸など)より、多い(水さらし液や、煮汁へ溶出率が少ない)。
 ほうれん草の場合、ビタミンC残存率は、電子レンジ調理が82%なのに対して、従来調理は69%。
 ビタミンB1残存率も、電子レンジ調理の方が、5〜15%多い。
 電子レンジで調理した方が、従来調理(煮沸など)より、残存率が高いのは、水さらしがない為に、溶出率が低い為。
 従来調理(茹でる調理)では、「あく」(Ca、Mg、Kなどの無機塩類、タンニン、アルカロイド、サポニン、配糖体、有機酸等を含む、辛味や渋味の不味成分)が、水に溶出する。特に、野菜は、「あく」の有機酸が、加熱により壊れた組織から、溶出するので、クロロフィルの色が悪化させない為に、水さらしする必要がある。「あく」は、電子レンジ調理では、食品中に、多く残る(タンニン等は、抗酸化物質としての作用も、期待出来る)。ワラビ(蕨)は、「あく」(灰汁)として、タンニン(ポリフェノールの1種)や、ビタミンB1破壊酵素を含んでいるので、動物(鹿等)は、ワラビ(蕨)を食べない。
 電子レンジにより、水分子は、マイクロ波による電界の変化に追従して動く。しかし、蛋白質や澱粉のような巨大分子は、電界の変化に追従出来ず、末端基が振動する程度に過ぎない。
 電子レンジ調理(マイクロ波加熱)は、蒸した場合より、細胞の変形は大きいが、細胞壁の損傷は、少ない。
 電子レンジ調理では、蒸した場合に比して、食物繊維のペクチンが、水溶化しにくいので、柔らかくなり難い(シャキシャキした歯応えになる)。
 電子レンジ調理では、脂質の酸化の度合いは、従来調理(オーブン等)と同等と言われる。電子レンジ調理では、中性脂肪の劣化は、オーブンより少なく、リン脂質の劣化は、オーブンより多いと言う。
 一般に、加熱調理により、抗酸化物質(ビタミンC、ポリフェノール等)は、酸化酵素の活性が失われるので、残存しやすくなる。そして、特に、電子レンジ調理では、煮たりした場合に比し、抗酸化物質が、茹で汁中に流出しないので、残存率が高くなる。
 電子レンジ調理では、水の温度は100℃までしか上昇しない(焦げ目が付かない)ので、発癌性のある焦げ物質(ジメチルニトロソアミン)、トリプトファン加熱分解産物の発生量が、ガス火加熱より少ない:魚肉中のジメチルニトロソアミン量は、生肉中0.1〜1.0μg/kg、ガス火加熱0.2〜2.0μg/kg、電子レンジ調理0.1〜0.60μg/kg。


 精製した油脂(oil)は、電子レンジによる加熱調理(microwave healing)により、酸化変性(oxidativedeterioration)する。精製した油脂の電子レンジによる酸化変性は、セサモール(sesamol:リグナン)や、ビタミンE(tocophenol)を添加すると、著明に、抑制される。
 大豆を、いろいろな水分濃度(moistures)で、電子レンジにより焼いた(roast)実験結果では、大豆を、予め水に浸して(soaking)から、電子レンジで焼くと、ビタミンEの減少や、大豆油脂の酸化変性が、抑制された。水に浸した大豆は、電子レンジで20分間焼いても、ビタミンEは、80%以上が残存し、大豆油脂は、ほとんど化学的に変化しなかった(電子レンジで調理しても、ビタミンEが含まれていれば、油脂は、あまり、酸化変性しない)。
 ビタミンEは、大豆では、軸(Axis)に一番多く、次いで、子葉(cotyledons)、殻(coat)に多く含まれる。大豆を(水に浸さないで)電子レンジで加熱すると、殻に含まれるビタミンEの40%が喪失するが、軸や子葉に含まれるビタミンEの80%以上は、保持される。なお、電子レンジで加熱すると、特に、殻の部位で、トリグリセリド(triacylglycerol)やリン脂質や多価不飽和脂肪酸が減少する。大豆の軸や子葉に含まれるビタミンEは、電子レンジの調理しても、多くが保持される。

 7.慢性肉芽腫症
 慢性肉芽腫症(chronic granulomatous disease:CGD)は、食細胞(好中球、単球)に存在するNADPHオキシダーゼの構成蛋白が、遺伝的に欠損し、食細胞の活性酸素産生能が欠如している。
 慢性肉芽腫症(CGD)では、食細胞(好中球、単球)が、カタラーゼ陽性で過酸化水素(H2O2)非産生性の細菌(黄色ブドウ球菌、グラム陰性菌、結核菌)や、真菌を、殺菌する能力が低下している為、乳幼児期から、重症感染を反復し、肉芽腫が形成される。
 慢性肉芽腫症(CGD)の遺伝形式には、伴性劣性(X-CGD)と、常染色体劣性(A-CGD)との2型がある。
 

 おまけ:

 1.右ネジの法則
 電流が流れる(電子は、反対方向に移動する)と、右ネジを回す方向に、磁界が生じる(N極からS極の方向に、磁力線が生じる)。
 電場が変化すると、磁場が変化する。電磁波などで、磁場が変化すると、電場が変化する。
 

 2.フレミングの左手の法則
 人さし指の方向に磁界がある場で、中指の方向に電流が流れる(電子は、反対方向に移動する)と、親指の方向に、力が働く。
 磁界の中を電流が流れると、力が働く。 
 3.電子の基本的性質
 質量(m)=9.109×10-31kg
 電荷(e)=-1.602×10-19クーロン
 電子は、粒子の性質を持つ波動と理解される。
 電子は、光子(電磁波)のエネルギーを共鳴吸収して、そのエネルギーを光子として放出したり、電子自身が、物質から飛び出す(光電効果)。
 普通の物質(バリオン物質)は、原子に電子を有する。しかし、暗黒物質は、電子を有しないので、光子を吸収・放出しないので、眼に見えない。普通の物質(バリオン物質+光)は、宇宙(のエネルギー)の4%を占めるに過ぎず、暗黒物質(質量を有するので、重力が作用する)が23%、暗黒エネルギー(斥力が作用する)が73%を占めているという。なお、光子(のエネルギー)は、普通の物質(バリオン物質)の10万分の1程度しか存在しない。

 4.キノコの色
 エノキダケは、天然株(野生で自生した株)は、栽培株と異なり、メラニンなどのポリフェノールの酸化物により、茶色に着色している。
 白い天然株のエノキダケは、SODの活性が高く、メラニンが形成されにくいので、光(紫外線)を浴びても、色が白いままでいる。

 5.水分子
 水分子(H2O)では、酸素原子と、水素原子とが、電子により、共有結合している。
 水分子の酸素原子核は、水素原子と共有する電子に、強い引力を及ぼす為、水分子では、酸素原子が負の電荷を帯び、水素原子は正の電荷を帯び、極性を有する。
 水分子の負に荷電した酸素原子は、他の水分子の正に荷電した水素原子と引き合い、弱い水素結合を形成する。
 水素結合は、半減期10-10秒で、酸素原子と水素原子とが、結合したり、離れたりを繰り返している。

 水は、凍らせると、体積が増加するが、エタノールや食用油は、凍らせると体積が、減少する(エタノールの方が、食用油より、体積の減少率が多い)。
 水を凍らせて出来る氷は、水に浮かぶが、エタノールや食用油を凍らせて出来る氷は、それぞれ、エタノールや食用油に、沈む。

 6.分子運動とエネルギー
 紫外線のエネルギーでは、電子遷移が起こる。
 赤外線のエネルギーでは、分子の振動(分子間の結合が伸縮する)が起こる。
 マイクロ波のエネルギーでは、分子の回転が起こる。
 ラジオ波のエネルギーでは、分子や電子のスピン運動が起こる。

 注1:原子核は、陽子や中性子から構成されている。陽子や、中性子は、それぞれ、3ケのクォークから構成されている。クォーク間の結合は、エネルギーが低くなると、無限に強くなる。

 注2:電子のスピンに起因して、磁性が生じる。
 磁気モーメントとは、言わば、1つの電子がスピン(回転)することで生じる、小さな磁石。
 水素の原子核(1H)=プロトンも、スピン(核スピン)しており、
電子より弱い(約658分の1)が、核磁気を有している。
 核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)と言って、磁場中の粒子の核スピンは、磁場の方向と逆の方向の2種類に分かれる。この状態で、電磁波(ラジオ波)を当てると、電磁波のエネルギー(hν)が、ゼーマンエネルギーに、一致すると、共鳴して、エネルギーの吸収が起こる(外部からの電磁波のエネルギーを吸収して、励起する基底状態の原子数は、たかだか10万分の1程度しかない)。例えば、1.0T(テスラ)の磁場中で、水素の原子核(1H)=プロトンは、42.58MHz(メガヘルツ)の周波数の電波に共鳴して、信号(電磁波)を放出する:信号(電磁波)で、周期的に磁場が変動すると、受信コイルに電流が流れる。1H-NMRは、MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴診断法)として、画像診断に利用されている:
MRIでは、水(H2O)と脂肪に含まれる、水素の原子核(1H)からの信号(電磁波)を検出する13Cも核磁気を有しているが、13Cは、炭素中に1.7%しか存在せず、13C-NMRは、1H-NMRの5700分の1程度しか、感度がない。
 ESR(Electron Spin Resonance:電子スピン共鳴法)は、核スピンより強い、電子スピンを検出する。生体計測ESR法では、スピンプローブを用いて、生体で発生する活性酸素を測定出来るという。

 注3:ミトコンドリア内膜で、複合体IVに渡された電子により、酸素分子(O2)が還元される際に、一部の酸素分子は、一電子還元され、スーパーオキシド(O2-)、過酸化水素(H2O2)、ヒドロキシルラジカル(HO・)など活性酸素(ROS)が、発生(generate)してしまう。
 活性酸素は、ミトコンドリア内膜の複合体IIIでも、電子(プロトン)が、CoQ(ubiquinone)、シトクロムb、シトクロムc1の間を、行き来する間に発生する。複合体IVで発生する活性酸素の量よりも、複合体IIIで発生する活性酸素の量の方が、多いと言う。
 活性酸素は、ミトコンドリア内膜の複合体Iや、ミトコンドリア外膜のmonoamine oxidaseでも、発生する。

 注4:ヒドロキシルラジカル(HO・)の存続時間は、1億分の1秒間(10-8秒)と記する本もある。ヒドロキシルラジカル(HO・)は、このような超短時間内に、他の分子と反応する。
 スーパーオキシド(・O2-)は、比較的安定なラジカルなので、存続時間は、数秒間と言われる。

 注5:紫外線は、皮膚の(コラーゲン線維や弾性線維の)炭素結合(C-C)を切断し、シワの原因になる。

 注6:長寿の為には、腹八分の食事が良いと言われて来たが、食事で摂取するカロリー制限(Caloric Restriction)をすると、活性酸素の発生量が低下して、寿命が延びるという。
 カロリー制限をすると、コレステロール、中性脂肪や、血圧は、低下する。
 カロリー制限は、脳内において、神経細胞の壊死を減らし、神経を保護する神経栄養性のファクターを増加させ、脳の可塑能力を高めるという。逆に、高カロリー食、高脂肪食は、アルツハイマー病などの、神経変性性疾患のリスクを、高めるようだ。
 しかし、カロリーを制限し過ぎると、骨密度の低下、免疫力の低下などの弊害も、起こり得る。また、ビタミンなどが、欠乏しない食餌を摂取することが大切。
 基礎代謝量により、適切な摂取すべきカロリー量は、異なる。20代の時の体重を維持するように、食餌を摂取すると良いという。
 10代は、成長期なので、カロリー制限は、20歳前は、行ってはいけない。カロリー制限を行うのは、30歳代、あるいは、40歳代から行うのが良い。

 注7リソソーム(Lysosome、ライソゾーム、リソゾーム)は、細胞内外の不要物質を加水分解・消化する細胞内の顆粒。リソソームの内腔のpHは、5以下と酸性。pH5で良く働く酸性加水分解酵素が存在している。
 
 リソソーム(lysosome)は、lysis(溶かす)と、some(顆粒)とから命名されている。
 リソソームは、細胞内の「消化器官」であり、細胞内外の不要物質を、加水分解したり、消化する。
 リソソームは、ミトコンドリアより小型で、電子顕微鏡で観察すると、膜は一層で、内腔は電子密度が高い。

 注8:電子は、エネルギーを吸収し、励起状態となり、それが基底状態に戻る時、フォトン(近赤外〜可視領域の電磁波)を出す。このフォトンは、微弱なため、肉眼では、知覚出来ないが、光電子増倍機能を持つ高感度の機械を用いて、測定出来るようになった。
 生物でも、細胞分裂など、生命活動に供ない、フォトンが発せられ、生物フォトンバイオフォトン:biophoton)と呼ばれている。
 気功師が、気を発する時に、(手の)経穴(ツボ)から発せられる、生物フォトンの発光量が、増加する。また、気功を受けた患者の患部からは、かなり多量の生物フォトンが、発光されるのことが、測定された。気功では、「」と言う、未知のエネルギーが発せられ、人体の細胞を構成する物質に吸収され、物質の電子のエネルギー状態を励起させ、生物フォトンの発光を増加させるものと、推測される。このように、」のエネルギーは、物質(バリオン物質)を構成する電子に吸収され、電子のエネルギー準位を高めると、推測される。
 電子は、言わば、音叉です。打撃された音叉(エネルギーを受けた音叉)は、音を発し(音波を発し)、離れた、他の音叉を、共鳴で振動させる。そのように、電磁波のエネルギーを吸収し励起した電子は、基底状態に戻る際に、電磁波を放出し、その電磁波は、他の原子や分子に存在する電子を共鳴させ、吸収される。
 電子は、「気」のエネルギーを吸収し、励起した電子が、基底状態に戻る際に、光(電磁波)を発する。その光が、生物フォトンとして、測定されるようだ。

 生体内には、電子が移動したりして、微弱な電流が流れ、磁気(磁場)が生じている。
 良い、「気」のエネルギー(パワー)は、生体(人体)の細胞の機能を高めたり、霊魂(精神)を癒すことが、期待される。
 しかし、「気」のエネルギーは、物理的なエネルギーとしては、弱いので、「気」のエネルギーのみで、物体を移動させることは、困難。

 気功で「気」のエネルギーによって水の電気抵抗が減少するのは、電子のスピンの向きが揃うからだと考える説もある。

 参考文献
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 ・岡野創造、吉岡博:虚血性脳障害におけるフリーラジカル 小児科 Vol.38 No.5、449-455、1997年.
 ・伊藤進、他:新生児と酸素代謝−酸素毒性との関係において− 小児科 Vol.40 No.12、1581-1588、1999年.
 ・吉岡俊正:フリーラジカルと糸球体疾患 小児科 Vol.38 No.9、1065-1073、1997年.
 ・板倉弘重:食生活がもたらす酸化ストレス 日本医師会雑誌 第124巻・第11号、1554-1558、2000年.
 ・肥後温子:新版 電子レンジ「こつ」の科学 柴田書店(2005年).
 ・光でとらえる植物の病害抵抗性誘導、現代農業、310-315、2005年6月号、農山漁村文化協会.
 ・薮原明彦:慢性肉芽腫症におけるIFNγの治療応用、信州医誌、40(6): 675〜676、1992年.
 ・Hiromi Yoshida, et al: Antioxidative effects of sesamol and tocopherols at various concentrations in oils during microwave heating. Journal of the Science of Food and Agriculture Volume 79, Issue 2, 220-226, 1999.
 ・Hiromi Yoshida, et al: Vitamin E and Oxidative Stability of Soya Bean Oil Prepared with Beans at Various Moisture Contents Roasted in a Microwave Oven. Journal of the Science of Food and Agriculture Volume 72, Issue 1, 111-119, 1996.
 ・Sachiko Takagi, et al: Microwave roasting effects on the composition of tocopherols and acyl lipids within each structural part and section of a soya bean. Journal of the Science of Food and Agriculture Volume 79, Issue 9, 1155-1162, 1999.

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